文字と音を結びつけづらい読字障がいの子へ向けた「読むトレーニング」 ~楽しく文字にふれよう!~
こんにちは!たっきーです。
前回、前々回と、文章を読むのにとても時間がかかる『読字障がい』のことを記事にしてきました。
今回も『読字障がい』のお話で、「文字を音に変える」ことに難しさを感じている子が、どんなことに困っていて、どんな配慮・支援をすると困難さを軽くできるのか、について書いていきます。
文字は見えるけど読みづらさを感じる子
文字、文章を読むとき、「文字を見て、音に変える」作業をして、最終的な意味の理解へつなげています。この一連の作業のどこかに難しさがあり、読みづらさを感じているのが読字障がいを抱える子です。
「文字を見る」ことに難しさを感じている子もいます。前回の記事は、そういった子に焦点を当てた内容でした。
また、読む作業の中で「文字を音に変える」ことに難しさを感じる子もいます。この難しさは、読字障がいが起こる理由として最も多く挙げられていて、「音韻処理の困難さ」と表現されます。
音韻処理の困難さとは?
1つ1つの " 文字 " には対応する " 音 " の組み合わせがあります。日本語では、ひらがな、カタカナ、漢字を使うため、組み合わせは数えきれないほどあります。
この無数にある組み合わせから、適切な文字と音の組み合わせを見つけ、読み進めていくのが日本語です。
そうはいっても、いきなり全ての組み合わせを使うわけではありません。最初はひらがな、続いてカタカナ、そして漢字へと、年齢に応じて少しずつ文字と音の組み合わせを覚えていきます。
読字障がいは、この日本語を覚える最初の段階「ひらがな」を学ぶ時期から表れます。つまり、ひらがなの勉強が始まる "小学校1年生" が、読字障がいに最も気づかれやすいタイミングになります。
読字障がいかも…と思った時の長男坊
長男坊が読字障がいを抱えているかも?と感じたのは、やはり小学校1年生のときでした。気づくきっかけとなったのが、学校で行われたひらがなの読み取りテストと長男坊の体調変化(吃音)でした。
読み取りテストは、決められた時間内でランダムに出てくるひらがなを読み取っていくというものです。読み取れた数が一定の数より多いと "合格" といったものです。
長男坊の判定結果は、読み取り数はギリギリ合格。でも、「きゃ、きゅ、きょ」のような小さい「ゃ、ゅ、ょ」を読むことができていませんでした。
小さい「ゃ、ゅ、ょ」がわかりづらいのは、読字障がいを抱える子に多い特徴なのだそうです。また、小さい「っ」もわかりづらい特徴があり、もうすぐ5年生になる長男坊は今でも「小さい「っ」」に苦戦しています。
文字を音に変える力を高めるトレーニング法
ひらがなを音に変えることは、どうしても日本語を読む基本になってしまいます。そのため、将来的なことを考えて、積極的な介入、トレーニングが重視されるようです。
文字と音の組み合わせを学ぶトレーニングでは、「本の読み聞かせ」が効果的です。スラスラと読むのではなく、指でなぞりながら、ゆっくりと読むことで、文字と音が結びついていきます。
ただ、本を読むことに興味を持っていないのが読字障がいを抱える子の特徴です。そのため、読み聞かせる本は何でもよいのではなく、本人が興味をもっていることが書かれた本を見つけるところからスタートになります。
また、ひらがなを1文字1文字、音と組み合わせる練習も効果的です。本とは違い、練習は単調で、おもしろさはありませんが、確実に読む力はついていきます。
以前の記事でも紹介しましたが、「音読指導アプリ」は、ひらがな1文字1文字と音と組み合わせる練習ができるアプリです。読字障がいを抱える子が難しいと感じる「ゃ、ゅ、ょ、っ」も学ぶことができます。
また、このアプリは1日1回5分間だけ使うことができます。寝る前の5分、お風呂上がりの5分。決められた時間、短い時間に行えば、子どもも集中して取り組むことができる点も、良い点だと思います。
長男坊にとって最良だったトレーニング法
「本の読み聞かせ」と「音読指導アプリ」。どちらも長男坊の読む力を高めるトレーニングとしてやってみました。結論から言うと、「音読指導アプリ」が効果的だったように思います。
なぜ「音読指導アプリ」がよかったのか。アプリ自体、「ひらがなの読み」に特化したすばらしいものであったというのはもちろんあります。ただ、それ以上に、トレーニングへの取り組み意欲が違いました。
「スマホに触れて操作することへの喜び」
おそらく、これが大きかったんじゃないかな、と思います。このアプリを使っているときはスマホを持てる、きちんと取り組めば明日も使える、など長男坊は考えていたんじゃないでしょうか。
やはり、人を育てようとするときには、「やる気」を引き出すことがとても大切です。長男坊の場合は音読指導アプリに「やる気」をだしましたが、子どもの興味は人それぞれ。その子が一番おもしろいと感じた方法、楽しんで文字にふれられる方法が最良の方法になると思います。
本もいろいろと用意しましたが、長男坊がもともと本に興味がないこと、文字よりも「しかけ」や「付録のDVD」に興味がいってしまったこと、あと、これが一番よくなかったことかもしれませんが、読み聞かせていた私たちの心が折れてしまったことで、あまり効果がありませんでした。
それでも、「付録のDVD」を見ることは、長男坊の読む力を高めたように感じています。なぜDVDを見ることが読むトレーニングなの?と思うかもしれませんが、その話はまた近いうちに記事にしたいと思います。
今回は、読字障がい子が感じている「文字を音に変える難しさ」についてのお話でした。
〇 読字障がいを抱えている多くの子は、文章を読むときに「文字を音に変える音韻処理」に難しさを感じている。
〇 日本語ではひらがな、カタカナ、漢字と音が結びつけるが、最初に学ぶ「ひらがな」の段階で、読字障がいに気づくことが多い。
〇 文字を音に変える力は、本の読み聞かせ、音読トレーニングなどで高めることができる。
〇 トレーニング方法は、子どもが「やる気」になるもの、楽しんで文字にふれられるものを見つけることが大事であり、その方法が最良である。
「文字を音に変える難しさ」を感じている子は、今回のような1つ1つの文字と音が結びつきづらいことのほかに、「単語」や「文章の中のまとまり」がわかりづらいといった困難さも抱えています。次回は、この「単語」や「文章の中のまとまり」の読みづらさについて記事にします!
今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございました!!
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