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【成果の出る組織づくり②】〜戦略と戦術の整合性と言葉の定義〜

このnoteでは、現場でマネジメントしている中での気づきをアウトプット可能な形でまとめている。
今回は、前回のnoteの続編としていかに圧倒的な成果を出せるか?に焦点を当ててまとめていきたい。
※個人的な見解として記載します。

0.成果を出す組織の前提


成果を出すための組織をつくるために、戦略立案に先立って大事になるのは、組織の環境整備である。1人ひとりと向き合い、まずはありたい姿を紡ぎ出すプロセスを前回のノートではまとめた。

良い戦略は関係の質とその組織の共通言語を作ることが何よりも大事であると考える。加えて中長期で成果を出し続けるためには、オンライン環境だからこそ、いかに安心安全の場が作れるか?が重要なissueだと捉えている。

成果を出す組織の必要条件として、安心安全な場であり、縦横で関係の質が出来上がってる組織という仮説がある。

成果は、良質な行動が必要であり、良質な思考も必要となる。それは良質な関係の質があってこと、というダニエルキム博士の考え方だ。かつて、会社の全社横断のプロジェクトの中で、この考え方を学ぶ機会があった。ここではお世話になったヒューマンバリュー社のまとめを引用させて前提のまとめとさせていただく。これから戦略立案から推進までまとめていきたい。

1.ありたい姿を実現するためのkeymanの存在を見極める

ありたい姿を紡ぎ出すことができたら、いよいよ戦略の立案フェーズに移る。今の時代はVUCAと言われて久しいが、責任者のtop-downで上手くいく=正解はまずないだろう。そこで重要になるのが、戦略を推進するためのkeymanである。
誰を推進の要とするのか?これを人事戦略から考えていく必要がある。営業組織ではリーダーという役割がそれにあたるかもしれない。戦略立案をする人(マネジャー)と推進をする人(リーダー)を中心に話を進めたい。まず人として信頼できる人材を擁立することが「そもそも」大事。なぜなら組織のボードメンバーであり意思決定をする役割があるから。コッターの変革プロセスの定石でも「変革推進のためのチームを築く」とある。

外部環境の変化など強烈な危機意識を周知した後は、推進の要となる人材擁立と戦略を考える、というステップだ。推進リーダーとともに、戦略を創り上げるということには、大きな意味がある。メリットは①当事者意識が芽生えることと②戦略にリアリティがますことの2点。keymanを見極めるというのがまずは大事だと現場で仕事をしながら考えている。
続いて本題に入っていきたい。

2.「戦略・作戦・戦術」の言葉の定義

言葉の定義って重要。
戦略とは何で、戦術・作戦との違いをここで明確にしておく。言葉の定義が揃っていないと、解釈に各自の意訳が入り推進の方向性が異なる時が出てくる。
構造的に戦略→作戦→戦術を考えていくことが重要であり以下のように整理すると分かり良い。

戦略とは、目的を達成するためのストーリー
作戦とは、戦略を実現するためのプロジェクト
戦術とは、プロジェクトを成功に導く動き

推進の中心となるリーダー(keyman)と戦略を一緒に作るわけだが、まずマネジャーが案として毎月何をしていくのか?をの案を出す。それを元に、成果=売上や利益(組織のmission)につながるのかを考えていく。戦略はストーリーがとても大事だと感じているのだが、半年後、1年後どのような成果を出すのか?バックキャスティングで想定して考えるとリアリティがでる。

この時ありたい姿が明確になっていれば、その「状態目標と成果目標」も定めやすい。状態目標との差分が課題であり、戦略はそれを埋め合わすための道筋、ストーリー。(ありたい姿がない組織は、ここで壁に当たるだろう。)いくつかの登り方が存在する中で、どの道筋に勝ち筋があるのか?それを見極めることが良い戦略、悪い戦略の見極めではないか。
戦略という大きな道筋ができた後は、推進するための具体が必要でありプロジェクトという形で発足させる。つまり組織リソースを俯瞰して捉えた時適材適所を意識した役割分担だ。これが作戦。

状態目標とは、
○○年後、中長期戦略を1人3クライアント合意できており、△△という投資をもらえている状態。などありたい姿に近しい。

成果目標とは、
○○という商品を50%網羅させ、売上は過去最高の成果をあげる。など定量的な指標であり状態目標の裏付けでもある。

3.戦略立案ワークをするための空間、場所さえも仕立てる

戦略・作戦を決める上で意識したいことはdiscussionではなく、Dialog。discussionだとスピードは早いがありきたりなアイデアしか出てこない。安心安全の場で、たくさんのアイデアを出すべきであり基本的に否定はしない。参加している人の意見を基本的に肯定をしていきながら紡ぐ。だから時間はかかる。
そのような前向きな温かい場を仕立てるためには空間設計も重要。例えば今年ワークで活用したのは、糸島にあるソルトというコワーキングスペース。

海が見えて、開放的気持ちの中で意見を交わすことができた。ポストイットを活用しながらワークを進めた。そして戦略①(ベース戦略)/戦略②(個社戦略)という組織の大きな戦略が完成したのである。
このプロセスにリーダーが参加することで戦略が絵に描いた餅にならず、リアリティが増すことだ。推進を念頭に置きつつ実現可能な毎月のテーマが決まってくると晴れ晴れした気持ちになってくる。

4.どの土俵で戦うのか?STPを徹底して意識する

もう少し具体的に見ていこう。
戦略立案上大事になってくるのが、セグメンテーションである。どの土俵で戦うのか?これを見立てることがとても重要。顧客の売上規模などでセグメント分けすることで、セグメントごとに何を提供するのか?が明確になる。その上で重点クライアントはどこか?を議論し決定する。


戦略とは営業だと「目標達成」というGoleまでの道筋なのだが、どの土俵で戦っているのか分からなければ戦い方さえも曖昧になってしまう。ビジネスには定石があると考えていて、土俵によって戦い方を変えるべきだ。それぞれのセグメント別で提供価値ができたのであれば、各月毎に何をやるのか?の具体を考えていく。セグメントを切った後、優先順位を決めるのがターゲティング。経営の定石にSTPという考え方がある。売上規模、経年推移、自社の戦略との整合、人間関係、などを元に攻略するセグメントを設定。


ターゲティングしたセグメントの提供価値は何か?を考えるフレームがCVP(カスタマーバリューポジション)だ。セグメント別で、その顧客が何を求めているのか?というニーズと課題、それに対する我々の提供価値を考えていく。結果戦略というストーリーが完成する。


ここまでのまとめをすると、

①ありたい姿を決める ※前回note参照
②推進するkeymanを決める
③戦略立案をするときは環境も大事
④月別でやる事を整理するとリアリティが出る
⑤バックキャスティングを意識する
⑥STP+価値提供定義が戦略の優先順位を決める

5.戦略推進のための「作戦」は人材を育てる

ありたい姿を紡ぎ出し、戦略(ありたい姿実現のためのストーリー)ができあがれば、推進のための作戦立案のフェーズである。
私は今年ベース戦略と個社戦略という2つを立案したわけだがそれぞれを推進するために、5つのプロジェクトを発足させた。(詳細は書けないが)事業戦略との整合性も意識させプロジェクトという仕組みで組織を動かすことにチャレンジした。プロジェクト立案をした時に意識した点は以下である。

・プロジェクトリーダーの擁立
・プロジェクトの期限を定める
・目的を明確に伝えて各論は任せる
・毎週の全体会議で共有の場を作る

すると面白い気づきを得た。
それは各プロジェクトからヒーローが生まれてくるのである。ヒーローはその役割に責任感を持ち自発的に取り組み、プロジェクトのminのミッション達成以上の成果を出すのである。結果、事業のMVPなどに選出されたり、日々の営業のパフォーマンス向上につながったりした。

任せる、ということの重要性を感じた瞬間

作戦は人を育てる。人材育成は任せること。
それはマネジャー自身の時間を作ることにもなる。戦略の推進(作戦)は、誰に、何を、いつまでに、なぜまで明確にし、どうやってを考えさせることで出来上がる。戦術は作戦の具体なので、動けるための具体的な指示を伝える。そのときは戦略の背景から伝えると推進力が増すだろう。


コツは、誰をどのプロジェクトにアサインするのか?を見誤らないこと。

①自ら手を挙げさせること
②スキルとスタンスを考慮して適材適所を考えること

②に関しては日々の会話量が大切になってくる。そういう意味では、1on1は継続的に実施したほうがいいなと思っている。オンライン環境下では特にメンバーと接点量を増やすことが重要でメンバーの考えていることを知り今の組織の問題を把握している。
マネジメント上、決めた戦略の方向性と整合しているのか?は意識しつつあまり口出しはしない。毎週の状況共有でキャッチアップしてなるべく任せると決めることで主体性が増す。

5.成長を体感するリフレクション

成長ってなんだろうか。
私は自ら気づくものだと考えている。後ろを振り向くと轍があり、それを言語化する。
私自身もこのnoteでこの一年どんなことやったんだろうか?それを意識して言語化している。
この言語化から気づきを得て来年はこんなことやってみよう、とか。これがよかったんだなとわかることが多い。言葉にするというのは具体化させること。
理想は四半期に一度メンバー全員でリフレクションできると理想だ。このリフレクションの中で戦略推進がうまくいっているのかを客観的に振り返ることができる。また次回リフレクションについては別途切り出してnoteを記載したいと思う。

6.戦略立案は5W1Hでまとめられる

長々とお付き合いありがとうございました。
最後に、これれまで記載した内容を5Wでまとめる。

WHY→ありたい姿を紡ぐ。ありたい姿までの道筋、ストーリーが戦略骨子である。
WHO→誰と推進していくのかkeymanを決める。
WHERE→どの土俵で戦うのか?STPを意識する。
WHEN→毎月何をテーマに推進していくのか。バックキャスティングで考えていく。
WHAT→戦略推進のための作戦。プロジェクトを仕立てHEROを作る。

フレームで整理すること、整合性を意識することは戦略立案では重要である。

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