見出し画像

ブロッコリーのパスタはカリブ海の味

農家さんの直販所でブロッコリーが買える季節になりました。
今日のランチはブロッコリーとトマトを使って、讃岐うどんをパスタに見立てた麺料理にしました。

スパゲッティにブロッコリーを使うと思い出すのはカリブ海。
今日はそんな思い出話を少々。

『柔らかくなるまで茹でたブロッコリーの房を潰すと美しくて美味しいパスタソースになる。』

今では多くのレシピサイトでも紹介されているこの方法、私が知ったのは2010年5月の事でした。

2010年4月14日にメキシコのカンクンからドミニカ共和国に入って5月24日にフランスのニースに飛ぶまでの1か月強。私は夫とドミニカ共和国内を旅していました。ロンリープラネットというガイドブックを片手に、公共バスを乗り継いで安宿を渡り歩く気楽な旅です。

旅も中盤にさしかかった5月3日、私たちは北東部にあるラス・テレナスという街に向かうバスに乗車。ラス・テレナスはフランス人などヨーロピアンも多く移り住んでいる洒落た海沿いの街というガイドブックのフレーズに魅かれていく事を決めた街です。

ラス・テレナスの海岸


バスの中で隣に座ったアメリカ人とおしゃべりするうちに、これから向かう街の外れにあるヨットクラブに日本人女性が働いているという情報を得たのでした。

ラス・テレナスの街中の建物
ラス・テレナスの街中のショッピングセンター

翌日、観光をしつつヨットクラブを通りかかると、果たして中庭で読書しながらランチする東洋人女性を発見。早速、話しかけてみると30代後半くらいのカオリさんという日本人女性でした。カオリさんも突然現れた謎の日本人夫婦に興味津々。お互いに質問をぶつけあって、あっという間に時間が過ぎていったのでした。

ヨットクラブ

ヨット遊びを終えたお客さんがクラブに戻りつつあり忙しくなったのでお開きとしたのですが、その数分後、まだヨットクラブの近くを歩いていた我々の背後からバイクのクラクション。振り返ると仕事を終えたカオリさんで、自宅で夕飯を一緒に食べようと誘ってくれたのでした。

一旦宿に戻って、夕方、今夜の自炊用に買っていたパスタやワインを抱えて徒歩でカオリさん宅へ向かいました。フランス語圏ケベック出身の旦那さんがいる家庭らしく、食前酒は南仏のパスティス。パテなどの前菜とバゲットを楽しみ、その後はメインのスパゲッティとサラダをワインで楽しみました。途中から旦那さんも帰宅して大いに食べて飲んでしゃべった夜でした。

カオリさんは高校時代、交換留学で短期間アメリカを訪れた時に日本とあまりに違う価値観に心を大きく揺り動かされたそうです。その後、日本を飛び出して紆余曲折の末、縁あってラス・テレナスに在住する人生を送っている人でした。当時の私達も、日本の中での常識や価値観に大きな疑問を抱いて会社を辞めて世界を放浪していた最中。共感する部分も多くあって、非常に面白い時間を過ごす事ができました。

多岐に渡る話の中で、カオリさんが知り合いのイタリア人から教えてもらったとレシピを教えてくれたのがブロッコリーのパスタ。ブロッコリーを茹でてつぶし、ニンニクと玉ねぎとアンチョビとパンチェッタを炒めた所に加えてゆで上げパスタに絡め、パルミジャーノレッジャーノをかけるというもの。

後日、ドミニカ共和国内の宿のキッチンで作ってみましたが、色も鮮やかで美しく味もいい。それから我が家の定番となっています。

ドミニカ共和国で作ったパスタ
(左)アンチョビ代わりに使った魚の燻製
(右)ブロッコリーをソースにした

今日はそのパスタの変形でトマト缶と讃岐うどんを使ったバージョン。


★ 『ブロッコリーのトマトうどん』

<材料 2人前>
・にんにく 1かけ
・アンチョビ 4匹
・唐辛子(お好みで)
・オリーブオイル 小さじ2
・トマト缶 200g
・玉ねぎ 1/8個(なくてもOK)
・ブロッコリー 200g
・茹でた讃岐うどん袋麺 400g
・(仕上げ)黒コショウ
・(仕上げ)塩
・(仕上げ)エクストラバージン・オリーブオイル


作り方

  1.  にんにくと玉ネゴはみじんぎり、ブロッコリーは適当な大きさに切り分けておきます

  2.  冷えたフライパンににんにく、オリーブオイルを入れて弱火をつけ、じっくり香りをだします

  3.  2にアンチョビ、唐辛子、玉ねぎを加えて更に熱します

  4.  玉ねぎが半透明になってきたらトマト缶とブロッコリーを投入

  5.  ブロッコリーが柔らかくなってきたら、うどんを投入

  6.  うどんがふっくらしてきたら塩で味を調えて、火をとめて盛り付けます

  7.  仕上げに黒コショウ、オリーブオイルなどをかけて頂きます

今回はブロッコリーは生のまま投入してしまいます
スーパーで売っている袋麺ですが、これが優秀なのが讃岐地方ならでは!
こんな感じにクタクタになるまで煮ます
頂きまーす

もちもちとした讃岐うどんは濃いトマト味との相性ばっちり。パスタを茹でる手間と燃料費を節約できて一石二鳥でした。是非、試してみてくださいねー!


この記事が参加している募集

旅のフォトアルバム

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?