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【カンボジアの学校へ行こう!6】  学校発ハーブビジネス #熱血先生応援プロジェクト

■ 「学校ハーブ園」誕生の裏側

生徒たちが学校で育てたハーブを業者に買い取ってもらい学校が資金を得るシステムですが、発案は今を去ること8年前。当時終了してしまった日本財団助成事業「カンボジア伝統医療活用プロジェクト」で作られた伝統医療師協会を何とか活性化させようと取り組んだ、クラウドファンドによる[READYFOR] 地雷の国カンボジアを薬草の国へ!が発端。

■ 「越中富山の売薬」

「先用後利」とは、いまから300年ほど前から継承される伝統的マーケティング手法で、「富山の薬売り」は、その代表的な事例。 ホテルの冷蔵庫も、その例で、飲んだ分だけチェックアウトで支払うシステム。日本財団では、そのシステムを活用して、モンゴルでは、市販の伝統薬を用いた「配置薬システム」の支援事業が大成功をおさめ、新聞紙面で話題となった。

■ カンボジア版「薬草薬箱」=学校の薬草園

残念ながら、カンボジアには未だ、政府に認可された伝統薬は普及していない。だから「配置薬システム」を実施する事は出来ませんでした。
でも、未だ地方には、クルクメールと呼ばれる伝統医療師がいて、地域の人々に生薬を処方している。

「森が、そのまま薬箱になる」

その発想で、土地代のかからない学校の敷地に、クルクメールと一緒に地域の薬草見本園を作ったのが、上記クラウドファンドのプロジェクトだった。

■ 金が無けりゃメンテナンスできない

しかし、薬草園を作る計画はしたものの、学校には水道が無かった。近くの川から水を引き込まなくてはならない。。。モーターを回すにはガソリン代が必要。小額ではあるが集金するシステムを捻り出さねばならない。その答えが「学校ハーブ園」だった。

結果として、その学校は砂地で、ハーブ栽培には適していなかったものの、砂場の学校に緑が生い茂ったことで、保護者たちが喜び、毎月100リエル(2.5円)を徴収する事で、今でも学校は水道を維持している。そして、学校ハーブ園システムは、今も他の学校に派生しながら存続している。

■ KRU KHMER クル・クメール 

カンボジアの伝統医療師と薬用植物 /高田忠典 著

海外の研究機関や企業に知ってもらうために本も出版しました。カンボジアでは、クメールルージュ時代に、すべての文化的資料が焼却されましたが、悲惨な時代を生き残った伝統医療の知見は、静かに家族の中で口伝として残りました。現存するクルクメール達からのインタビューを元に、カンボジアの伝統医療師と現代カンボジアの医療問題を浮き彫りにしました。代表的な処方と生薬も紹介されています。もちろん「学校ハーブ園」も。

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■ Phnom掲載記事(2019年9月号) 

リンク:プノンペンで唯一の月刊誌「プノン」web版

学校へ行こう06ハーブビジネス

■ 学校ハーブ園プログラムの詳細

■ 学校ハーブ園発 ハーブティー ラインナップ

↑ 日本でも購入いただけます。


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