かつてミスチルヘビーリスナーで、今はあまり聴いていない私が、ミスチルを聴いてみた話。-その1-

 現在、30代前半の私が、ミスチルを熱心に聴いていたのが、高校・大学のころで、10代後半から20歳ごろまででした。

 この頃の友人には、今でもミスチルファンだと認識されています。以前、大学時代の友人にミスチルファンの異性を紹介されたことがありましたが、私が今も熱心なミスチルファンだとその異性に伝えられてしまったために、話がかみ合わずうまくいかなかった(それだけが原因ではなかったのですが…)こともありました…涙

 今の音楽趣味に関連させつつ、気になった曲の感想をまとめました。


1.「雨のち晴れ」(『Atomic Heart』と関ジャムアルバム名盤特集)

 聴いていた当時は、不思議な曲調に残念だけど頑張っている人への応援歌って印象が強かったです。今聴くと、ベースが気になったりしてサウンド面も面白いなと思いつつ、アルバム通して聴いたときにも、重めな印象の後半からSEの「Rain」を経て、軽やかさへと少しシフトしている点も魅力に感じました。

 関ジャムでミスチルのアルバムを2曲特集した回は、自分が今好きな椎名林檎『無罪モラトリアム』(椎名林檎と豪華ミュージシャンのすごみ)、King Gnu『CEREMONY』(タイアップ満載のアルバムを一つの作品としてまとめたすごさ)、私立恵比寿中学『playlist』(ビッケブランカ、マカロニえんぴつ、iri、川谷絵音ら様々な作家で一つの作品を作り上げた)と共に特集されていたこともあり、久々にミスチルを聴くきっかけになりました。


2.「名もなき詩」と早口ソング

 「成り行きまかせの恋におち~」の部分は割とミスらずに歌えます(笑)。熱心に聴いていた当時、歌詞をかなり意識して聴いていたからだと思います。

Mr.Children「名もなき詩」from Mr.Children Dome Tour 2019 “Against All GRAVITY”

 歌詞よりサウンドを意識するようになり、また様々な音楽を聴くようになった今、King Gnuの「どろん」、「千両役者」は歌えないんですよ涙。こっちは早口部分が長いってのもあるとは思いますが…。


3.「花 -Mémento-Mori-」とアレンジの面白み

 この曲は当時、力強いメッセージな印象で、一番好きな曲でした。そう感じたのは、歌詞はもちろんですが、キーボード等が音に厚みを与えていて、かつ歌詞を邪魔しない絶妙なアレンジだからだなと思っていました。アレンジの重要さを知ったきっかけの曲です。この時のミスチルと言えば、小林武史とミスチルの共同での編曲ですね。

 近年、サウンドを面白くしつつも、歌詞のメッセージ性を邪魔しない絶妙なアレンジだと感じたのは、有安杏果の「色えんぴつ」です。

 当時ももいろクローバーZのメンバーだった彼女は、同時にソロ活動を行い、自作曲も手掛けていました。中でも、内省的な歌詞のこの曲は有安のソングライティングの成長を感じさせた曲でした。

 この「色えんぴつ」は、アレンジをYaffleが手掛けました。彼は、藤井風の全曲をプロデュースしていることでも知られています。


4.「シーラカンス」と売れる苦悩

 『深海』は、コンセプト性の高いアルバムで、私がアルバムの面白さを知ったきっかけでした。メッセージ性、バンドサウンドの印象が強い点、音が途切れずに次の曲へつながる点等が面白く感じました。

 「シーラカンス」では、「メガやヒットの海を泳いでいたとしてもだ 何の意味も 何の価値もないさ」と歌います。ミスチルの解説文でモンスターバンドと言われる立場になったことで、背負ってしまったことや虚無感を描いていると指摘されているのをよく見かけます。

 売れてしまったことへの苦悩というと、紅白出場後のサカナクションを思い出します。山口は後に、紅白直後にリリースされた「グッドバイ」のことを、この頃の自分やバンドメンバーのそうした苦悩から生まれた曲と説明していました。


5.「デルモ」とシティポップとダジャレと

 モデルの悲哀を歌いつつも、不思議な曲調とおりも政夫(当然、しばらく誰やねんと…初期のジャニーズの人だったとは…)のダジャレが登場する曲と認識してました。関ジャムで、「シティポップ」と評していて、桜井の歌声がそうは感じさせてなかったけど、なるほどと。

 そうなってくると、コロナで中止になってしまった、ミスチルとSuchmosとの対バンが悔やまれます。果たしてセトリにこの曲は入ったのか…。せめて、Suchmosが活動再開して、再び実現する時がくれば…とは思います。

 もう一点、デルモ、おりも政夫という掛け言葉、この心地よさが当時はあまり気にしてなかったけど、そんな語呂の良さを今はレキシで楽しんでいるような気がします。

 「世襲制」と「What do you say?」のところがめちゃくちゃイイですね。


6.「ニシエヒガシエ」と覆面ユニット

 この曲のデジロック感が好きです。この曲は、活動休止中だったこともあり、当初覆面バンドでのリリースも予定されていたようですね。もし、覆面で出した場合、どういう名前で、どのように注目されていたのだろうと考えるとそれはそれで面白かった気もします笑。

 覆面ユニットというと、私立恵比寿中学がココナツサブレとのタイアップでのユニット五五七二三二〇は実験的で、KenKenが作曲したメンバーがギターとドラムを演奏した「半世紀優等生」、菅野よう子による壮大な「ポンパラ ペコルナ パピヨッタ」、さらには四曲を同時再生すると一つの曲となる「四味一体」と、エビ中名義だと攻めすぎている印象になる楽曲をリリースしています。


7.「終わりなき旅」と長尺ソング

 サッカー元日本代表キャプテンの長谷部誠は、スタジアムに着く7分前からこの曲を聴き始めるそうです。近年では、もっと短い曲が普通となっていることを考えると、やっぱり7分は長く感じます。

 歌詞を追って聴いていた10代のころは、あまり抵抗なく聴けていて大好きな曲だったのに、今聴くとAメロは同じフレーズが二回繰り返されていると思ってしまう涙。アウトロは特に。

 7分くらいの長尺でも、ももいろクローバーZの「Z女戦争」(作詞・作曲:相対性理論のやくしまるえつこ)は展開が目まぐるしくて、あまり長い印象なく聴けるなと。

 でも、ライブver.ならと思い、サブスクにあったライブ音源を聴いてみたら、これは良い。桜井和寿が歌い方を変えているし、何よりアウトロ、セッション感がめちゃくちゃいい。やっぱ7分でも全然聴ける!


8.「光の射す方へ」とスキャンダル

 ミュージシャンが、スキャンダルで話題になってしまった場合、歌詞をそのスキャンダルと結び付けて、取り上げられてしまうことがあります。恋愛に関連した歌詞の場合、意識してない場合もあるはずですが、マスコミやSNSに言及しているのはかなり意識していると思われます。

 90年代って、あくまで「マスコミが怖い」だったのが、SNSの普及で、怖いのはもっと世間なんだよなというのが描かれた印象があるのが、ゲスの極み乙女。「僕は芸能人じゃない」じゃないかと思います。2014年にリリースされていた「デジタルモグラ」もその系統の歌詞ですが、その後川谷絵音が色々経たこともあり、説得力は格段に上がっている気がします。



#MrChildren #ミスチル #Atomic_Heart #KingGnu #関ジャム #椎名林檎 #私立恵比寿中学 #エビ中 #有安杏果 #Yaffle #サカナクション #Suchmos   #レキシ #五五七二三二〇 #ももいろクローバーZ #ももクロ #やくしまるえつこ #ゲスの極み乙女 。 


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?