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授業中の子どもの負担を減らせるタブレット ~読み書き障がいを抱える子の支援~

 こんにちは!たっきーです。

 最近、とあるSNSを使い始めてから、読み書き障がいを抱える子の学習について、いろいろな方の話を聞く機会ができました。
 話を聞いていると、ひとことで「読み書き障がい」、「ディスレクシア」といっても、みんなが同じ難しさを抱えているわけではなく、その程度もそれぞれなんだと感じています。

 また、読み書きの支援をしている親御さんや先生方が抱えている悩み、解決したいと思っている課題も、地域、学校、家庭ごとで全然違うことも知りました。
 そんな中で「それぞれが実践している読み書き支援を共有することって、多くの子どもの成長に役立つんじゃないか?」と感じ始めました。

 このような思いから、「長男坊への読み書き支援として、学校や家でこんなことをやってみたよ!」という話を、これからたくさん発信したいと考えています。
 今回は「学校におけるタブレットの活用」について取り上げます。

タブレットのすすめ

 長男坊が学校へタブレットを持っていくようになったのは小学校2年生の夏休み明けから。
 きっかけをくれたのは、今でもお世話になっている児童精神科の先生のお話でした。

ノートを書くことより、人の話を聞くことを大切にしましょう。
書くことはタブレットを活用して「楽」をすれば、聞くことに集中しやすくなると思います。

 学校の授業では、毎時間のように、先生が黒板に書いたことや指示したことを「ノートに書くこと」が求められます。
 書くことに困難さがなければ、ノートに書くことが素早く正確にメモを取る練習になると思います。
 しかし、読み書きに困難を抱える子にとっては、不得意な能力を使って練習しなければならないことになります。

 ここで、「書くことが不得意だったとしても、ノートに書くことで上達するのでは?」、と思われるかもしれません。
 もちろん、そういった面があることは否定しません。
 しかし、読み書きに困難を抱える子に、黒板に書いたことや指示したことをノートに書くよう求めることは、「書く練習」と「メモを取る練習」を『同時に』課していることは知っておく必要があると思います。


 また、長男坊にはワーキングメモリが小さい特徴もありました。
 ワーキングメモリは、出された指示を記憶して適切な順番で仕事を進めたり、2つ以上の作業を同時に進めたりするときに使われる能力です。
 これが小さいと、指示されたことが抜け落ちたり、いわゆる「ながら作業」が難しくなったりします。

 長男坊は読み書きが不得意でワーキングメモリが小さい子です。
 このような子にとって、授業中に黒板を書き写しながら先生からの次の指示を聞くことは最高難度の技になります。
 そこで、この難度を下げる方法として「タブレットをノートにする」ことを提案されました。


タブレットをノート替わりにする意味

 ノート替わりにタブレットを使うことの便利さは、多くの大人が想像できるものだと思います。

 文字を速く入力することができるのであれば、メモ帳アプリをノートの替わりにすることができます。
 文字を入力できなくても、先生が黒板に書いたことを写真に撮るだけで、ノートに書いたのと同じことができます。
 他にも、音声や動画で記録する方法もあるでしょう。

多機能なタブレットを1つ使えるだけで、読み書きを苦手とする子は、書くことの大変さから解放されます。
 先生の次の指示をきちんと聞く時間を持つことができるので、考える時間や準備をする時間も作れます。
 授業中に迷子になることなく、最後まで参加し続けやすくなります。
 そして、「学ぶ楽しさ」を感じる機会が増えるのではないかと思います。 


タブレットを活用する前に注意すること

 長男坊が2年生のときは、国が学校教育にタブレットを導入することを決める前。
 つまり、学校ではタブレットを積極的に活用しておらず、当然、タブレットを持って授業を受ける子はいませんでした。
 長男坊にタブレットを持たせて授業に参加させることは、学校にとって初めての試みでした。

 学校で初めての試みをするときは、きちんと打ち合わせておくことは必要です。
 長男坊の場合は、担任の先生と特別支援教育コーディネーターの先生と事前にしっかり打ち合わせをしました。

 まず、学校でタブレットを使うときの約束事を学校と家庭で共有しました。
 使用してもよいアプリだけをインストールしておくこと、友達との遊びに使わないこと、使い方を学校や家庭で勝手に変えないこと、を確認しました。

 また、タブレットの使用にあたっては、先生だけではなく、同じクラスの子たちの理解も必要だと考えました。
 クラスの子への説明は、学校内で考えてもらって、担任の先生から話してもらうように伝えました。
 その結果、子どもたちは理解してくれたそうで、トラブルは一切なく、使い続けることができています。


 国内では、2020年度中にタブレットあるいはパソコンを児童生徒1人1台配布する方針が打ち出されました。
 娘の中学校、長男坊と次男君の小学校では、2020年度中に実現されませんでしたが、2021年度のスタートに間に合うよう準備を進めているそうです。
 学校が「これまで以上に学びやすい場所」になってくれることを期待しています。


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