見出し画像

勝ちへのコダワリが見事!

■感想文『ボックス!』/著者・百田尚樹さん


ボクシング漫画? アニメ? の高校生版「はじめの一歩」みたいな話です。私はボクシング素人ですが、物語の主人公もボクシング素人の耀子先生です(映画では木樽が主人公だったような)。高校のボクシング部の監督が耀子先生に、ボクシングうんちくをペラペラ話すことで、ボクシングに興味のない人、知らない人でも物語の世界に入り込めるようになっていると思われます。『永遠の0』でも『モンスター』もそうですが、百田さんの本はうんちくがすごいですね。

本作は映画化されました。劇場で見ましたが、原作のほうが圧倒的に面白いです。なんでか。

鏑矢が木樽を慕う理由
木樽がボクシングを始める理由(露骨には書いてないと思いました)
進学コースの秀才・木樽が怪物稲村に勝てない理由
鏑矢が通っていたボクシング・ジムのソカベのじいさん

等々が映画では一切無視されているからです。加えて本には、鏑矢が勝てる理由が、雰囲気として、物語の背景に漂っているように感じられました。深読みしすぎかもしれませんが笑。丁寧にそれらの背景が原作では描かれているので、キャラクターが生き生きとし、物語の世界観に深みが感じられた印象です。読後感はとてもよくて、上々な気分でした。じっとしていられなくなるような。読んだ人を感化して突き動かしてしまうような、間欠泉のようなエネルギーを感じる本です。万人にオススメの一冊。

単行本が好み、という人はコチラ ↓


この記事が参加している募集

推薦図書

読書感想文

一日一つの投稿を続けます。それは、文章を書くという、コンテンツメイクの楽しさをnoteが思い出させてくれたから。ありがとう。ライフワークが手につかないくらいnoteのことを考えてしまうので、noteをライフワークにすべく、今後も続けます。読んでいただいて、ありがとうございました。