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TABLE FOR TWO15年の歩み

TABLE FOR TWOは、飢餓と飽食という世界規模で起こっている相反する食の不均衡を同時に解決することをミッションに掲げ、2007年に日本で立ち上がったNPO法人です。以来、多くの法人・個人の皆さまにお力添えをいただき、今年の10月に設立15周年を迎えます。15周年を記念して、TABLE FOR TWOとして初となるnoteの公式アカウントを開設しました。2022年9月~12月の間、設立後15年を振り返り、TABLE FOR TWOが歩んできた道のり、現在、そして今後について発信してまいります。

皆さんこんにちは、TABLE FOR TWO international (TFT)です。

TABLE FOR TWOは直訳すると「二人のための食卓」。

「先進国の私たちと開発途上国の子どもたちが食事を分かち合う」というコンセプトのもと、先進国では健康的な食生活を推奨しながら、開発途上国の子どもたちに学校給食を届ける活動を行っています。

TABLE FOR TWOは本日10月24日、設立から15年周年を迎えました。
皆さまの温かいご支援のおかげで、この15年間で届られた支援先への学校給食数は累計で9,000万食以上、設置した菜園数も約400箇所にのぼります。
TFTプログラムや個人サポータープログラム、おにぎりアクション等を通してご支援をいただいている皆さまに、改めて心より御礼を申し上げます。

この記事では、感謝の気持ちとともにTFTの15年のあゆみを振り返ります。

TABLE FOR TWO活動のあゆみ

2006年「世界をうならせる国際貢献のアイデアを日本人が出そう!」

カナダのバンクーバーで開催された世界経済フォーラムのヤング・ グローバル・リーダーズ会議の席上で、TFT創設メンバーを含む日本人 が「世界をうならせる日本発の国際貢献のアイディアを」と知恵を絞りTFTのコンセプトが生まれました。

TFTプログラムは社員食堂や店舗で対象となるTFTヘルシーメニューを購入すると、代金のうち20円が寄付となり、 飢えに苦しむ子どもに給食1食分をプレゼントすることができる、という仕組みです。
誰でも気軽に参加でき、自分自身も健康になり、会社にとっても社会貢献事業の一環になるプログラムは、従来の一方向の支援ではなく、WIN-WINの関係で開発途上国の支援に取り組める画期的なアイデアでした。

2007年 「TABLE FOR TWO誕生」

賛同企業数社の社員食堂でのテストプログラム実施を経て、2007年にNPO法人として発足しました。
設立当初は他団体のオフィスの隅に間借りしたスペースに2つデスクを並べたところで職員2名、文字通り「テーブルフォーツー」からの出発。
何もないゼロからのスタートでしたが、活動の基盤を整えながら、活動に賛同してくださる企業へのアプローチを続ける日々でした。
企業をリストアップし、電話をかけ、担当者さんを紹介してもらって説明するという地道な作業、その数2,000社以上。
SDGs等の考え方が浸透していない当時、NPOというだけで怪しい団体だと話を聞いてもらえないことも珍しくありませんでしたが、ビジネスの視点も大切にしながら熱意を持って賛同の輪を少しずつ広げていきました。

2008年「メタボ健診スタート」

この年、政府はメタボなどの生活習慣病リスクの高い人を保健指導をするよう企業に義務つけた制度「特定健康診査・特定保健指導(通称メタボ健診)」を開始しました。
この制度が後押しとなり、各社でメタボ健診がスタートすると、「従業員が無理なく参加できる健康対策プログラムを探してTFTにたどりついた」という福利厚生担当者からの問い合わせが増加。
2007年末の時点で11団体だったTFT参加企業数は、2008年末には98団体、2009年末には212団体と拡大しました。

2009年「TFTがさまざまなシーンに拡大」

企業や団体に属さない個人でも気軽にTFTの活動に参加できるよう、スーパーやコンビニなどの流通、食品・飲料メーカー、外食産業や中食産業との協働にも力を入れ始めました。
レストランチェーンやホテルと提携してTFTのメニューを提供したり、コンビニエンスストアやECサイトでTFTへの寄付につながる商品の販売が開始。

また、TFTの趣旨に賛同する学生たちが自主的に活動する組織「TABLE FOR TWO University Association(TFT大学連合)」が立ち上がりました。以来、代替わりをしながらも想いが受け継がれ、現在に至るまで活発に活動が続いています。
国連が定める世界食料デー(10/16)を記念したキャンペーンを初めて行ったのもこの年です.

2010年「認定NPO法人の認可取得」

この年、TFTは認定NPO法人の認可を取得しました。
(認定NPO法人とは、NPO法人のうち高い公益性と適正な組織運営が認められたNPO法人で、2022年5月末時点で全体の約2.4%となっています。また、認定NPO法人への寄付は税額控除の対象です。)

ニューヨークではTFT-USAが本格始動し、経済学者ジェフリー・サックス教授協力のもと、コロンビア大学での記念イベントも開かれたり、アジア太平洋経済協力会議(APEC) 首脳夕食会でも紹介されるなど、日本発の社会貢献活動が国際的にも広がりました。

2011年「支援食数が1,000万食を突破」

支援食数が1,000万食を突破。
また、TFT初のレシピ本(TFT参加企業の社員食堂で提供されるヘルシーだけど満腹感のある献立を紹介するレシピ本)『世界をつなぐ あこがれ企業の社員食堂レシピ』が出版されました。

また、この年は東日本大震災が発生しました。
TFTプログラムを通じた寄付の用途を通常アフリカ支援に加え、震災支援についても各社の希望に応じて選択できるようにし、他NPO団体と連携する形で東北への支援も行いました。

2012年「グローバルな展開が前進」

健康管理と社会貢献が同時にできるiPhoneアプリ「Table For Two」がグッドデザイン賞を受賞しました。(現在は終了)

また、世界経済フォーラムや世界銀行の総会でTFTが実施されるなど、活動開始から5年を経て、北米、ヨーロッパ、アジアとグローバルな展開が着実に進みました。

2013年「支援地域の拡大」

支援食数が2,000万食を突破。
参加企業の増加に伴い、アフリカに加え、アジア地域での支援プログラムも開始しました。

また、TFTのコンセプトがユニークで画期的である点が高く評価され、第1回日経ソーシャルイニシアチブ大賞で「国際部門賞」を受賞しました。

2014年「カロリーオフセットプログラム開始」

この年、先進国側で減らしたカロリーを開発途上国のカロリーに変換する「カロリーオフセットプログラム」が始動しました。

寄付金は開発途上国でカロリーを生み出すための菜園設置に使われ、支援から自立を促す持続可能なプログラムとして現在も継続しています。

2015年「おにぎりアクションを初開催」

支援食数が3,000万食を突破。
この年に、世界食料デーを記念して「おにぎりアクション」を初めて開催しました。
初年度の2015年は、特設サイト内のみで投稿を募集したということもあり、5,500枚ほどの投稿が集まりました。

また、5月から10月にイタリア・ミラノで開催された国際博覧会で、日本を代表する食に関する活動の一つとして日本館でTFTが紹介されました。

2016年「個人の方の参加方法が拡大」

支援食数が4,000万食を突破。
2016年から「おにぎりアクション」の参加方法をSNSも対象に加えたところ、写真投稿枚数が10万枚を超え非常に広がりのあるキャンペーンになりました。

また、クレジット決済ができる個人寄付プログラム(個人サポータープログラム)もスタートし、個人の方のご参加の方法が充実化した1年でした。

2017年「おにぎりアクションが日本で初めてアジア・マーケティング3.0・アワードを受賞」

設立10周年の節目の年に、支援食数が5,000万食を突破しました。

開催3年目を迎えた「おにぎりアクション」は、人々のスピリットに訴えるアジアの次世代企業・ビジネス活動を表彰する『マーケティング3.0アワード』の大賞を受賞しました。『アジア・マーケティング・エクセレンス賞』が創設されて以来、日本からの大賞受賞は初めてで、海外でも高く評価されました。

TFT-USAでは和食育プログラムも開始しました。

2018年「おにぎりアクションが初のリアルイベントを実施」

支援食数が6,000万食を突破。

SNSで広がった「おにぎりアクション」ですが、オンラインだけでなく全国の店頭でもイベントを開催し、写真投稿枚数も20万枚の大台に乗りました。

ドイツでは、TFT-Deutschlandを設立しました。

2019年「保健文化賞 / ジャパンSDGsアワード SDGs副本部長(外務大臣)賞をダブル受賞」

支援食数が7,000万食を突破。
この年、「保健文化賞」とジャパンSDGsアワード「SDGs副本部長(外務大臣)賞」をダブル受賞しました。

保健文化賞では、先進国の人々と開発途上国の子どもたちが食を分かち合うという仕組みを提唱し、開発途上国の栄養状態改善や教育機会整備、先進国では健康増進や肥満防止に貢献しているとして、TFTのこれまでの活動に高い評価をいただきました。

また、ジャパンSDGsアワード SDGs副本部長(外務大臣)賞では、おにぎりという身近なもので誰もが参加できるわかりやすく気軽なアクションであり、かつステークホルダーとの強固なパートナーシップが評価を受けました。

2020年「新型コロナウイルス感染症の流行拡大」

世界中で新型コロナウイルス感染症が流行拡大しました。

社員食堂の閉鎖・縮小を余儀なくされる企業も相次ぎ、寄付金収益が激減し、TFTの活動は厳しい状況におかれました。
一方で、支援先においては長く休校が続く地域もあり、子どもたちのセーフティネットである給食支援を絶やさぬよう、家庭への食材配布へ切り替え等できる限りの代替策を迅速に行いました。

2021年「心と体の健康増進プログラムを推進」

支援食数が8,000万食を突破。感染状況に左右される不透明な状況が続きましたが、設立からの累計支援食数が8,000万食を超えるなど、着実に活動を続けました。

「このような状況下でもできることを」という企業の担当者さんからもアイデアをいただき、TFTでは「心と体の健康増進プログラム」として、リモート勤務でも取り組めるウォーキングや褒め活等の推進に力を入れました。

2022年「過去最大規模によるおにぎりアクション実施とTFTファームの始動」

設立15周年の節目の年に、支援食数が9,000万食を突破しました。
日本においても厳しい社会情勢ながら、過去最大となる37の協賛企業・団体(国内)が参画。
NPO・企業・自治体そして個人が組織や立場の垣根を超えて、大きなムーブメントとなっています。

また、「肥満と飢餓の同時解消」を実現に向けての本質的な取り組みとして、15周年の節目に自産自消できるTFTファームを立ち上げました。

おわりに~設立から15年、世界とTFTの現在地~ 

現在、世界には食べすぎにより肥満や生活習慣病抱える人が20億人、食料不足により飢餓に苦しむ人が8億人いると見積もられています。

TABLE FOR TWOが設立された頃からの飢餓人口推移をみると、2018年まで減少を続けていましたが、2019年から増加に転じてしまいました。

私たちが取り組んでいる課題は地球規模で、一つの組織だけで達成できるものではありません。 
現在、TFTの参加企業・団体数はおよそ700。
すべての人が健康で笑顔になれる世界を実現するために、皆さんと力を合わせながらTFTはこれからも活動を続けて参ります。


月500円のご寄付で、子ども1人に1ヵ月分の学校給食を届けることのできる「マンスリーサポートプログラム」もぜひご検討いただけますと嬉しいです。 http://jp.tablefor2.org/donate/ (TABLE FOR TWOは寄付金控除の対象です)