藤元 正

フリージャーナリスト。福島県郡山市在住。東北大学工学部卒。関心分野は国内外の科学技術・…

藤元 正

フリージャーナリスト。福島県郡山市在住。東北大学工学部卒。関心分野は国内外の科学技術・スタートアップ・モノづくり。米国務省IVLP研修生。NPO法人国際社会起業家サポートセンター(ICSE)監事。著書に「雲海を翔る クラウドベンチャー “サテライトオフィス”の成長力」

最近の記事

「AI立国」カナダ/ディープラーニング創成の地、高い研究力を産業育成に、日本に連携呼びかけ

カナダは「ディープラーニング(深層学習)のゴッドファーザー」と言われる3人のうち、トロント大学のジェフリー・ヒントン(Geoffrey Hinton)名誉教授とモントリオール大学のヨシュア・ベンジオ(Yoshua Bengio)教授を擁し、世界中からAI(人工知能)の研究人材が集結する。英ニュースサイトTortoise Media による「The Global AI Index」(2023年6月)でも、(1)米国(2)中国(3)シンガポール(4)英国に次いでカナダは国別で5位

    • 【CES2024】産業用メタバースに生成AI、革ジャン姿で躍進狙う独シーメンスCEO

      米ラスベガスで1月9日に開幕する世界最大のデジタル技術見本市「CES2024」では「Chat GPT」人気を受け、生成AI(人工知能)やAIが目白押しのようだ。開幕前日にはキーノートスピーチ(基調講演)などの関連イベントが行われたので、日本にいながらにしてオンラインで基調講演を視聴してみた。 登壇したのはドイツを代表する企業の一つ、シーメンス(Siemens)のローランド・ブッシュ(Dr. Roland Busch)社長兼CEO。創業は1847年と古く、鉄道車両や医療機器、

      • シリコンバレー流経営・投資術とは 「スタートアップW杯2023」トークイベントから

        米サンフランシスコで12月1日に開催された世界最大級のピッチコンテスト「スタートアップワールドカップ(W杯)2023」決勝大会では、ピッチの合間にシリコンバレーの名だたる投資家や経営者、起業家によるトークイベントも開催された。今後の自社の取り組みや新興企業へのアドバイスを率直に語り、世界中から集まった起業家ら約3000人の聴衆を魅了した。 AIビッグバン予見しOpenAIに投資 -ビノッド・コースラ氏 「2018年にサム(米オープン AI OpenAIのサム・アルトマン

        • 「スタートアップワールドカップ2023」日本のアイリスが優勝、「イノベーション10の教訓」のワークショップも

          優勝投資賞金100万ドル(約1億4000万円)という世界最大級の起業家コンテスト「スタートアップワールドカップ(W杯)2023」の準決勝・決勝大会が11月29日と12月1日に米サンフランシスコで開催され、日本代表のアイリス(Aillis、東京都中央区)が見事優勝した。 アイリスは日本で承認された、喉の画像や問診からインフルエンザの判定が可能な人工知能(AI)搭載内視鏡を国内の病院やクリニックに提供する。スタートアップW杯主催者である米ペガサス・テック・ベンチャーズ(Pega

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          AIでサル・イノシシなど出没検知→担当者に即時メール配信、日本遮蔽技研がサービス展開、不法投棄や盗難対策にも

          ベンチャー企業の株式会社日本遮蔽技研(福島県本宮市)がサービスを提供するAI(人工知能)画像認識技術を使ったユニークなリアルタイム害獣出没警報システムが広がりを見せている。サルやイノシシによる農作物被害が増える中、2023年度に入って地元・福島県内の自治体との利用契約を相次ぎ締結。さらに適用分野は野生動物に限らない。同社によれば、自治体や企業から廃棄物の不法投棄や太陽光発電パネルなどの盗難被害対策での相談が寄せられているという。 ◼️クラウドAIが害獣の種類を判定 「あい

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          Microsoft、チャットGPTでロボット動かす ロボットと言葉で交流する未来は来るか?

          世界中で人気沸騰の対話型AI(人工知能)「ChatGPT(チャットGPT)」。まるで人が書いたような自然な文章で答えを返してくれるだけでなく、プログラムコードを作ったりもできる。米Microsoftの研究部門ではそうした機能をロボットに応用した。ChatGPTに言葉で指示を与えながらバックエンドで制御プログラムを作らせ、実際にロボットやドローンを要求に沿った形で動かせることを実証したという。 Microsoftの自律システム・ロボット研究グループが発表した技術論文やブログに

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          【CES2023】基調講演から デジタル技術で変わるユーザー体験とAR

          世界最大規模のデジタル技術見本市CES2023が米ラスベガスで5日に開幕した。とはいえ個人的な事情から土壇場で現地に行けなくなったので、オンラインで基調講演を視聴することに。日本にいながらにして、リアルタイムで遠く離れた現地の様子を知ることができるのもデジタル技術のおかげで、非常にありがたい次第だが、そんなことなどお構いなしにテクノロジーは未来に向けて疾走し続ける。 *上の写真はBMW iVision Dee(BMW Groupのウェブサイトから) 手術ロボットを支える半導

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          【工作機械】ものづくり太郎氏ゲキ推しの中国・北京精雕、JIMTOF2022に初出展、微細加工機が人気集める

          「単なる中国の安い工作機械ではない驚異的な技術。一部の日本の工作機械企業はゲームオーバーかもしれない」 人気YouTuberのものづくり太郎氏が「ものづくり太郎チャンネル」でこうゲキ推しする中国の大手工作機械メーカー、北京精雕科技集団(北京市、Beijing Jingdiao Group Co., Ltd.)。そんな同社が開発した微細加工機が11月8~13日まで東京ビッグサイトで開催中の第31回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2022)に初出展され、来場者の注目を浴びて

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          3年ぶりのスタートアップワールドカップ、SkyDriveが準優勝の快挙、世界展開に弾み

          優勝投資賞金100万ドルと、スタートアップピッチコンテストの中でも世界最大級のStartup World Cupの決勝大会(Grand Finale)が9月30日、米サンフランシスコで3年ぶりに開催された。日本からは9月28日の準決勝に3社が出場し、うち決勝戦に勝ち進んだSkyDrive(スカイドライブ、愛知県豊田市)が見事、準優勝を果たした。空飛ぶクルマ(eVTOL)を開発する同社にとっては国内より米国をはじめとする海外が主力市場。今回の快挙は2025年の空飛ぶクルマの事業

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          【東京ゲームショウ2022】 VRとメタバースはリアル世界を侵食するか

          「東京ゲームショウ2022(TGS2022)」が9月15日から18日まで、千葉市美浜区の幕張メッセで開催された。3年ぶりのリアル開催で、コロナ禍でのバーチャル開催から、展示会自体がリアルの世界に帰ってきた格好だ(今回もTGR VR 2022というVR展示会を開催)。会場では各社のゲーム最新作がお披露目される中、ゴーグル型のヘッドセットを使ったVR(仮想現実)ゲームやメタバース(仮想空間)の展示も海外勢中心に目についた。 中国Picoと米Meta(旧Facebook)というV

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          スタートアップワールドカップ、100万ドル獲得へ 世界70地域の代表がピッチバトル

          去る7月21日に「スタートアップワールドカップ2022日本予選」が都内で開催され、空飛ぶ車を開発するSkyDrive(スカイドライブ、愛知県豊田市)が見事優勝、9月にサンフランシスコで開かれる決勝大会へと駒を進めた。当日は会場の一番前の席で観戦していたが、登壇した10社ともにレベルが高く、日本のスタートアップの成長ぶりをあらためて実感した次第。とはいえ、次の決勝戦には世界の予選を勝ち抜いた強者(つわもの)たちが一堂に集うわけで…。日本勢はどこまでやれるのか、どんなピッチバトル

          スタートアップワールドカップ、100万ドル獲得へ 世界70地域の代表がピッチバトル

          ispace、月面プロジェクト支える欧州拠点

          日本を代表する宇宙スタートアップ企業のispace(アイスペース、東京都中央区)。月面資源開発をミッションに掲げ、日本と米国(コロラド州デンバー)、欧州(ルクセンブルク)の世界3拠点でグローバルに事業活動を進める。うち欧州子会社のispace EUROPEは5年前の2017年3月に開設され、日本側を補完するミッションコントロールルーム(管制室)を持つほか、小型月面探査車(マイクロローバー)の開発まで担うという。 ルクセンブルク駅から南西方向に歩いてわずか10分ちょっと。is

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          【スタートアップ】ユニコーン3社育成、ルクセンブルクの異色アクセラレーター、日本企業も入居表明

          スタートアップや起業家の活動をサポートし、その成長や規模拡大を促す人材や会社、団体がアクセラレーターといわれる業種。文字通り、スタートアップの成長を加速させる重要な存在だ。そうした中でも、ルクセンブルクにあるTomorrow Street(トゥモローストリート)は異色の“スケールアップアクセラレーター”。携帯電話大手の英ボーダフォンとルクセンブルク政府が共同で立ち上げ、グローバルに事業を展開する。すでに英米のユニコーン(企業価値が10億ドルを超える未公開企業)3社の育成にかか

          【スタートアップ】ユニコーン3社育成、ルクセンブルクの異色アクセラレーター、日本企業も入居表明

          【スタートアップ】スペインのPLDスペース、欧州民間初 再使用ロケットに挑む

          一度打ち上げたロケットの1段目が、フィルムを逆回しするように逆噴射しながら戻ってきて、地上に無事に着陸ーー。こんなSF映画のような技術がすでに実用化され、打ち上げコストの低減を狙いに別の打ち上げへの再使用も行われている。その最先端にいるのが、米テスラCEOのイーロン・マスク氏率いる米スペースXだ。かたや、スペースXに比べれば規模は格段に小さいものの、この分野で欧州で先陣を切ろうとしているのがスペインの宇宙スタートアップ。試験ロケットの第1号を2022年内に打ち上げる計画だ。

          【スタートアップ】スペインのPLDスペース、欧州民間初 再使用ロケットに挑む