『最期の夜に』

当たるはずのない天気予報
明日の天気は晴れらしい
誰もいない住宅街を飛び出した午前3時

足は次第にあの娘の方へ
今はいないはずの君の方へ
一緒に歩いた畦道を辿って

世界が消えてしまえば
この気持ちが終わるのかな
言えない前提の心を
おぼろ月の光でごまして
死ぬ前に間接キスと
月を介して手を繋いで
知らない君と一緒にこの歌を歌う

昨日雨で乾ききらないアスファルト
奇遇だね僕の心と同じに見えてしまった
傘から漏れてる雨混じりの涙混じりの雨
溶けて光った

世界が消えてしまえば
雨の匂いは嗅げないかな
あの日と同じ匂いが
心の中で踊ってごますんだ
心を乾かす暖かい風
まだ吹くには早すぎる
君の声を聞いてから
君と壊してみたいから

蒸し暑い夏の夜の曇り空に
隠れたお月さん光も隠しといて

その空の下君と僕繋いでる手
暖かいそして何かこみ上げてきた
光のない街輝いてるのは君
ただでさえ真っ黒な思い出が歪む夜

世界が消えてしまえば
この気持ちが終わるかな
ひとりぼっちの心
最後の夜の強がり
死ぬ前にもう一度
君の話をして最後に手を握って
去り際に離れぬように強く
描いた最終回

そして世界が生まれ変わった
やっぱり僕はひとりぼっち
そんな綺麗な景色なんて
覚えてないや

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