45歳はじめての転職 第11話 ヘッドハンターからみた評価の視点

第11話 ヘッドハンターからみた評価の視点

ヘッドハンターがみて「この人はいけるな」あるいは「この人のこの点はよいな」と思うところは社内での人物評価とは違っているように思う。それは以下のようなところだ。

例えば、先回も述べた通り、会社の中枢にいてずっと同じ仕事をしていましたというのは、ある意味、転職者を受け入れる側のリスクととられる。そこそこいろんなところで経験しているほうがよい場合がある。転職は2年ごとに10回もしましたというのはマイナスだが、しかるべき年齢になれば、いくつかの転職をしていますという方が信頼性が高い。

また、ポストにもよるが、ある程度上になれば「この仕事一筋」というより、2つ以上の専門性があったほうが幅の広い視野をもっていると評価されるだろう。これは技術系の場合、なかなか難しいとは思うが。

外資の場合、海外赴任や海外の組織とのやりとりはマストだろう。きちっと異文化コミュニケーションができるのかどうかは最大の関心事だ。もちろん英語はできればできるほどよい。会話で言えば外人大勢の中でも話についていける程度。ライティングでいえばTPOに沿って文章表現を変えられるぐらい力があるのがベストだ(残念ながら今の私は十分できているとは言えない)。

部下のマネジメント経験はデジタルに評価される。今まで何人の組織でどのポジションにいたかということだ。マネジャーであれば、何人部下をもったか。7~8人の部下を持つ経験があればまずは問題ないだろう。

もちろん最大のポイントは専門性だ。簡単にいえば「自分を採用して会社にどんなメリットがあるのか」を具体的述べられる必要がある。そして「なぜそういえるのか」を過去の実績を例として説明しなくてはならない。このことは、前にきちっと頭の中を整理していないと説明できない。私自身も就職活動を始めた当初は頭の中がうまくまとまっていなくてずいぶんどんくさい説明をしていたと思う。経験を重ねるうちに要領を得たスマートな説明ができるようになった。

これができるとようやく「一人前の求職候補者」といえるのである。


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