ガントチャートをつくるコツ ~プロマネシリーズその2~

プロマネとは?
目的をスケジュール通りに達成するために、チームの成果に責任を持つ人。
プロマネのテクニックとか小ネタを紹介します。
※自分の中での整理や備忘録を兼ねています。

プロマネであれば、誰でもつくったことがあるもの。
それがガントチャートです。

↓こんなフォーマットのやつです。

シンプルに見えて奥深いフォーマット。
それがガントチャートです。

なぜガントチャートをつくるかというと…



と書いていったら、またしても話しが長くなりました。
先にまとめると、こんな感じです。

■ガントチャートの目的
プロジェクト全員で、下記を共有すること。
1.どんなタスクがあって、誰が担当か?(=縦)
2.それが、いつまでに終わるのか?(=横)

1.縦のポイント
「プロジェクトの一番最初に、全部を正しく洗い出す」
そのために…
①なるべく多くの人で洗い出す
②タスクの担当を一人にする
③5日以上かかるタスクをなくす

2.横のポイント
「それぞれのタスクで、ぎりぎりの期間を攻める」

そのために…
①ぎりぎりを狙いたい!と思ってもらう
②日数の根拠をつくる
③1人1個のタスクにする

こっからさきは詳細です。ご興味あればぜひ(..)!


1.どんなタスクがあって、誰が担当するのか?

これがわかるのが、縦です。

大切なポイントが
「プロジェクトがスタートした一番最初に、全部を正しく洗い出す」
この1点です。
本当に全て洗い出せることって中々ないのですが
最初になるべく全部洗い出そう!としているかどうかが
あとから大きく響いてきます。

なぜかというと、
最初に全部を洗い出せていないと、
プロジェクトの途中で次から次へとやることが見つかって、
最初に立てたスケジュールが全く意味のないものになっちゃうからです。

「全部を正しく洗い出す」

これをやるために様々な経験やスキルやテクニックがあるのですが
大切だと思う3つの方法を紹介します。

====
①なるべく多くの人で洗い出す
②タスクの担当を一人にする
③5日以上かかるタスクをなくす
====

①なるべく多くの人で洗い出す
当たり前に聞こえちゃうかもですが一人で洗い出すのには限界があります。
キックオフの際に、色んな立場、職種の人で
これもある、あれもある、と洗い出す時間を取って
多くの目で洗い出したほうが良いです。

②タスクの担当を一人にする
とあるタスクの担当者が2人になっていたら、絶対におかしいです。
2人で担当するタスクは、分解するチャンス。
その2人でどういう分担をするのか決めて、
別別のタスクとして縦に追加してください。

③5日以上かかるタスクをなくす
1個のタスクで5日以上の期間をとっているものがあったら、長すぎます。
長すぎるタスクは、分解するチャンス。
5日間の中でやることを細かく洗い出して、
別別のタスクとして縦に追加してください。

プロマネではなくてコンサル界隈の用語だと
縦の項目をしっかり作ることをMECEにするとかっていいます。
(英語に略しがちなやつ)

もれなく、ダブりなく。
色々やり方はありますが、ガントチャートをつくるときに上の3つをやれば
大体MECEになります。


2.タスクがいつまでに終わるのか?

これがわかるのが横です。

ここで、どんなプロジェクトでもよく論争になるのが
「余裕をもった期間をとるのか?ぎりぎりの期間にしておくのか?」

これは色んな宗派がありますが、
僕の主義は「ぎりぎりの期間にすべき」です。

学生症候群という言葉、聞いたことがありますか?
学生のころ、夏休みの宿題をやるのって、大体夏休みの終了間際でしたよね?あれのことです。

あるタスクが「うまくいけば2日で終わりそう。余裕をもってみると4日で終わりそう」だったとします。

余裕を持たせて1個のタスクに4日間とっておくと、
大体の人が本気を入れだすのは3日目くらいからです。
であれば、ぎりぎりの期間を狙って進めたほうが、
最終的なプロジェクト全体のスケジュールは良い感じになります。
もし遅れてしまったら、プロマネの責任。
他タスクを調整してプロジェクト全体のスケジュールが守れるようにすればよいです。

なので横のポイントは
「それぞれのタスクで、ぎりぎりの期間を設定する」
ことです。

ぎりぎりの期間にするためにはどうしたらよいか?
これも色んな経験、スキルがありますが
簡単にできるものを紹介します

===
①ぎりぎりを狙いたい!と思ってもらう
②日数の根拠をつくる
③1人1個のタスクにする
===

①ぎりぎりを狙いたい!と思ってもらう

これまためちゃくちゃ当たり前に聞こえますが、いちばん大切です。
誰しも、ぎりぎりのスケジュールで作業したいなんて思わないです。

理想的なのは
プロジェクトをここまでに終えないといけない理由を、皆が語れる。
そのために力を合わせて成し遂げようと思う。
という状態かなと。

例えば
・お客さんがすごい待ち望んでいることだから、何としてここまでに形にしよう!
とか。
・ここまでにやれないと経営計画上、大きな損出になる。何とかやり遂げよう!
とか。
プロジェクト皆で、プロジェクトの目的を共有できているか?みたいなことにも通じます。

上記はあくまで理想なのですが
・期間通りに終わったら褒めてもらえる。ちょっとおいしいランチおごってもらえる
・期間すぎるとかっこ悪い、ださい、怒られる
とか、そんな簡単なことでも良いと思ってます。

大事なのはやる人の気持ちなので、、
なんとかぎりぎりの期間を狙って、終わらせたい。
そう思ってもらえるようにあの手この手を考えます。

②日数の根拠をつくる

なんとなーく〇日かかります、って出し方が多いです。
それが攻めたぎりぎりの日数ならまだしも、
思ったより長いな。。。というときは
根拠づくりをやります。

根拠をつくるというのは
「なぜその日数が必要か」を感情ではなく論理的に語れるようにすることです。

・過去の実績を参考にする
・他人の作業時間を参考にする
・成果物の量を定量化してみる(資料何枚とか、文字量〇文字とか)
みたいなことをやります。

③1人1個のタスクにする

同じ期間に2個も3個もタスクを担当していると
なかなかぎりぎりを狙えません。
同じ期間にやっているタスクは1人1個に。
これを守ると気持ちよくぎりぎりを狙えます。


改めて纏めると

■ガントチャートの目的
プロジェクト全員で、下記を共有すること。
1.どんなタスクがあって、誰が担当か?(=縦)
2.それが、いつまでに終わるのか?(=横)

1.縦のポイント
「プロジェクトの一番最初に、全部を正しく洗い出す」
そのために…
①なるべく多くの人で洗い出す
②タスクの担当を一人にする
③5日以上かかるタスクをなくす

2.横のポイント
「それぞれのタスクで、ぎりぎりの期間を攻める」

そのために…
①ぎりぎりを狙いたい!と思ってもらう
②日数の根拠をつくる
③1人1個のタスクにする

上記に記載した、縦と横のポイントがクリアできれば
プロジェクトの成功確度はかなりあがります。

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