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中小企業の採用におけるカルチャーフィット、その落とし穴と上手くいく方法

こんにちは、採用コピーライターのたいすくです。
このnoteは、エン転職という転職サイトで、14年にわたって4000社以上の採用成功を実現してきた僕が、求人広告制作や採用広報コンテンツ制作において行なってきた「伝えかたによって採用を上手くやる方法」について書いたnoteになります。

今、「採用が上手くいっていない!どうすればいいんだ!」と頭を悩ませている経営者・人事担当者の方のお役に立てれば幸いです。m(_ _)m
 

カルチャーフィットとは?

仲間

カルチャーマッチとは、企業のカルチャー(社風・理念・考え方・価値観など)に応募者が共感(マッチ)するかどうかを採用基準に設ける方法です。

分かりやすく言えば、「自分たちの会社に合う人物はどういう人間か?」をきちんと明文化して、求人広告や採用サイトに記載し、企業側と求職者がお互いにミスマッチのないように歩み寄る仕組みを作ることになります。

理念に共感し、社風に合っている人を採用できれば、早期離職率は当然下がりますし、定着・活躍の確率だって高くなるはずです。うんうん、なるほど、ロジックは通っていますね。

しかし、上手くいかないことが多いのです。

そして、なぜ、上手くいかないのか原因が分からず、「今回の求職者とはご縁がなかったんだなぁ…」「なかなかいい人が来ないなぁ…」とうやむやにしてしまうパターンが多いです。御社は大丈夫ですか?
 

カルチャーフィットの落とし穴

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なぜ上手くいかないのでしょうか。ここにカルチャーフィットが言うほど簡単ではない難しさ落とし穴が存在します。

理由の一つは、求職者にあります。

僕の過去のnoteで何度か説明していますが、求職者は企業側が思っている以上に、世の中にどんな産業や職業があるかを知りません。そのため、話を聞いただけでは、自分が実際に働いてみた様子を想像しきれないということが起きます。

つまり、求職者側の「分かったつもりで実際は分かっていない問題」が存在するのです。

これを回避するには、企業側が求職者に、実際に働いてみた様子を想像できるように、一歩一歩確認を取りながら、ていねいに伝えていくということが求められます。

例えば、入社前に所属予定部署の人たちとランチを一緒にして、どういう人たちに囲まれるのかを想像してもらったり。所属予定部署の仕事を給与付きで手伝ってもらって仕事のイメージを掴んでもらったり。現場の仕事の忙しさによって実現可能かどうかはあると思いますが、求職者に伝える方法はいくらでもあります。

やっかいなのは、企業側に問題がある場合です。

企業側が「自社のカルチャー」と認識しているものが「間違っている、もしくは矛盾している」というパターンですね。なぜ、やっかいなのか。それは、企業側が「間違っている、もしくは矛盾している」ことに気が付きにくいためです。

「そんなことあるか?」と思われるかもしれません。いいえ、結構あるんですよ、これが。
 

自社のカルチャー分かっていない問題

失敗からは学べない

僕は現在、経営者の理念や考え方を既存社員や求職者に分かりやすく伝えるための本の執筆のお手伝いもしていますが、話をお聞きしていると、理念に対して考え方や行動が伴っていない、理念と価値観がズレている、といった一貫性が保たれていない事態によく遭遇します。

分かりやすい例をあげると、

「これまでの伝統を大切にしつつ、伝統にとらわれない新しい発想を持つ」のように、言葉の上ではカッコイイ感じのことを掲げており、体裁は整えられているのですが、実際に行動する現場としては「えっ、どう動けばいいんですか?」と迷ってしまう。なぜなら矛盾しているから。正確には矛盾していないのかもしれないけれども、社員に矛盾していない理由を伝えられていない。そのため、管理職や既存氏や印鑑でそれぞれが独自の解釈をして、新入社員はその意見に挟まれて疲弊してしまう…。

このようなことが意外と多いのです。そして、社内の人間はこういったおかしい状態に気が付きません。

自社カルチャー理解に必要なのは「一貫性」です。僕が採用をお手伝いする際、この一貫性を重視します。なぜなら、矛盾やズレがあった場合、それはカルチャーフィットにならないだけでなく、採用ミスマッチを招き、企業・求職者双方の時間と労力を無駄にしてしまうからです。

次の項では、カルチャー=社風・理念・考え方・価値観が、一貫性をもってそれぞれにどのようにリンクしていなければならないかを書いていきます。自社の状況に置き換えて、矛盾やズレが存在しないか確認するのにお役立てください。
 

一貫性のあるカルチャーの考えかた

考える

すべてのはじまりは【経営理念】です。経営理念は「会社の目的」や「会社の存在意義」を定義しています。

しかし、これだけでは分かりにくいので分解します。それが【ビジョン】【ミッション】【バリュー】です。

【ビジョン】とは「会社はどういう未来を創っていきたいのか?という未来図」。社員みんなで目指していくべきゴールになります。【ミッション】は「会社としての使命」です。ビジョン実現のために、どのような意識を持って向き合っていくかという決意表明ですね。【バリュー】は「価値観・行動基準」のこと。ミッションを遂行するために、自分たちはどのようなどんな思いや行動を大切にするべきかという話になります。

ここまで(↑)が事業の話です。
ここから(↓)は組織の話になります。

社内の各組織には【組織ビジョン】があります。これは、会社のビジョンを実現させるために、その組織はどういう組織になるべきなのか?という組織の未来図です。組織ビジョンを実現するために、社内においてその組織はどういう存在であるべきなのかが【組織ミッション】です。組織の向かうべき未来と組織の役割が明確になると、会社としての【バリュー】(価値観・行動基準)も、その組織の中でどんな時にどんな行動を取るべきか・何を考えるべきかがハッキリしてきます。

ここまで(↑)が組織の話。
ここから(↓)が人材の話です。

組織は人の集まりです。いろいろな職種の人が集まっています。組織の向かうべき未来と組織の役割が明確になると、それぞれの役職・職種において、組織ビジョンを実現させるためにその役職・職種はどうなるべきなのかという【人材ビジョン】と、組織ミッションを遂行するためにその役職・職種の役割である【人材ミッション】も明確になります。当然、【バリュー】(価値観・行動基準)も、より日々の業務に落とした時にどうあるべきか、解像度が高くなるというわけです。

これ全体がカルチャーになります。

カルチャーは【バリュー】と同じと考えられがちですが、【バリュー】の設定にはちゃんと理由があるため、その理由である【ビジョン】と【ミッション】もカルチャーであると考認識したほうがいいでしょう。
 

カルチャーフィットで大切なこと

外国女性喜ぶ

カルチャーフィットで重要なのは、求職者が企業の目指す未来ややろうとしていることにコミットできるかどうかだと思います。そのため、上記のように【経営理念】から個人の仕事まで一貫した情報を提示して求職者自身に考えてもらうことが、一番成功率の高いカルチャーフィットだと思います。

【求める人物像】のように、「社内の雰囲気」や「仕事の心構え」といった枝葉の部分だけ伝えてもピンとこないと思うので、きちんとその背景から伝えていくことをオススメしています。

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今回も最後まで読んでいただきありがとうございます!

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