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物に執着がなくなってしまった

こと音楽に関しては、レア盤を求めて日夜這いずりまわっていた時期はとうに過ぎてしまった。今ではSpotifyの音源を聴くことで精一杯の状態である。

例えば、大滝詠一さんの「ロングバケイション」。今、40周年記念で大盛り上がりではあるが、ゲットしてニンマリという気持ちにはならない。ちなみにこの「ロングバケイション」は10年ごとに記念盤がリリースされていてマニアはその音の違いを楽しむらしい。

そして、我らが小沢健二さんも完全生産限定盤のDVDを出すらしい。インスタやYouTubeでちらっと見たが、マニア心をくすぐるというか、所有欲を満たすというか、一昔前の自分なら即買いしてるだろうな、という感じの商品だ。ただ、この作品も買わないだろう。

1998年頃に砂原良徳さんが「TOKYO UNDERGROUND AIRPORT」というアナログ盤を2,500枚限定でリリースした時、買おうかどうか迷っているうちに速攻で売り切れてしまったことがあった。レコード屋のおやじさんに言わせると「タッチ・アンド・バイが鉄則だよ」とのこと。その日から、見つけたら即買いを教訓として日々過ごしてきたわけではあるが、今は、というかここ10年は「タッチ・アンド・バイ」まで行くレコードだったりCDだったりがほとんど無い。

物との出会いは運命的なものもあるから、万一「タッチ・アンド・バイ」を逃したとしても引き寄せの法則によってゲット出来る自信はある。前述の砂原さんのレコードも10年後に運良く手に入れた。

ただ、本当に欲しいものって今はそんなに無いんだよな。311以後特にそうかもしれない。物(フィジカル)からデータ(ストリーミング)の時代に移ってそうなってしまったのだろうか?過去に買ったCDやレコード達も今は殆ど触れられることもない。大事にしなければと思いつつ、、、こんまりメソッドで言うところの「ときめかないもの」になりつつあるのだろうか。

自分が最後に買ったレア盤は、コーネリアスの「ファンタズマ」2010年バージョンのボックスセットかもしれない(まだAmazonで普通に売っている)。確か、収録されている「New Music Macine」という曲の歌詞に「2010年に〜なんか全部ぶっ壊れた〜」という歌詞があり、それにちなんで2010年に豪華リマスター盤のボックスセットが出た気がする。

もしくは星野源さんのファーストアルバム「ばかのうた」のアナログだろうか?どれも2010年リリースだ。

以前にも書いたことがあるが、そういったレア盤なり稀少盤は20年前なら「TSUTAYAにあるか家にあるか」だったし、今でいえば「Spotifyにあるか家にあるか」なので、別にどちらかにあれば良いかなと思っている。もちろんフィジカルだとブックレットなりオマケが付いていて、それを楽しむことも出来る。ただ、私の場合、貧乏性なのか、CDを初めて買った時からブックレットは指紋がつくし、折りグセがつくのを嫌うので、触らないことを信条に30年ばかり生きてきた。だから無くても別に良い。

2021年現在、自分の聴きたい音源はSpotifyにあるものがほとんどなので、聴きたい時にそこから取り出せれば良いかなというスタンスなのである。

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