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ローソンPBのパッケージデザイン変更について思うこと

ローソンのPB(プライベートブランド)のパッケージデザインが変更されたことが話題になっています。今回、ハフポストさんがローソンの竹増社長を招いて、実際にどうなんですかインタビューをされるということなので、ある種の答え合わせがある良い機会だと思い、最初に思ったこと、収集した情報、改めて思ったことのをまとめていきたいと思います。

1.最初に思ったこと

一生活者として私は、今回のパッケージデザインについて、かわいいデザインだなあ。いくつか買ってインスタに写真をあげようかなあ。ぐらいにしか感じませんでした。おそらく、自分の周りの広告やデザイン、マーケティングにあまり関わらない友人の反応もその程度なおではないかなと思います。

 一度、広告人としての私に視点を移すと下のようなことを考えます。

 ・いろいろなものを揃えておきたくなりそう
 ・PB特有の安そうな印象はない
 ・ローソンが選ばれるブランドになるために押し出す世界観は、かわいいものへの愛着なのか。

2.収集した情報

話題になっているだけあって、多くの方が自身の考えを発信していらっしゃいました。中でも私は、記事や投稿などから常々鋭い考えを発信されていると感じているカラスの牧野さん、最所あさみさん、えるもさんのnoteを読みました。お三方それぞれの考えをざっくりとまとめると

▼カラス 牧野さん


 ・コンビニはコンビニエンスなストアなのだから、コンビニエンスを第一の価値としておくべき。
 ・「分かりやすさ」や「親切心」がコンビニエンスの大事なファクターである
 ・デザインは意匠であり、意の匠。今回はコンビニエンスという意は伝えきれていないのではないだろうか。
 


▼最所あさみさん

  パッケージデザインのリニューアルが吉と出るか凶と出るかはわからないが狙いは推察できる。
  ・PBのブランディング強化
  ・SNSを通じた口コミ宣伝効果
  ・「ちょっとしたあつまり」の需要をとる

▼えるもさん

 ・コンビニの店舗あたりの売上は「来店者数(回数・頻度)×売上単価」
 ・コンビニの商品が持つ機能は大きく2つ
  ①人を呼び込む商品
  ②つい手に取りたくなる商品
 ・そもそも8割の人はコンビニのブランドを選んでいない。
  ⇒「選ばれるコンビニ」のポジションが空いているチャンス!

3.改めて思うところ

コンビニエンスという価値に近づく限界
機械の計算能力が著しく向上し、簡単にどこまでも最適を目指すことができるようになりました。便利さというのは機能的な価値なので最適を目指していきます。私たちは機械の手を借りてもはや最適を究めつつあるのではないでしょうか。あらゆる商品・サービスがコモディティ化しており、何でも「だいたい良いんじゃないですか。」と思われる時代に突入しているのがその証かもしれません。

イノベーションの種、ブランドパーパス
コモディティ化が進んだ現代では、より私たちが豊かになるためのイノベーションが求められます。そんな中、広告・マーケティング業界が目をつけているのがブランドパーパスです。ブランドパーパスとは「ブランドがなぜ、何のために存在するのか」です。
今回のパッケージデザイン変更もブランドパーパスの表れなのではないかなと考えています。

イノベーションは革新ですから、そう易々とは起こせません。今回の事例がイノベーションになるか否かは売上という数値で1つの結果が出ますが、結果は別としても、日本企業が企業としての意思を世の中に表した素晴らしい挑戦だと思っています。

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