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アパレルと小売の未来_02

コロナ前から登場していましたが、コロナ後はより新聞やニュースでよく目にする「DX(デジタル・トランスフォーメーション)」というワードがあります。「DX」は、経済産業省(以下、経産省)が発表したものによると以下のように定義されています。

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」
「DX推進ガイドライン Ver.1.0(平成30年12月)」により

言い換えると、DXは「ITの活用を通じて、ビジネスや組織を変革すること」を意味します。コロナ禍で国や行政もDXを推進しています。最初の緊急事態宣言中にハンコを押すためだけに出社していたなどで「ハンコ廃止」が推進されているのもDXの1つになります。

アパレル業界でもDX化を促進している会社が多数あります。特にEC(エレクトリック・コマース)に関しては、百貨店や路面店が全国一斉閉店した最初の緊急事態宣言でどのアパレル会社もEC強化に取り組みました。現在もその傾向は衰えず、今後もECが発展していくのは間違いないでしょう。

小売業界では、EC強化とともによく叫ばれていることが「OMO(ONLINE MERGE OFFLINE)」です。私がこのワードを初めて触れたのが、書籍「アフターデジタル」です。下記は著者の藤井保文氏が所属する株式会社ビービットのホームページでのOMOの解説文です。

元Google中国のトップで現在Sinovation venturesという会社を持つ李開復(リ カイフ)が言い始めた言葉で「すでにオンラインとオフラインは融合しているため、オンオフと言うチャネルで分けた考え方ではなく、全てをオンライン起点、オンラインのビジネス原理で考える」というものであると、我々は捉えています。
                           beBit HPより

OMO以前は、オンライン(ECなど)とオフライン(リアル店舗)が全く別物である状態からスタートし、その後、オンラインとオフラインが重なりある部分(顧客やポイントの一元化など)が出てきました。そして、その先にOMOである「オフライン(リアル店舗)はオンライン(ECやアプリなどのデジタルツール)の中に組み込まれた状態」に向かっています。書籍「アフターデジタル」ではアリババの「フーマー」を取り上げていて、フーマーの先進的な取り組みに感心し、中国のデジタル化の進行度合いにびっくりした記憶があります。下記の動画は2年半前のものですが、フーマーの先進的な取り組みが分かる動画です。

今後、アパレル業界全体が「OMO」を促進させていくと思います。すでに「O2O(Online to Offline)」と呼ばれる「オンラインとオフラインを連携させて購買活動を促進させるための施策」は様々展開されています。代表的な方法としては、店頭で使えるお得な割引クーポンや、スマートフォンのGPSと連動したチェックインクーポンの配信などが挙げられます。また「クリック&コレクト」と言って、ECで購入したものをリアル店舗で受け取ることも多くなってきています。

このようなオンラインとオフラインの融合は飛躍的に進化しています。アパレル販売員であっても、このような事情を把握しておかないとまわりの動きに無頓着になり、知らない内に大きな変化が起きているのについていけないことになってしまいます。ぜひ、まわりにも大きな関心を持って情報を収集してみましょう。

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