見出し画像

飲食店さんの支援にあたり料理や食材のことがよくわからない◎地域金融機関さまの取引先支援のお手伝い〜支援に役立つ書籍と使い方(7)

株式会社ただいまの佐藤と申します。今回も自己紹介からはじめます。これまで10年以上、地域の事業者さんの支援を手がけてきました。支援にあたっては、地域の金融機関さんや支援機関の方々とご一緒させていただく機会が多く、千葉、長野、京都、広島、福岡、長崎などで主に活動しています。

地域の金融機関のお役に立てればと思い、このコンテンツをスタートして、7回目です。今回は、飲食店の支援を想定して「食材や料理」がテーマです。

新型コロナの終息がまだ見通せない中、地域の飲食店は苦境に立たされています。とわいえ、もう一歩先の経営にチャレンジしている事業者さんも多数いらっしゃいます。金融機関・支援機関の方は、支援をするかどうかの判断材料として、料理や接客のプロから今後の経営ビジョンや新しい取り組みについてお話を聞く機会が増えているのではないでしょうか。

そうした場面で地域金融機関の担当の方からよく出るのが、「食べるのは得意だけど料理は苦手なんですよね」「食べることに興味ないから、安ければなんでもいい、みたいに思っちゃうんですよね」という声。ですが、少しでもいいから「食材」や「料理」に興味を持ってみていただくと、支援先のお話が、より一歩、深く理解いただけるんじゃないかと、私は思っています。

書店でもオンラインでも「時短」「簡単」レシピは多々ありますが、その中でも、料理が苦手な方でも使いやすいレシピ本を紹介します。

『一生使える! 野菜のおかず事典300 』

画像1

書籍のタイトル通り、スーパーや直売所で見慣れた野菜を、パパッと料理して食べられるレシピが満載の一冊です。この本をご紹介するのは、料理が苦手な方も「料理を得意になってください」ということではありません。飲食店さんの支援にあたり、メニュー数とか、客単価とか、回転率などの「数字の指標だけで、その価値を評価していただきたくない」のです。

言い方は大げさかもしれませんが、事実、1つの店がその街がガラッと変えることがあります。地域の活性化において「この店に行きたい」というのは、結果として町全体に大きなプラスをもたらします。逆もしかりで、たった1つのお店がなくなることで、その街の雰囲気や人の流れが滞ってしまうことも、あります。

地域金融機関の皆様には、支援する飲食店の社長や店長、スタッフの声をぜひ「同じ、もしくは、より近い目線」で聞いていただければ、と思うのです。そのための一助として、ご自分で食材を購入して調理をしてみていただきたいのです。難しい料理を作る必要は、全くありません。本書の中の1つか2つを、お試しいただければ充分かと思います。どのレシピも(私のような)初心者でも簡単に作れますが、個人的には、スープ類が手軽に美味しくできたのでおすすめです。ブイヨン1個をベースに、各調理工程ごとに調理時間も明記されているので、忙しい合間でも時間の目処をつけながら作れます。そうして実際に自分で調理してみることで、プロの料理人の方々が、仕事とはいえ毎日たくさんの料理を限られた時間に調理し提供し続けることが、どれぐらいノウハウが必要で大変なことかを、ご想像いただけるのではないかと思います。

もちろん、飲食店さんのお話をじっくり聞いていただいたのちは、ぜひ「想定するお客様」を飲食店さんと共有して事業性を評価いただければと思います。その際には、決して「個人的な感想」ではなく「支援のプロ」としてご評価いただければと思います。

もし、飲食店さんとの話し込みにもうちょっと詳しい知識が必要になりましたら・・・。 もう1冊、『料理図鑑 『生きる底力』をつけよう』もおすすめです。飲食店さんの調理スタッフが熱く語るメニューへの想いを、もう一歩深く、理解していただけると思います。

画像2

これまでの回との繰り返しになりますが、地域の企業の支援にあたり、地域の金融機関さんがよくおっしゃる「銀行員で何も事業のことがわからない」「銀行業務以外のことは不得手である」といったことは、実はそうではなく、銀行の複雑な業務がこなせる方は、いろんなことができるはずだと私は思っています。

多忙な金融機関の皆様には、多様な支援先へ効果的なアドバイスを提供するために割ける時間も限られていると思います。そんな中でもまずやっていただきたいのは、参考になる書籍を読むことです。読んで、知識を高め、その知識を実際に使っていただくことです。

次回は、地域の中小企業で課題としてあげられることの多い「組織づくり」や「リーダーシップ」についてプラスになる書籍をご紹介する予定です。今回も長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。

作成者:株式会社ただいま(サイトはこちら

★★ これまでの記事はこちらから ★★

まず、市場や顧客のニーズを知る◎地域の金融機関さまの取引先支援のお手伝い 〜支援に役立つ書籍と使い方(1)

なんでその価格で売れちゃうの?◎地域の金融機関さまの取引先支援のお手伝い 〜支援に役立つ書籍と使い方(2)

はじめから順調だったからロングセラーになったわけではない◎地域の金融機関さまの取引先支援のお手伝い 〜支援に役立つ書籍と使い方(3)

決算書をヒントに次の一手を考える! ◎地域金融機関さまの取引先支援のお手伝い〜支援に役立つ書籍と使い方(4)

ブランディングでは『大は小をかねない』◎地域金融機関さまの取引先支援のお手伝い〜支援に役立つ書籍と使い方(5)

ブランディングとは、好きになって、買ってもらうこと◎地域金融機関さまの取引先支援のお手伝い〜支援に役立つ書籍と使い方(6)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?