外資系企業人事部長の部下へ宛てたHR Letter「グローバル企業での働きかた」第27話 付加価値のつけかた

第27話「付加価値のつけかた」

仕事を進めるにあたって、まずは言われたことをきっちりと対応しなければなりません。そして仕事の質を上げるためには付加価値をつけることが求められます。

以前、他に代えがたい人材になることについてお話ししましたが、仕事に付加価値をつけるということもその方策の1つといえます。

「付加価値のつけかた」について具体的に考えていきましょう。

1つめは「問題を提起すること」です。

いったん受けた仕事でも、疑問点がある場合は、自分の考え、懸念点をきちんと伝え、再度判断を仰ぐべきです。また、事業部と対応するビジネスパートナーとして、人事のプロとしての視点を加えることを心がけましょう。状況に応じてその内容は上司やチームにもシェアすることを忘れないでください。

2つめは「先を見越した対応」を考えることです。

依頼された仕事についてその背景や周辺事情を考えた時、更なる対応が必要になる場合があります。言われたことだけでなく、その先にあることについても対応できれば、依頼した側から見て期待を超える仕事をしていると感じます。これが付加価値です。

例えば、ある人事施策を全社に展開することになった場合、その情報を発信することによって生じる質問等がたくさんあるならば、その質問に対して事前にその回答の準備が必要であり、またその回答をどういう形で展開するかというスキームまで考えて提案を行うことができれば理想的です。

3つめは「アウトプットにオリジナリティを持つこと」です。

同じ仕事を行うにしても、期待されたことをおこなうこと、期待を超える、驚くようなことまでする、は違います。特に重要な相手から依頼されたことに対する仕事では、アレンジでもレポートでもなにをプラスアルファーするかを考えてみてください。依頼者は、頼んだ相手によって出てくるアウトプットが異なることを経験的に知っています。ですから、その人らしいアウトプットを求めているかもしれません。オーソドックスに考えるだけでなく、オリジナリティを意識して、何か小さくてもいいので自分の個性を入れることが重要です。

重要なプレゼンテーションの資料作成を頼まれたとします。その際に必要最小限の内容で作成を行うだけでなく、自分なりに発表のシチュエーションや聞き手を想定して新しいデータや面白いチャート図を考えて提案してみることができたらよいと思います。時にピントがずれるかもしれませんが、それは自分の成長のためと考えるようにしましょう。

いつも付加価値をつけることは、難しいと思うかもしれません。しかし付加価値をつけようという姿勢が評価されますし、その姿勢がその人の個性になり、その人自体のオリジナリティを増すことにもつながっていきます。


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