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詩、音楽 根っこからの文系

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  • 小説『光の軌跡、夜風の奇跡』

最近の記事

『Lost』

迎えには行けない 僕には時間が来て 君にも時間が来た ただそれだけのこと 舞踏会の途中で ばらばらになってから 他の人と踊ったような ただそれだけのこと わかっているわかっている ただそれだけのこと 別の時間がまわる奥で 薄く広がる思い出 簡単に忘れたくせに 君が忘れたのを知ると 寂しく感じるのは どうしてなのかな ゴミ箱の奥底 知らない山の麓 涙吹いたティッシュと 同じ場所にあるフィルム 追うように空をなぞる 君の輪郭を紡ぐように 急に思い出したのか 感覚に染み付

    • 『Mind Of Marin Blue』

      あの青に溺れて 空想の海に浸ろう 深いブルーな感情は 大地の狭間でさよなら 水族館デートで 手を引いてくれた君の ひらひらのスカートで 心に波が立った マリンの服が綺麗な 君の瞳も透き通っていた どんな未来を見てるかは 分からないけどね 逆流する日が来るなんて 思っても見なかったけど いやそれ以前にきっと 溺れてること気づけなくて ならいっそのこと あの青に溺れて 空想の海に浸ろう 深いブルーな感情は 大地の狭間でさよなら なんてね あの頃の青写真なんて 泥臭いもの

      • 『海月の歌』

        ねえ僕を置いて どこへ行くの? さよならの後の 擬似的なHello 僕を放し飼いで 知らないフリの君 もう溶けていくことは わかりきっているけど あの海で待ってるのは 僕以外の3人なのかな あの日行った水族館 荒波を見ないフリした あなたの言葉でホワホワ 直径4センチの円形 溶けていく あなたの合図でホワホワ 別れの言葉の後ろ 溶けていく 溶けた想いが渦巻いた 時間が逆戻りした 僕はここにいる 理由は知らない 早く溶けたいけど 溶け方がわからない 溶かしたフリをし

        • 『君のベッドに朝が降る』

          もうすぐ起きるのかい? まだ早いような気もするけど もしそうなら電話をくれよ 君が通学で使っている 始発の電車に僕が飛び乗って 会いに行く妄想でもするよ 拒む君の合図だけで 小さな涙が出てくるんだよ だからせめてそれが届けばいいなって 君は朝が暗いと言うのは なぜかはわからないけど その答えを考えているうちに 君のベッドに朝が降る

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        • 小説『光の軌跡、夜風の奇跡』
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        記事

          『Gray Grass』

          漂白剤をかけられて 溶けていった街並み 今日は世界が薄暗い いや目が見えないだけか 車の音や人の波に ついには音楽にすら 置いていかれてしまうんだ 冷たい風以外には 明日は何色だろうか 少しだけ遠くを見ながら 一人月に話しかける 雨雲すら消えていくよ 言葉が失われて 静かになっていた街並み 今日は何もない日 昨日をろ過するまでは 誰かと話がしたい それだけが絵の具であり 僕の世界の全てだから 今はそれだけでいい 今日は何色だろうか 少し視線を落としたら 雑草が何かさ

          『Gray Grass』

          『Sparking』

          あと3秒だけ あと3秒だけ待ってくれ 紡ぐ言葉が思いつかない なんとなくなんだ なんとなくなんだいつもいつも 今日だけは静かに確かに 長いのだろうか それとも短いのだろうか ずっと見つめていたい あと1秒だけ あと1秒だけを重ねて 祈ってばかりの日々 もうすぐ終わるよわかってるよ だけど最期に一番の光が見えた 今だけなんだ 今だけなんだ全てが この瞬間なんだ生きてる感触 ゆっくり落ちてく心と一緒に もうわかったよでももう少しだけいたいよ あと3秒だけ あと3秒だけ

          『Sparking』

          『She’s Back』

          いつだって見える君の背中 同じはずなのに輝いているんだ 立ち止まる僕を尻目に 今日も次のステージに上がる 「すること」が壊されたから 今は気持ちだけ壊してみるよ それでも明後日のラジオから あの兄弟の声が響く 怒りで振り返らないよう 後悔してないつもりだ いやそう洗脳させてた 権力者のせいなのかもね 不確かで不思議な壁 周り道探して一休み 夢とおさらばする代わりに あなたを殺したくなるんだ 今だけを見ていたら幸せだったかな? 現実を見れず夢に後ろ髪引かれる それとも才

          『She’s Back』

          『Go Home』

          駅のホームに今日を終わらせたい人 その隣の人生を終わらせたい人 カバンの中には昨日の新聞紙 「今日の一面もあの政治家のことだろう」 その隣の今日を終わらせたくない人 必死に隣の人生を指でつつく 変わらぬ表情に真っ直ぐな目 次に踏み出したとき彼はどこにいるのだろう 天国も地獄も神も奇跡も本音も慰めも 全部が全部嘘だってわかったからさ せめて最期ぐらい一人にさせてくれないかい この自分だけが本物であることを知りたいから 今日を終わらせたい人がまた彼をつつく 薄っぺらいフィル

          『Go Home』

          『次の街へ』

          あの日から僕は棒立ちさ 桜のような君に取り憑かれて 僕まで木になってしまいそうだから 嫌で家を飛び出した 排気ガスで滲んだ空 無言で走り抜けてく猫 君の言葉振り払って 隣町まで走ってく 夕日を追い越して丘を越えて 下り電車尻目に走った 僕をからかう白菫色の空 幻覚を見たんだ 君という桜の妖精が 夕日と共に僕を誘うけど 八分咲きの君を待てないから 回送バス追いかけて走る  前を向いたつもりの僕 夕日のような昨日に上手くまかれて 気付いたら橋の上でひとりぼっち 風が僕を突き

          『次の街へ』

          『The Flower In The Screen』

          寒い春なはずなのに 布団が暖かくないのは 写真の中のポニーテールのせい 君はスマホの中で 愛を歌い続けたのに 勘違いだごめん僕じゃないよな 打ちかけの一行半 予測変換昨日不全 踏み締めた春はまだ冷めてゆく 僕の後に摘み取られた花 僕よりも美しいのかな 同じ香りが隣から 運んだのは2分前の想い  最後の言葉なはずなのに 既読無視してしまうのは 過去の言葉が贅沢なせい 声は暖かいはずなのに 君の電話が切れたのならば こもった熱が飛んでゆくよ 僕の後に摘み取られた花 画

          『The Flower In The Screen』

          『Euclid(気化学)』

          話があるのにしない振り 話してくれよと笑う君 その笑顔がどうなったって 僕は知らないからとりあえず顔上げて 「記号書き終わったらね」 近づく針と針と針 その針が君に刺さったって 僕は知らないからとりあえず愛して 君がペンを止めた時 僕が変わった気になっていた 君の幾何学を解きたい 君の命題を知りたい 僕たちの最初のアルゴリズム さあ『現代』を書き記すか 動き出した君のノート 互除法を教えてくれた 君との定理を決めちゃったって イメージがないからとりあえず見つめて 「

          『Euclid(気化学)』

          『Euclid(誤除法)』

          僕の幾何学は誰? 思い出せない振りをする ちょうどあの日のように 君の目の先は誰? あの日のノートは互除法 互いに素な僕らのようだ 最大公約数は1だったね 1で割り合う徒然な日々を 今度2で割ってみたらどうだろう 僕らが行くのは現実的なノート 近づいたのは針? いいや芯でも無くてバネ 失くしてもまた探すように 「もういいんだよ」 とりあえず黙って 「好きじゃなかった」 非幾何学的な言葉 何度も 君が変わった時 僕が一人でいる気がしていた 最大公約数は君だったね 先

          『Euclid(誤除法)』

          『AISHU』

          雨 雨 雨 雨 言葉はいらないもういらない 語らなくても君が教えてくれる 君が僕の哀愁を知ったみたい 僕の自覚してない哀愁だってよ そんなことなら君こそ哀愁を 涙に変えて水溜りに落とせよ そして君が言ったんだ 雨の音でかき消されたけど 哀愁を見透かさす言葉を 置いて明後日の方向に そのまま去ってく君の背が 光に飲み込まれるまで眺める しばらくのその先まで 濡れるconverseの靴 辿り着いた心の半分 扉の前でたたずむ 扉の後ろで待つ君 対峙する僕らの夜 まだ早いので

          『AISHU』

          『最期の夜に』

          当たるはずのない天気予報 明日の天気は晴れらしい 誰もいない住宅街を飛び出した午前3時 足は次第にあの娘の方へ 今はいないはずの君の方へ 一緒に歩いた畦道を辿って 世界が消えてしまえば この気持ちが終わるのかな 言えない前提の心を おぼろ月の光でごまして 死ぬ前に間接キスと 月を介して手を繋いで 知らない君と一緒にこの歌を歌う 昨日雨で乾ききらないアスファルト 奇遇だね僕の心と同じに見えてしまった 傘から漏れてる雨混じりの涙混じりの雨 溶けて光った 世界が消えてしまえ

          『最期の夜に』

          はじめまして

          はじめてまして 私はGIN 詩人です このたびnoteを始めました 友達に勧めれて使ってみたのでわからないことを多いですが、これから自分のペースで詩や、たまに小説を載せて行こうと思います 「はじめまして」って怖いことも多いけれど その先にわくわくすることがあると思うので 前向きな気持ちでこの貴重な「はじめまして」を迎えたいと思います 皆さま、どうぞよろしくお願いします

          はじめまして