【新刊案内】攻める者、守る者、救う者。三者の視点で120年前に起きた籠城戦を追体験できる小説「静かなる太陽」(文庫)が発売されました。
このたび発売されました「静かなる太陽」は、120年前の清国で実際に起きた国際紛争「義和団事件」(別名:北清事変)を舞台にした歴史小説です。
120年前、現在の中国には「清」という名の王朝がありました。女帝西太后が権力を握るこの国は、アヘン戦争、アロー戦争、日清戦争と、列強との対外戦争に敗れたことで力を失い、外国の植民地になりかけている状態でした。これに反発して「義和団」という結社が外国人排斥運動を起こし、全国規模で排外の炎が燃え上がります。日本の幕末期にも見られた現象、いわゆる攘夷運動です。
清国の首都北京には列強11カ国の公使館員など約500人が暮らしていたのですが、清国政府は暴動を取り締まるどころか民衆に同情的な態度を示したので、公使たちは自国の軍隊を呼び寄せて身の安全を図ろうとします。ところが、この軍隊が清国正規軍との戦闘に突入。なにをどう間違ったか、暴動騒ぎは清国VS列強の多国間戦争に発展してしまいます。
さて
敵は数万、こちらは500人。
公使館地区に籠城することになった人々の運命やいかに?
そういうお話です。
なお、北京籠城戦の中心人物「柴五郎」陸軍中佐は、明治維新のさいに故郷を新政府軍に滅ぼされた会津の遺臣にして、侍の末裔です。
会津と侍、涙なしには語れない二つの滅びを背負った主人公「柴五郎」のドラマにもご注目ください。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?