磐梯朝日国立公園の東端にある百名山 安達太良山に登ってきた
登山趣味への道を始めて4度目の登山となった今回は,夏は暑いから涼しい山に登りたいと思い,前から気になっていた,日本百名山のひとつであり磐梯朝日国立公園の東端に位置する安達太良山に登ってきた。
くろがね小屋を過ぎると間もなく森林限界に達したようで,高山らしい山肌の露出した上を登ってゆく。登り進めるにつれ植生が変わっていくという経験は初めてであり,その景色の移り変わりに感動するも束の間,山頂付近を見ると分厚い雲が覆っているのである。その様子が心配になりながら登ってゆくも,やはり山頂に近づくと濃霧に覆われていた。眺望がないことに落胆しつつも安達太良山の頂上に向けて牛の背と呼ばれる稜線を歩き進めると,強風だけでなく,真横から雨が当たってくるのであった(誇張なしで,斜め上からではなく真横から雨粒が当たってきた)。
安達太良山に登りたいと思った理由の一つが,牛の背から望む沼ノ平火口の眺望であった。しかしながら,分厚い雲に覆われて火口は見えないどころか,強風と雨が酷い中の山頂到着となってしまった。
ところが,山頂にたどり着くや否や,山頂到達を祝うかのように,一気に霧が晴れてゆく。強風の中であったからか,本当に一瞬にして霧が晴れたのである。まるで天気の子のようなシーンへの遭遇に感動し,達成感を味わうことができた。
下山はロープウェイの山頂駅を経由してロープウェイ沿いに下りる経路であったため,途中でロープウェイの駅に立ち寄ってみると,強風で運休となっていた。たしかに,登ったときよりも風が強いように感じた。とはいえ,もともとロープウェイには乗らないつもりであったので,気にせずに下山を続ける。
ところが,ロープウェイの山頂駅を過ぎてからというものの,急に登山道が過酷になった。悪天候により少しぬかるんでいるのに加え,とても急な段差が連続していた。全行程の中で最も過酷な場所であったが,それでもなんとか下り進めてゆくと,最後はスキー場と合流してリフト沿いに登山道は進み,ついに登山口に到着となった。とはいえ,次にまた安達太良に登ることがあったら,この区間は絶対にロープウェイを使うようにしたい。
安達太良山の奥岳登山口には,奥岳の湯という温泉がある。さすが安達太良の麓にあるだけあり,酸性泉で湯の花の浮かぶこの温泉は心地が良く,登山の疲れを癒やしてくれた。
温泉でさっぱりした後は,登山後のご褒美タイムである。福島駅近くにあるフルーツピークスというお店で軽食と桃スイーツを食べ,登山後の空腹を満たした。
登山趣味への道4回目にしてついに関東を出て東北の山に登ったが,山頂付近はあいにくの天気であったものの,登ってゆくにつれ植生が移り変わる光景を目にすることができたのは非常に良かった。そして,緯度のせいか標高のせいか,夏でも涼しく快適に登れたが,それでも最後はだいぶ疲れたので,今後も同程度の難易度の山で,登山に慣れていきたいと思う。
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