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感情の起伏を自己覚知すると心から受容できる【リスペクトする気持ちが大事】

こんにちは。現役社会福祉士のタカヒロです。

先日、こんなツイートをしました。

僕が勤めている介護老人保健施設(以下、老健)に、11月から新しく支援相談員(社会福祉士)が入職しました。新人相談員は老健勤務歴が約8年。一方、僕は今年2月に入職したので約9か月。

この記事では、新人相談員が入職したことで、僕が感じたことを赤裸々にお伝えしたいと思います。結論から言うと、

「新人に劣等感を抱いていた」
「感情の起伏の原因を自己覚知した」
「新人をリスペクトすることから始めよう」

この3つです。新人相談員が入職し約2週間のうちに、僕の感情は目まぐるしく、慌ただしく、そしてジェットコースターのように波打ちました。

新人教育をされた経験がある方や、突如経験がある新人が入職し感情の波が立ったことがある方は、この記事を読みながら、感情の起伏とその対策について一緒に考えていただけると幸いです。


新人に劣等感を抱いていた

新人相談員が入職し、まず僕は自ら作成した「相談員マニュアル」なるものを提示し、相談受付から入所までの流れにおいて、「調整だけなら誰でもできる。ソーシャルワークをしましょう」と社会福祉士の価値に重きを置いた説明をしていました。

そして、新人相談員のスキルのバロメーターを、「社会福祉士の価値・知識・技術」に照らし合わせて理解しようとしたのです。

しかし、新人相談員からはソーシャルワークにかすりながらも、どこか事務寄りな質問が多く、「とにかく想定される質問には全て答えられるように準備しておく」というスタンスが垣間見られました。

例えばこのような質問が…。

・本人面談で家族が同席希望のときの対応は?
・かかりつけ医が情報提供しない場合の対応は?
・書類のチェック体制はあるのか?
・急変時に家族が来れないと聞いたら?
・なぜ○○の加算をとらないのか?

などなど、挙げたらキリがないほど質問を浴びました。

上記の質問がソーシャルワークに関係しないとは全く思っていません。しかし、冒頭のツイートでも書いている通り、

「なぜ家族はその質問をするのか」とニーズの深掘りをする。質問に答えるのは大事だが、本質を見てほしい。

この考えで僕は仕事をしているので、「質問や問題に全て答えていく」と言うスタンスではないのです。むしろ、社会福祉士は「なぜ?」という疑問を出発点に、利用者や家族と一緒にニーズを紐解いていくことに価値を捉えていることから、事務的な新人相談員の質問や対応に疑問と苛立ちを覚えるようになりました。


感情の起伏の原因を自己覚知した

それからというもの、ことあるごとに新人相談員に

「それでは社会福祉士と言えないのでは?」
「ニーズを捉えていない」
「家族の感情を理解しないと」

などと、どでかい「ソーシャルワーク」という看板を立てて、新人相談員の事務的な質問をねじ伏せようとしました。要は、「このままでは支援ではなく調整オンリーになってしまう」と思ったのでしょう。

でも、ふと立ち止まりました。「僕は、新人相談員からの質問に対して真正面から答えを返せていないのでは」と。いや、返すことができなかった…。

新人相談員は、老健勤務歴8年で培った施設運営を円滑に行うため、そしてリスクを可能な限り最小限に抑えるために、僕に質問を投げかけていたのです。このことが理解できたのは、新人相談員がことあるごとに介護報酬に関する本を読んでいるので、「勉強熱心だね」と声をかけたときの返答でわかりました。

そのとき、僕は反省しました…。

昨日のツイートを反省した。結局僕は、2月から老健で働き始めたから約9ヶ月。老健の歴史を知らない。だから老健に関する制度や必要書類などの根拠が曖昧。一方、新人は老健歴8年。 介護報酬の移り変わりや事務的な動向を理解できている。大袈裟に言うと僕は劣等感を抱いてた。人は自分が知らないことについて、驚きと虚勢を張ってしまうのかもしれない。いや、自分だけかな…。知らないことを聞かれるから、答えることに苦しくなり、イライラしていたと思う。そして、ソーシャルワークを前面に出し、バリアを立てることで、自分のメッキを剥がされないようにしていたのかも…。なぜ、イライラするのか振り返った際、この答えに行き着いた。間違っているのかもしれないが、いまはこの答えが自分にストンと落ちる。そして納得できる。まだまだ人として未熟だな…。修行が足りんです…。

自己覚知できたきっかけは「なぜイライラするのか」でした。自己覚知する前は、新人相談員と話しているときに、「なぜかイライラする」ということは理解していたのですが、その原因がわからなかった。

そこで、「新人相談員が持ってて、僕が持っていないもの」を探すことにしました。すると、あったあった。介護報酬に関する知識と経験だ、という答えを導いたんです。

人がイライラする原因は、

・もどかしい
・うまく伝えれない
・わからない

これだと思っています。でも多くの人が大なり小なりのプライドはある。そのプライドを崩されることは、まる裸にされるみたいで「恥ずかしい」という感情も出てくる。そうなる前に相手にない武器を見つけて、一生懸命虚勢を張ろうとする。もちろん違う方もいますが、少なくとも今回の僕はこの通りでした。

虚勢を張っている自分をまる裸にして受け入れると、なんだか楽になりました。素直になることって大事なんですね。そして、自己覚知したことを人に話すことも大事な行動だと思います。

まさにこのことですね。


新人をリスペクトすることから始めよう

自己覚知をした僕は、新人相談員をリスペクトすることから始めました。新人相談員の提案や質問に耳を傾け、得意分野を見極めていく。介護報酬や制度を根拠に話を進めていくので、提案や質問があった際は「それは制度上引っかかる?」とか「報酬の解釈について教えてほしい」と声をかけるようになりました。

今までの僕は「社会福祉士なんだから社会福祉士の価値で話をしなくてはいけない」と凝り固まった考えで、新人相談員をソーシャルワークにくくりつけようとしていました。これはいかんですね。

社会福祉士という以前に、新人相談員も「人」ですから、「個別性を尊重する」ことが大前提。これはまさに社会福祉士の価値ですね。倫理を見失っていました。

新人相談員をリスペクトすると同時に、僕に足りないスキルとして、介護報酬や制度の理解です。

ということで、昨日から新たな勉強を開始しました。

まだ文字を目で追うだけですが、コツコツ続けていこうと思います。

まとめ

今回は、僕の新人教育に関する、赤裸々な経験をお伝えしました。もしかしたら、共感していただける方がいるかもしれません。

このような失敗をブログに投稿することは少し躊躇もありましたが、僕と同じような経験や悩みを持っている方がいるかもしれないと考え、恥ずかしい面もありますが書いた次第です。

人は誰でも失敗があります。その失敗からどう学ぶかが人生の分かれ道なのかもしれません。

「謙虚に素直に穏やかに」

このことをモットーに仕事を進めていきたいと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。



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