たいせいのとこ

初めまして。たいせいです。自分が幸せになるために、書いていきます。

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最近の記事

陽はまた昇るから/緑黄色社会 を聴くまでの80分。

「今回のご応募を心より感謝いたしますとともに、今後のご活躍を祈念いたします。失礼いたします。」 お祈り電話に慣れ過ぎた樹(いつき)は、もう何も感じなかった。 大学の友達が皆就活を終えているという中で、樹はまだ一社からも内々定が貰えていない。就活を始めるのが遅すぎたのだと、樹は考えている。 電話を切りそのまま「○○ナビ2025」を開く。しかし入社したいと思える会社は、見つからない。 スマートフォンを置きお湯を沸かす。有名な激辛ラーメン店のインスタント商品を食べるのだ。

    • まいにち、ぶるぶる。#1

      5月17日金曜日、今日もぼんやりと僕のお話にお付き合いください。 今日5月17日は「お茶漬けの日」なんだそうです。永谷園が制定したんですって。 皆さん、お茶漬けって好きですか?僕のお茶漬けの思い出は、高校時代にテスト週間に食べたお茶漬けです。 当時僕は、学生寮に住んでいたのですが、夜の10時半くらいに皆で並んで座って、お茶漬けを食べていました。 「のり茶漬」とか「鮭茶漬」とかあるんですが、鮭茶漬けを食べている人は、ちょっと羨ましがられていましたね。お米とお茶漬けの出汁に、

      • 僕と俺。(11)[一話完結]

        「もし今この場でプライベートの芸能人に出くわせたらさ、どうする?」 「そっとしとくだろ。違うの?」 「いやそうだと思うよ。そもそも近づけない気がする。」 「確かに、オーラすごそうだもんな。」   「誰をそっとしときたい?」 「ガッキー。」 「一緒。」 「だよな。」 「気づいて0.5秒だけ楽しんだら、スッと視界から外して、ガッキーの幸せを祈ってあげたいよ。」 「わかる。けどまあ人様のプライベートを想像するだけでも、本来鬱陶しいはずなんだけどな。」 「ほんとそう

        • 僕と俺。(10)【一話完結】

          「ね、最近思うんだけどさ、僕グレープフルーツ食べちゃいけない気がするんだよね。」 「なんで?アレルギー的な?」 「そう。食べると毎回下痢になるんだ。」 「うわ、しんどいな。」 「そう。凄く大好きだから辛いの。あの酸っぱくて甘いのが唯一無二で最高なのに。」 「ほんとに好きなんだな。他のフルーツは?」 「多分問題無いと思う。」 「そうなのか。じゃとりあえずこれ食っとけ。」 「果汁グミじゃん。ありがとう。」

        陽はまた昇るから/緑黄色社会 を聴くまでの80分。

          僕と俺。(9)

          「久しぶりに食べたけど、やっぱアイスの実美味いな」 「本当に美味しい。分けてくれてありがとね。」 「全然。あれ凄い安かったし。」 「そうだよね、アイスの実って安過ぎたよね。」 「世の中、もう少し高くしても良いよってもの多くね?」 「多いよね。ガリガリ君とか。」 「分かる分かる。アイスって安過ぎだよな。」 「他なんか思いつく?」 「ヤマザキの『まるごとソーセージ』パン。」 「あれ美味しいよね。スーパーによっては100円切ってることあるし。」 「他なんかあるか

          僕と俺。(8)

          「好きなカタカナってさ、ある?」 「何それ。」 「いや、あそこのアコムの看板見て思ったの。」 「ふーん。好きなカタカナ…俺はコートジボワールかな。」 「国か!」 「そう。ワールドカップとかで文字を見ると気分あがるんだよな。」 「面白いね。」 「そっちは?」 「コムドットかな?」 「理由は?」 「コムドットよく見てるからかな。大好きなんだよね。」 「それ理由になってるか?まあいいや。」 「コートジボワール以外にはある?」 「何だろ…ヤマト運輸のヤマトと

          僕と俺。(7)

          「視力どうだった?」 「両方2.0だったよ。」 「俺も。」 「やったー、お揃いじゃん!!」 「ん?…そうな。」 「毎年恐いんだよね、今年はもう無理だと思ってた。」 「どうして?スマホとか?」 「そうそう。深夜寝れないことが多くて暗い部屋でよくスマホ使ってたから。」 「結局大丈夫だったな。」 「そうそう。良かった。」 「視力良いメリットって何?」 「スポーツ観戦でボールの行方をよく見れるとか?」   「それはそう。てか、小学校の先生に言われた。」 「他

          僕と俺(6)

          「最近雨多いな。」 「多いね。」 「どうしてだろ。季節の変わり目だからかな。」 「それは知らんけど、しんどいな。」 「え、僕は雨も悪くないと思うけどな。」 「でたでた、そういうこと言う。」 「いやほんとだよ、例えば…」 「例えば?」 「雨音が聞ける。」 「はい?」 「意外と面白いよ。雨の量や、どこに打ちつけるかでいろいろ変わるの。」 「分からなくはないな。いや撤回する。分からん。全然分からん。」 「どうしてよ。」 「その雨のせいで不便なこと多いんだか

          僕と俺。(5) [一話完結]

          「好きな100円ショップってある?」 「ないな。」 「そっか。」 「おん。」 「じゃあ…好きなゲームセンターは?」 「ないな。」 「ふーん。」 「おう。」 「じゃあ…。」 「ちょい待て、好きなものを聴く質問の中でもクセ強めじゃない?こだわり持たれないものばかりじゃない?」 「そうかな?」 「じゃあ、好きなカラオケ店はどこ?」 「まねきねこ。」 「あそうか。」 「うん、まねきねこ。」 「じゃあ、好きな四国地方の県は?」 「香川県だね。」 「どし

          僕と俺。(5) [一話完結]

          僕と俺。(4) [一話完結]

          「ん、今傘さしたまま商店街通ってたよな。」 「え、本当だ。」 「恥ずかし。」 「別に良いんじゃない?」 「いやだって、屋根ある場所を傘さして歩くとか、目立ち過ぎるでしょ。あれ500m以上あるだろ。絶対やばいやつと思われてたって。」 「きっと大丈夫だよ。誰も僕らのこと見えてないって。」 「うーん…。」 「気にし過ぎ!!」 「なら良いか…。いや、そんな俺ら目立たないか?」 「どうしたの?普通だよ。」 「じゃあ、検証してみよ?傘さして商店街に戻ろう」 「おっけ

          僕と俺。(4) [一話完結]

          僕と俺。(3) [一話完結]

          「あの看板嫌い。」 「どうしてよ、可愛くて素敵じゃん。文字も見やすいし。」 「落ちてきそうじゃね。」 「あの看板?横に固定されてるだけではあるけど…。」 「看板が落ちてくるなんて聞いたことないけど、歩いている時に落ちてきたら終わりじゃん。100%死ぬじゃん。」 「まあ、確かに。じゃあどうすれば良い?」 「看板を飴細工で作るとか。」 「あ、良いかも。落ちても痛くなさそうだものね。」 「良い訳ない。雨とか熱で段々溶けてく。」 「あ、そうだね。もう何で無理って分か

          僕と俺。(3) [一話完結]

          僕と俺。(2) [一話完結]

          「エイプリルフールって何か嘘つく予定ある?」 「急になに?予定って何?」 「毎年盛り上がってるじゃん、芸能人や企業の嘘投稿とかよく話題になるし」 「そうなんだ…」 「あれ、すかしてる?興味ないフリしてる?」 「違う違う、そうじゃない。」 「鈴木雅之さんですか?」 「違う、そうじゃない。いやうるさいわ。てかさ、実際4月1日に嘘ついたりつかれたりしたこと無くね?」 「そう言われると。4月2日くらいに、嘘つくの忘れてたって思い出すくらいかな」 「でしょ、そんなもん

          僕と俺。(2) [一話完結]

          僕と俺。(1) [一話完結]

          「あれって、桜かな?」 「違うくね、色、濃すぎんか?」 「桜の従兄弟みたいなやつなんじゃないの」 「それは桜なん?従兄弟は桜に含まれるん?」 「含まれるよ。だって、家族じゃん。」 「ま、どっちでもいいけどな。」 「良くないよ、真面目に考えてよ。」 「めんど。」 「ちゃんとしてよ。桜なのか、そうじゃないかで、テンション変わるでしょ。ニュースでも、数ある花の中から「桜の開花」のニュースは毎年してるじゃん。それだけ皆気にしてるんだよ。」 「知らん知らん、いや、知ら

          僕と俺。(1) [一話完結]

          3分間 ~カップラーメン~

          これは、カップラーメンにお湯を注いで完成するまでの3分間の話。 テレビを点けると、櫻井翔がニュースを読んでいた。信じたくなかったが、今はまだ月曜日だ。 環はもうすぐ中学3年生。学校、部活、塾…どれも欠席したことはない。けれど何も良いことがない。つまらない。全部やめたい。モチベーションはゼロだ。 環(たまき)はおなかが空いているわけではなかった。 ただただ何かを口に入れたいんだ。 カップラーメンの手に取る瞬間、覚悟を決めたはずなのに、罪悪感に駆られる。忙しいお父さんが、

          3分間 ~カップラーメン~