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Instagramインフルエンサーを起用する際に確認できる数値、選び方、起用方法について

Instagramのインフルエンサーを起用する際にどのように起用したら良いのか、どんなインフルエンサーを何人起用するべきか、どれくらいのフォロワー数のインフルエンサーを起用するべきなのか、などクライアントからも質問を受けることが多く、概要をまとめた。

他媒体(Twitter、YouTube、TikTok)での起用方法はまた異なるケースがあるので注意が必要。


①インフルエンサーの情報で見られるもの(指標にすべきポイント)


インフルエンサーを起用する際に参考にする数値

・エンゲージメント率(いいね数/フォロワー数)
フォロワー数が1万〜10万程度のマイクロインフルエンサーであれば2%程度あると高い
フォロワー数が数百〜数千レベルであれば10%を超えることもある
10万フォロワーを超えるインフルエンサーであればエンゲージメント率は下がっていく傾向にはあり、
1.5%程度のケースも多い。ただタレントやYouTuberなど知名度のあるインフルエンサーであれば、
20万フォロワーを超えていたとしても5%、6%など高いエンゲージメントを獲得しているケースもある。


・コメントの質
投稿のコメントで、ターゲットユーザーからの反響があるか、商品に関するコメントがついているかなどを見て良し悪しを判断する。
かわいい、きれいなどの褒めコメントや顔文字系、挨拶系などのコメントが多い場合は商品PRをしても、反響を得られづらい傾向にある。
また、単純にコメント数が多いインフルエンサーはフォロワーとの距離が近いため訴求力も強い傾向にある。
ただ女性比率の高いアカウントなどはコメントが少ないことも多く、しっかり見てはいるがどうしても気になることのみコメントする
という場合もあるので一概にコメント数が少ないから良くないアカウントとするのは注意が必要。


・フォロワー数
フォロワー数のボリュームによってインフルエンサーの影響力が変わってくる。
インフルエンサーフラウド問題も少しずつ業界内で話題になっており、
今後は真のフォロワーを割り出して値決めしていくようなことも考えられる。


・男女比
ターゲットに応じて比率の高いインフルエンサーを起用する。
女性インフルエンサーの場合男性フォロワーが多くなることもあるので、
女性向け商材であれば女性比率の高いインフルエンサーを起用していくことが求められる。
逆に男性インフルエンサーでも女性比率が高い場合もあるので、女性向けに男性インフルエンサーを起用することも
ひとつの手として検討できる。


・投稿比率
インフルエンサーが普段何系の投稿をしているのか、比率を出したもの。
基本は画像認識のAIを活用してデータ化しているが、判別不能なものや分類不可のものは
数値に反映されないため注意が必要。
レポート時に効果の良かったインフルエンサーの投稿比率を分析して、
次回以降のキャスティング時に同じような投稿比率のインフルエンサーを起用するなどの
使い方ができる。


・フォロワー年代
フォロワーにどれくらいの年代のユーザーがいるのかをデータ化しているもの。
基本は12 - 17歳、18 - 24歳、25 - 34歳、35 - 49歳の4年代でデータ化されている
こちらもターゲット年代が多いアカウントを起用することが求められる。


・フォロワー規模について(ミドル以上のインフルエンサーが良いとき、マイクロ以下が良いとき)


起用するインフルエンサーのフォロワー数は予算に応じて変わってくるが、主にプロモーション目的によってフォロワー数規模が変わってくる。
ブランディング系の認知メインである場合はミドルインフルエンサー、購買目的で継続的なプロモーションであればマイクロインフルエンサーを使うケースが多い。
また、起用するインフルエンサージャンルでも変わる
ライフスタイル系に商品の使い心地やイベント参加してもらっての投稿などする場合であれば、
マイクロ系のインフルエンサーのファンは「どこに行ったのか」「何を使っているのか」「そもそもその人が好き」などの理由でフォローしているため
よりコアファンの多いマイクロ系の方が訴求力が強まりやすい。
逆に、節約系や美容ノウハウ系、レシピ系などニッチジャンルで情報ソースとして参考にされるインフルエンサーであれば、
フォロワーが多い=コンテンツの質が高いと考えられ、より参考にされるためミドル以上のできるだけフォロワー数の多いインフルエンサーを起用したほうが、
訴求力が強まりやすい。


・インフルエンサーの良し悪し(数値、コメント、クリエイティブ、親和性)


良いインフルエンサーの判断軸は以下


・いいね率が2%以上あるか

・コメントに、「外国人コメント」「絵文字のみコメント」「挨拶コメント」など意味のないコメントが少ない
 逆に質問系や長文コメントが多くついている場合は良いアカウントとなる

・クリエイティブの質が良い(写真の撮り方が上手い、投稿文章がしっかり書かれている)場合は案件を依頼しても事故りにくい

・PRばかりやっていない(商品とのニコパチばかり投稿して案件おばちゃんになっていないか)

・アカウントの普段の投稿が、PRする商品の世界観と合っているか、PR投稿したときに違和感がないか

・男女比がターゲットに近い(女性ターゲットなのに男性フォロワーが多くないか)

・いろいろなSNS媒体をやっているか(YouTube、TikTok、テレビなどインスタ以外もやってる方がENGが高い傾向がある)

・起用人数(何人が良いのか?合計フォロワー数はどれくらいが良いのか?を目的別に)


起用人数は基本的に合計何万フォロワー分起用したいのか、によって決めることが多い
可否状況に応じて実施できる人数は変わってくるためできるだけアサインする人数の幅をもたせて
クライアントの合意を得ることが重要。
必ず10人起用する仕切りで受注すると、可否状況によってオーバーリーチしたり、人数が足りなくなる可能性がある。
また、場合によっては訴求の軸に応じて決められることがあり、
ママ系での訴求、インテリア系での訴求、ファッション系での訴求など複数の訴求軸がある場合はそれに合わせて人数も決める。


マイクロ系(1万〜10万フォロワー)を使う場合の起用人数目安
30万リーチ:5人〜10人(平均3万フォロワー程度)
50万リーチ:8人〜13人(平均4万フォロワー程度)
100万リーチ:12人〜20人(平均7万フォロワー程度)

起用するフォロワー規模の部分で記載したが、プロモーションの目的によっても起用人数は変わる。
基本的には長期間継続的にインフルエンサーの投稿を実施していくことで売上が上がりやすい傾向があるが、
目的や商材によってミドル以上を起用した方が良いケースがあるためその場合は人数を減らして
一人あたりのフォロワー数を増やしていく。


・投稿のタイミング(一気に投下すべき時、バラけさせたほうが良い時)

一気に全員投稿させた方が良い場合:
キャンペーンやセール、CMなどに合わせて投稿する場合
バラけさせた方が良い場合:
一気に投稿させたほうが良い場合のパターン以外は基本的にバラけさせた方が良い
インフルエンサーごとの購買影響を見ることができる、
日を分けて投稿させることで、プロモーション全体を通じてユーザーとの接点の増加、フリークエンシーの増加が起こり、
態度変容や行動に結びつきやすい。例えばインフルエンサーAの投稿時にインスタを見ていないユーザーがいたとして、
A~Dまでのインフルエンサーが日を分けて投稿することで、B以降のインフルエンサーの投稿に接する可能性が高まる。
また、Aの投稿を見たユーザーも後日Dの投稿を見て商品を思い出したり、あの人もこの人も紹介しているこの商品っていい商品なのかな、
などAの投稿だけでは怒らなかった態度変容が起こる可能性が高まる。


・インフルエンサーの属性について(どんな属性があるのか?コスメ、ファッションの中でも細分化、それ以外)


主なジャンル
ライフスタイル系:日頃自身の生活や買ったもの、行ったところ、自撮りなどを投稿しているいわゆるインフルエンサーアカウント
美容系:コスメや美容商品、美容情報を主に投稿しているアカウント
ファッション系:コーデ紹介を主にしているアカウント、アカウントによっては半分ライフスタイル系のものもある
レシピ系:料理の作り方を中心に紹介しているアカウント
ママ系:子供との写真を上げつつ、基本は自身のライフスタイルを投稿しているアカウント、日頃の子育ての出来事など


ニッチジャンル
・漫画アカウント:子育てマンガが盛んだが、その他ネタ系やビジネス、節約系なども漫画アカウントがある
・スポーツ系:フォロワーは少ない傾向だが、各種スポーツをやっている人のアカウントがある(タレントクラスはフォロワー多い)
・節約系:お金にまつわる投稿を中心にしているアカウント
・インテリア系:家の収納や掃除方法、内装や家具などの投稿をしているアカウント
・トラベル系:良好先の投稿を専門的にしているアカウント
・グルメ系:外食した先の投稿をしているアカウント(ラーメンなどが盛ん)
・メディア系:コスメやファッション、美容系で多いが企業がやっているメディアアカウント、プロモーションメニューを持っていることが多いので場合によっては起用することができる
・ポイ活系:お得情報やポイント獲得できるキャンペーンなどを主に投稿しているアカウント
それぞれのジャンルで、インフルエンサーの年代や、子供の年代、主にしている投稿内容によって更に細分化される。
「30代のママで子供が小学生でナチュラルな投稿を普段からしている、美容系の投稿もしているアカウント」など

各ジャンルについてはハッシュタグなどで調べるとどんなアカウントがあるのか確認できるので見てみるとイメージが湧きやすい。


以上、概要をまとめたが商材やクライアントの状況によっても最適なインフルエンサーは変わってくるためテストマーケティングを繰り返して、自社にとっての最適なインフルエンサーを見つけていく作業が重要になる。

またインフルエンサーは無限に居るわけではないため最適なインフルエンサーがいれば囲い込み継続的なリレーションを構築していくことで競合優位性を確立していく取り組みをしている企業も出てきており、より安全でスムーズに効果的なSNSプロモーションをしていくケースも増えてくるだろう。

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