自分のことを書いてます。

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最近の記事

【ラブ・ビデオテープ】…幼稚園

能天気という言葉がぴったりな何も考えていない6歳の僕にも、能天気ではいられない日があった。 テレビっ子だった僕は、気に入ったテレビ番組はほとんど録画してもらっていた。 今とは違い数十年前までは、録画といえばビデオテープにするのが当たり前だった。 録画した番組名をラベルに記入してビデオを保存するのだけど 【ドラえもん〜冬のスペシャル〜】 とラベリングされたビデオを再生すると、なぜか【東京ラブストーリー(第4話)】が再生されたりすることもあった。 「僕のドラえもんが消えてるし、

    • 【皮膚がエルム街の悪夢】…中学生

      ニキビはとても手強い敵である。 僕は中学生の頃、大量のニキビに悩まされていた。 右頬のニキビが治る前におでこに発生し、おでこのが治る前に鼻先に発生する。皮膚科に行って薬を貰っても全く改善されなかった。 医者からは 「ニキビはストレスが原因でもあるから溜め込まないようにしてください」 と言われたがその理論でいくと、ニキビがストレスでニキビが発生してることになるので、僕の顔からニキビが消えることは一生ないのだ。 夢の永久機関人間として誰か偉い人に研究してもらって、1人でも多く

      • 【憧れの眉毛】…小学生

        男に生まれたからにはカッコよくなりたいと思っても何も不思議ではない。 7歳離れた兄の影響で、僕は小学生の頃から少しませていた。 当時大流行したドラマ『池袋ウェストゲートパーク』の影響から全身黒ずくめの格好をしたり、ダボダボのネルシャツを着ていた。 友達がBAD BOYやPIKOを着てる時に僕はChampion、Ralph Laurenを身につけ《みんなわかってないな》と思っていた。 そんな格好をしながらきちんとランドセルを背負って近所の子達と集団登校をしていたのだから、逆

        • 【ラーメン攻撃】…小学生

          怪我は男の勲章という言葉があるが、僕には人に自慢できるような勲章がない。 病院で初回診察時に記入するアンケートで [過去に大きな怪我や大病を患ったことはありますか] という項目がある。 僕は一度もないので[特になし]と書くのだけれど、一度くらいはそんな経験もしてみたかったなと思ったりする。 健康が一番なのは重々承知しているのだけど、そういった経験をしている人に少しだけ憧れがあるわけだ。 なのでアンケートに記入する時は[特になし]と書く前に何か書けることは無いかなと一応考えた

        【ラブ・ビデオテープ】…幼稚園

          【走れ、たい】…小学生

          犬はとても賢い生き物だ。 自分がしてもらったことはきちんと覚えていて、感謝して心を許している。 僕が小学2年生の頃、従兄弟が犬を飼い始めた。 足が短く胴長のシルエットが可愛いダックスフントの「ポコ」君。 僕の家にはペットがいなかったので、従兄弟が犬を連れて僕の家に来るのがとても嬉しかった。僕はポコを可愛がり、ポコも僕と仲良く遊んでくれていた。 そんな楽しい日が続いたある日のこと。 その日、家には60歳くらいになる祖母とポコしかいなかった。 僕が学校から帰り、家に入ろうと玄

          【走れ、たい】…小学生

          【ちょっとこっちにおいで】…幼稚園

          足が速ければ人気者になれたのは今も昔も変わらない。 そして僕は幼稚園の頃から他の子よりも足が速かったため、元気に楽しく幼稚園での生活を送ることができた。 なんなら僕よりも足の遅いクラスメイトを少し下に見ていたと思う。 要するに調子に乗った生意気な子供だったのだ。 自分が他の人より足が速いと自覚したのは、幼稚園の年中の運動会だった。 クラス対抗のリレーがあり僕はアンカーを務め、相手チームに大差をつけて見事クラスを勝利に導くことができた。 翌年、幼稚園最後の運動会でも僕はアン

          【ちょっとこっちにおいで】…幼稚園

          【消えたミチロさん】…19歳

          僕には「ミチロ」さんという叔父さんがいる。 母の兄で沖縄育ちの温厚な性格で、少し変わった人だ。 「ミチロ」とは愛称で本名は光弘(みつひろ)さん。 ただ、叔父さんは子供の頃から親や兄妹からミチロ、ミチロと呼ばれていたので本人も自分の名前を「ミチロ」だと思っているようで、役所の書類の名前を書く欄に「道路」と書いたことがあるらしい。 ミチロさんは、僕が子供の頃はよく家にきてお酒を飲みながら色々と遊んでくれた。 僕だけでなく、僕の上にいる2人の兄ともよく遊んでくれたので、3兄弟は

          【消えたミチロさん】…19歳

          【大人が怒られてく様】…26歳

          『私は貝になりたい』という映画がある。 僕の記憶では中居正広さんが主演を務めて大ヒットを納めていた気がする。 しかし、恥ずかしながら僕はこの映画を見たことがない。 見たことは無いけれど 「私は貝になりたい」 という言葉は非常に頭に残っている。 僕が推測するに「私は貝になりたい」とは、この広い世界から消えて、貝のように自分だけの空間に存在したい、という意味なのだと思う。 ついこの間、僕も「私は貝になりたい」と思うことがあった。 アルバイト先でのことだ。 僕のしているアルバ

          【大人が怒られてく様】…26歳

          【ボッコちゃんを独り占め】…27歳

          1人だけで美味しい思いをしようとすると、必ずその計画はうまくいかないのだ。 僕は結婚をしている。 家族というのは、同じ空間で生活をしているので、家で別々のことをしていても完全に1人になることは無い。 この間、久しぶりに嫁さんが友達と遊ぶというので、僕は1人を満喫できるチャンスを手に入れた。 別に普段から1人になりたいとか、何か2人でいることにストレスがあるわけでは無いのだけれど、いざ1人になれると思うと、精一杯1人を満喫してやろうという気になるのだから不思議なものだ。 1

          【ボッコちゃんを独り占め】…27歳