taka@鍼灸師

認知症専門鍼灸師 「いつでも、どこでも、だれでも中医学が学べる」 そんな環境を作りたく…

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認知症専門鍼灸師 「いつでも、どこでも、だれでも中医学が学べる」 そんな環境を作りたくて、noteを配信しています。 ▶国家試験対策 ▶中医学・経穴のマメ知識 ▶臨床での知識の生かし方 中国天津中医薬大学大学院へ留学/鍼灸学博士/臨床歴13年/講師歴4年

最近の記事

【中医基礎理論 第6講】 中医学の特徴:整体観念③ - 未病治を目指すなら整体観念を学ぼう -

前回の記事で、 五大系統は心系統の主導の基にある:五臓一体観 心身は相関している:形神一体観 人体のすべての物質は共同である:精気神一体観 そして、なぜ心特別で五臓のリーダーなのかを学びました。 今回は、整体観念が診断・治療・予防・養生にどう関係しているかをみていきます。 最後まで読むと、「未病治には整体観念が必要不可欠!」ということが理解できます。 それでは始めていきましょう。 病機変化の整体性「整体観念」があるから中医学では病気を診断し治療することができま

    • 【中医基礎理論 第5講】 中医学の特徴:整体観念② - 臓腑の中で心だけ月(肉づき)がない理由 -

      前回の記事で、整体観念は、 人体は一個の有機整体である 人と自然界は密接な連携をとる の2つの内容で構成されていることを学びました。 今回は「1. 人体は一個の有機整体である」を更に深く学んでいきましょう。 「人体は一個の有機整体である」は大きく3つの内容に分けられます。 五大系統は心系統の主導の基にある:五臓一体観 心身は相関している:形神一体観 人体のすべての物質は共同である:精気神一体観 それでは一つずつみていきましょう。 五大系統は心系統の主導の基

      • 【中医基礎理論 第4講】 中医学の特徴:整体観念① - 人と自然は同じ構造で出来ている -

        中医学には西洋医学には無い特徴が2つあります。 それが「整体観念」と「弁証論治」です。 まずは、整体観念からみていきましょう。 整体観念整体観念とは「繋がり」です。 人は単体では生きていけません。天気や気候、動植物など、自然と繋がりながら生きています。 また、人の身体も組織単体では機能しません。心臓は心臓だけでは動かず、神経や他の臓腑、血液などと連携することで機能することができます。 この繋がりを重要視するのが「整体観念」です。 ※整体観念の横に書いてある生物全息

        • 【中医基礎理論 第3講】 中医学の四大経典 『黄帝内経』 『難経』 『神農本草経』 『傷寒雑病論』

          ここからは、中医学の形成と発展の流れを見ていきましょう。 中国の古代哲学、当時の最先端自然科学を取り込み、豊富な医学理論と実践経験を蓄積し、多くの医家の努力により、秦漢時代には中医学理論体系が形成されたと考えられます。 理論ができたら次は何をするでしょうか? 本にまとめて出版しようと思いますよね。そうです。この時期に中医学理論が形成されたとする指標となる書物が存在します。それが、「四大経典」と呼ばれる、『黄帝内経』『難経』『傷寒雑病論』『神農本草経』の四つの医学経典です

        【中医基礎理論 第6講】 中医学の特徴:整体観念③ - 未病治を目指すなら整体観念を学ぼう -

        • 【中医基礎理論 第5講】 中医学の特徴:整体観念② - 臓腑の中で心だけ月(肉づき)がない理由 -

        • 【中医基礎理論 第4講】 中医学の特徴:整体観念① - 人と自然は同じ構造で出来ている -

        • 【中医基礎理論 第3講】 中医学の四大経典 『黄帝内経』 『難経』 『神農本草経』 『傷寒雑病論』

          【中医基礎理論 第2講】 中医学の理論体系形成 – 4つの必要条件 –

          中医学の理論体系は、春秋戦国時代(紀元前770年-紀元前221年)から秦漢の時代(紀元前221年-紀元220年)にかけて形成されました。 なぜこの時代か? それは、この時代、中医学理論が形成される4つの条件が揃っていたからです。 中医学理論体系の形成に必要な4つの条件中医学理論が形成される条件とは次の4つです。 社会文化基礎 科学技術基礎 医薬実践基礎 古代哲学の医学への浸透 一つ一つ見ていきましょう。 1.社会文化基礎 戦国時代は社会が大きく変革した時期

          【中医基礎理論 第2講】 中医学の理論体系形成 – 4つの必要条件 –

          【中医基礎理論 第1講】 東洋医学とは?

          「東洋医学」とは「西洋医学」に対し用いられる言葉です。 つまり、西洋医学の対義語です。 「東洋医学」↔︎「西洋医学」 さて、日本では「東洋医学」は「中国医学」と同じ意味で使われることが一般的です。 でも、そう考えると、 「東洋医学」↔︎「西洋医学」 「東洋医学」=「中国医学」 つまり 「中国医学」↔︎「西洋医学」となります。 でも、これは間違いです。 そもそも「東洋医学」と「中国医学」、この二つは同じではありません。 東洋医学の範囲は広い日本では、「東洋医学」は

          【中医基礎理論 第1講】 東洋医学とは?

          【中薬を故事で学ぶ】 柴胡の故事 〜内容的に「柴慢」と名付けて欲しかった薬草〜

          このnoteでは中薬の故事(由来となった話)を書いています。 ただただ中薬の名前を覚えるのは大変です。 でもストーリーで覚えると記憶に定着しやすくなります。 今回ご紹介する中薬は「柴胡(さいこ)」です! 柴胡は、大柴胡湯(だいさいことう)や小柴胡湯(しょうさいことう)を始め、 乙字湯(おつじとう) 十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう) 抑肝散(よくかんさん) 補中益気湯(ほちゅうえっきとう) など、とても多くの漢方薬に含まれています。 そんな柴胡ですが、故事を

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          【中薬を故事で学ぶ】 柴胡の故事 〜内容的に「柴慢」と…

          【中薬を故事で学ぶ】 辛夷の故事 〜名前の意味は「時」と「人」?〜

          このnoteでは中薬の故事(由来となった話)を書いています。 ただただ中薬の名前を覚えるのは大変です。 でもストーリーで覚えると記憶に定着しやすくなります。 今回ご紹介する中薬は「辛夷(しんい)」です! 辛夷は、 葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい) 辛夷清肺湯(しんいせいはいとう) などの漢方薬に含まれています。 そんな辛夷ですが、その名前が「時」と「人」を表しているのをご存知ですか? 「いつ?誰に?」 その謎は、故事を最後まで読むと解決しま

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          【中薬を故事で学ぶ】 辛夷の故事 〜名前の意味は「時」…

          【中薬を故事で学ぶ】 紫蘇の故事 〜カワウソが教えてくれたこと〜

          このnoteでは中薬の故事(由来となった話)を書いています。 ただただ中薬の名前を覚えるのは大変です。 でもストーリーで覚えると記憶に定着しやすくなります。 今回ご紹介する中薬は「紫蘇(しそ)」です! 紫蘇は、香蘇散(こうそさん)を始め、 半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう) 藿香正気散(かっこうしょうきさん) などの漢方薬に含まれています。 そんな紫蘇ですが、「カワウソ」と深い関係があるのをご存知ですか? 「紫蘇とカワウソはどうゆう関係があるの?」 その謎は、

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          【中薬を故事で学ぶ】 紫蘇の故事 〜カワウソが教えてく…

          【中薬を故事で学ぶ】 麻黄の故事 〜麻黄は面倒臭い?〜

          このnoteでは中薬の故事(由来となった話)を書いています。 ただただ中薬の名前を覚えるのは大変です。 でもストーリーで覚えると記憶に定着しやすくなります。 今回ご紹介する中薬は「麻黄(まおう)」です! 麻黄は、麻黄湯(まおうとう)を始め、 葛根湯(かっこんとう) 麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう) 小青竜湯(しょうせいりゅうとう) 越婢湯(えっぴとう) 薏苡仁湯(よくいにんとう) など、多くの漢方薬に含まれています。 そんな麻黄ですが、「面倒臭い」という

          【中薬を故事で学ぶ】 麻黄の故事 〜麻黄は面倒臭い?〜

          【中医基礎理論 第10講】 - 中医基礎理論を学んで中医学の土台を築こう - 

          中医学を理解するには中医基礎理論を学ばなければなりません。 そもそも中医基礎理論とはどういう学問なの? なぜ学ばなければならないの? 今回の記事は、そんな疑問に答えます。 中医基礎理論は最先端の知識が詰まった学問中医基礎理論とは「中医学の基本概念・基本知識・基本原理・基本規則の理論体系」です。 定義は小難しいですね、笑 よく読むと、「基本」という言葉が定義の中で何度も出てきます。 中医学には「臨床学」、「中薬学」、「養生学」、「疾病学」など多くの学問がありますが

          【中医基礎理論 第10講】 - 中医基礎理論を学んで中医学の土台を築こう - 

          【中医基礎理論 第9講】 - 八綱弁証で弁証論治を詳しく理解しよう -

          前回の記事では弁証論治を学びました。 実は、弁証(診断)の方法はいくつか種類があります。 今回は、最も基本的な弁証である「八綱弁証」を詳しく学んでみましょう。 ※その他の弁証論治は中医診断学で本格的に学びます。 八綱弁証を構成する要素まずは「弁証」の定義をみてみましょう。 弁証とは「四診(望・聞・問・切)で集めた臨床資料をもとに、疾病の原因、病位、病性、病勢を分析し、どの証にあたるのかを判断すること」です。 この中の「四診」とは、望診(視診)・聞診(聴診)・問診・切

          【中医基礎理論 第9講】 - 八綱弁証で弁証論治を詳しく理解しよう -

          【中医基礎理論 第8講】 中医学の特徴:弁証論治 - オーダーメイド治療をするなら弁証論治を学ぼう -

          前回までの記事で、中医学の特徴の一つ「整体観念」を学びました。 今回は中医学のもう一つの特徴である「弁証論治」をご紹介します。 弁証論治も診断や治療だけではなく、未病治にも必要不可欠な考えです。 そして、中医学がオーダーメイド治療といわれる所以でもあります。 しっかりと理解しましょう。 弁証論治とは弁証論治は中医学特有の診断や治療を決定する重要な方法論の1つです。 治療に関する方法論は「弁病論治」、「弁証論治」、「対症治療」の3つがあります。 弁病論治:病気を分

          【中医基礎理論 第8講】 中医学の特徴:弁証論治 - オーダーメイド治療をするなら弁証論治を学ぼう -

          【中医基礎理論 第7講】 中医学の特徴:整体観念④ - 寒くなるとオシッコが近くなる理由 -

          前回の記事で、整体観念は診断や治療だけではなく、未病治にも必要不可欠な考えだということを学びました。 これまでは、「一個人」における整体性を中心にみてきましたが、今回は「人と自然、人と環境」の整体性をみていきましょう。 人と自然は密接な関係をとる人は自然の一部です。 そのため、人は自然の影響を大きく受けています。 患者を診る時は、身体だけではなく、季節や時間、周辺環境も合わせて診ていく必用があります。 今回は、人と自然との整体観念を「自然界との関係」と、「社会環境と

          【中医基礎理論 第7講】 中医学の特徴:整体観念④ - 寒くなるとオシッコが近くなる理由 -