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4年ぶりの2人暮らし。(1896文字)




息子と久しぶりに2人で暮らす毎日を送っている。
4年前夫が先に上海に赴任したときも、3か月ほど二人暮らしの期間があったけれど、そのころはとほうもなく長く、辛く感じていたことを思い出す。


当時息子は4歳。
言語・身体能力も日々めきめき発達していくものの、赤ちゃんぽさのほうが色濃く、生活面ではまだまだ親が補助することのほうが多いころ。


そんな息子もいまや8歳。
足の爪を切る以外、身の回りのことはほとんど自分でできるようになった。
著しい生活面での発達と、一人の時間も楽しんで過ごせるようになってくれたことは本当に助かっている。

そしてなによりも、4年という歳月をへて変わったことといえば、私の意識。
というのは、

息子が、
「お世話する対象」から相棒になったこと。
四年前とは真逆といえるほど、いつのまにか意識がくるっと半回転。


ひとえに4年という経年もあるけれど、やっぱり大きいのは中国で一緒に過ごした3年間の日々。


私はうまれながらに生粋のドジ。
多少の進歩はあるものの、これはどうやら不治の病。完治はのぞめない。

親になってからもベビーカーから息子をうっかり落としてしまったり、自転車に息子をのっけたまま二人で倒れたり、幼稚園にカバンを持たせず行かせたり、電車やバスに乗り間違えたりと日本にいるときからそんな具合。

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そんなドジがはじめて上海に上陸したときには、それはもう。
「食べて寝て起きて」、そんな人並の生活がしばらくはなかなかおくることができなかった。
いまとなってはもう記憶がないくらいのドタバタな日々、どんなときにもそばには息子がいた。
お守りのような4歳児の息子がいたからくぐりぬけることができた。



夫が仕事で家にいない日々、一緒に泣いたり困ったり怒ったりほっとしたり。
いつも必死な私をみながら、息子はいつのまにか大きくなっていってくれていた。

それから4年。
32歳から36歳になった自分の変化に目をむけてみると、

*人に甘えることも頼ることも苦手、なんでも自分でやってしまおうとするところがあったけれど、それでは自爆することがわかり疲れ切る前に身近な人に頼ることを覚えた。
*アウトプット全般が不得手で、離れた夫に寂しい気持ちも伝えられず我慢していた自分が、
なんでも話せるようになり、我慢がたまることがなくなった。


穏やかなはずの自分が、平和で愛しい息子にたいしどなり怒り散らす。あのころは息子に対しても、コントロールできないほどの怒りが爆発してしまうことがあった。

日々後悔をくりかえしても、そんな状態を改善できない自分に悩み、
その悩みも人にいえず、かかえこんでいた。
肝心な本音は誰にも相談できなかった。
人からみえる自分の穏やかなイメージと、激しい感情をもつ自分とのギャップが苦しかった。



4年たち、今ではすっかり感情もコントロールできるようになりました。
できるようになったというよりは、どんな自分にもまるっとOKをだせるようになった。
ピーピーないたり、がーがー怒ったり、無邪気に笑ったり、キホンのほほんと穏やかでしあわせな日々を送っている。

それでもやっぱりドジだけはなおらない。


先週は道でころび、両膝をすりむき、手は突き指で負傷。
聞き手が使えなくなった私にかわり、
息子が風呂掃除や掃除機かけ、布団敷きを嫌がらずにやって助けてくれた。

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先日の3連休。
4年前なら、「こどもと二人でどうやってすごそう…」と、
大きなため息をついていた自分が、いまは「うれしい、楽しい♪」
「わ~い♪なにして遊ぼうか!」


息子からの返事は、「のんびり」、「ごろごろ」、「ゆっくり」
おもわず「普段よっぽどお疲れですね」と言いたくなってしまう。


夜にふたりで晩酌まがいのことをしたり、夫と3人ズームをしたり、ごろごろしたりと、まったりのんびり過ごした。
「連休といえば」の夜更かしも、一緒にできるようになった。


「早く寝かせて、それから好きなことしよう!」から、
「一緒に夜更かししてのんびり過ごそうか♪」になった。

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4歳から8歳。倍。32歳の倍だと64歳。
猫は生まれて1年で一気に人間の17歳程度に成長するというけれど、息子の精神年齢もこの4年で猫並みに著しい成長を遂げているのかも。


幼稚園のころ、

「ぼく次生まれ変わったら犬ちゃんか猫ちゃんになって、可愛くてやさしい女の子に可愛がられたい」と言っていた息子。
いずれかの転生では念願かなって、歌舞伎町か銀座あたりのマンションのふかふかソファーの上で一日優雅に暮らしていたりして。



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