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くちではなく、こころを動かす。(873文字)
ぼくはぼく、自分は自分。
自分はぼく。
ときどき、まるで谷川俊太郎さんかのような,
お寺の掲示板の深いお言葉の様なポエムをつぶやく息子。
ポエマーは五感を最大に活かし、こころとからだを面白くつかって毎日を生きる。
一人でふらっと散歩にでて夕焼けに感動し、風呂にはいれば鼻歌をうたいながら浅いふろで鼻血が出るまで半身浴。
色形が一緒な家族の歯ブラシは、書いてある名前ではなく、得意の嗅覚をいかして匂いで判別。
タケノコの里はチョコだけを先に食べて、最後にクッキーを食べる。
そしてこの詩人はなんといってもアクセントを置く場所が個性的。
【県】道
【松】江
【手】帳
【カ】ミナリ
【障】害
※【 】にアクセントを置いて読んでください。
親でさえ、ときにそれが何を指すのかわからないこともある。
そしてどうやら彼のアクセントは前にやってきたがるよう。
【ブ】ルボン
【ニ】トリ
【キャ】ベツ
【ソ】-ス
もともと前にアクセントがつく言葉は問題なし。
【大】阪
【東】京
【あ】りがとう
【ご】めん
あやしい。
辞典好きなので、アクセント辞典にも興味をもつかと見せたけれど、興味なし。
【お】はよう 【は】じめまして 【よ】ろしく
来週から息子にとって初めての給食と集団登校がはじまる。
給食用の三角巾はかぶり方がわからず、「あれ、こう?」と、頂点の部分を額に持ってきた。
この挨拶と三角巾のおばけ被りで、怪しい転校生確定。
ただ、アクセントが少々あやしいくらいで、わたしよりはるかに頼もしく、しっかり者。
「あと3分でいいから学校に早く登校してほしい」と、わたしのせいで担任の先生に言われ、来客があれば、私が人前に出られる格好になるまで、しっかり対応しておいてくれる。
芸人は、口ではなく心を動かすこと
澄んだ目でまっすぐに見つめながら言われると、ずしんと心に響く。
「そうか、心を動かすんだね。沁みる格言ありがとう!」
手帳に書き留めそうになって気づく。
「そうだった。芸人志望じゃなかったっけ」
「note」にわたしが投稿すると、母はときどき父に音読して伝えているそう。
ぜひアクセント部分を強調して、怪しく読んでもらいたい
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