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無名な私が書籍出版することになったきっかけ、執筆料、印税など本作りのリアルな話

私は数年前に、Web制作の契約向けの書籍を何冊か執筆しています。

同じ出版社から2冊、最初に出版した会社が出版事業自体をやめるということで、他の出版社に原稿を引き取ってもらい、タイトルや内容を少し修正して、同じく2冊。

合計で4冊の本を上梓したことになります。

はっきり言って、Web制作業界で講演しているような著名な人間でもありませんし、会社だって業界内で名の知れたような制作会社に所属しているわけではありません。

そんな私が、どういうきっかけで本を執筆することになったのか、原稿料や印税の話、執筆時の契約はどういう感じで進んでいったのか、この記事では体験談を書いてみたいと思います。

出版業界では契約なしで原稿料も払われないケースがある、など良くない話もネットで話題になったりしていますが、私自身はまったくそんなことはありませんでした。

本業のWeb制作では常に契約とお金の交渉をしているので、自分から契約やお金の話をした、ということもありますが、世に言う出版業界の闇みたいなものもなく、編集者もとても良い方々でした。

この記事では、「本を執筆することになったきっかけ」「原稿料や印税について」「印税の受け取りは個人か法人か?」「本を出版できてよかったこと」などについて私の経験をまとめています。

ビジネス書の執筆を目指している方、現在進行形で執筆されている方、副業で執筆をされている方などの参考になればと思います。

本を執筆することになったきっかけ

ある日、会社のWebサイトの問い合わせフォームから、私個人に宛てたメールが届きました。
プレスリリースや採用情報などの名前が載っていると、名指しで営業メールが来ることはよくあるので、最初はよく読まずにその手のメールかと思っていました。

しかし、よく読んでみると出版社からのメールで、私個人にWeb制作関係の書籍を執筆して貰えないか、という内容でした。
疑い深い私は、それでもブックマーケティングの営業なのかと思っていました。

テレビ番組の取材とか、インタビューをさせて欲しいという内容で、話を聞いてみると、インタビューを受けて記事を掲載する代わりに、掲載料を取られるような内容の営業はよくあるんです。
毎日のようにそういった営業のメールや電話があるので、疑い深くなっていました。

無名の自分に対して、本を書いて欲しいなんていう人がいるわけない、と思っていたので、本当に何から何まで疑いました。

ただ、問い合わせの内容を読んでみると、うさん臭さはなかったので、とりあえず話だけ聞いてみて、ブックマーケティングだったらお断りしようという気持ちで、編集者の方と会ってみました。

後日お話を聞いてみると、法律関係の専門書を出版している会社の方で、Web制作関係の法律書を企画していて、たまたま私の記事をご覧になって、執筆の話をご相談をいただいたということでした。

編集者の方の目にとまった記事は、契約の話を中心に書いていたわけではありませんが、Webサービスの利用規約などの話を書いて、はてなブックマークのホットエントリーに掲載されていたのをご覧になっていたようです。
(たしか、ホットエントリーの1番上にしばらく表示されていたかと思います。)

最近よく、ブログの書籍化などの話をよく聞くようになりましたが、そんな感じです。会社の業務として書いていたブログが本の出版に繋がるとは思ってもみませんでしたね。

本が店頭に並ぶまでにかかった期間

本が出版されて、店頭に並ぶまでにかかった期間は、丸一年くらいだったかと思います。

というのも、私が書いた本は弁護士の先生との共著という形で企画されていたので、執筆を受けてくれる弁護士の先生を探すのに時間がかかっていました。

実際に執筆を始めて、本が出版されるまでは半年程度だったと記憶しています。正直、最初に相談をいただいてから、半年近く経っていたので、書籍の話自体なくなったものだと思っていました。

相談を持ちかけて、話を詰めておいて、社内で稟議が下りなかったとか、保留になったりして、音沙汰がなくなるということは、Web制作でもよくあることなのです。

そてやられたか?!とも思いましたが、共著をしていただける弁護士の先生が決まってからは、とんとん拍子で進みました。

思い起こしてみると、こんなに時間がかかるんだ、という感覚でした。
本業の合間に執筆を進めていたということも、時間がかかった要因ではあったと思います。時間はかかったけど、台割から装丁まですべてに関わらせていただいたのは楽しかったです。
(ちなみに装丁は、自社のデザイナーにやってもらい、きちんと会社の売上にしました)

ブログとは異なり、原稿用紙何百枚分の文章を書いた経験はなかったので、煮詰まってくるときつかったですね。

原稿料、執筆料の話はどの段階でしたのか?

私の場合は、執筆したページ数とか文字数に対しての執筆料という形ではなく、本を出版した部数に対しての印税という形でお金をいただきました。

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