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約半年でtoB向けのFacebook広告のCPAを10分の1に改善した方法

今弊社では自社サービス「カイコク」をインハウスで広告運用しています。
去年、toB向けの広告配信でCPAを10分の1に改善したのでその方法を公開します。
少ない予算からでも効果改善してきた方法なので参考になればと思います。

最初に、どれくらい良くなったかというとこれくらい良くなっています。

note_カイコクCPA改善

元々のCPA10~20万円程から5月にCPA30,000円以内、8月には10,000円を切ることも出来ています。
ちなみに、この数字は「WEB経由の問い合わせ数・資料請求数」のみで、ホワイトペーパーダウンロード等の数字は含めていません。

以降の話についてもホワイトペーパー等は含まずに記載します。

1.弊社サービス「カイコク」ってなに?

簡単に弊社サービス「カイコク」の説明をします。
「カイコク」はマーケターを中心にデザイナー、ディレクター含めて4,700人が登録している複業支援サービスです。
診断を通じてスキルを可視化したユーザーを元にして、企業の課題に対して適切な方をご紹介しています。

弊社では広告代理業もしているため、マッチングの精度が高いことが特徴です。

カイコク説明

2.toC向けとtoB向け広告の違い

ターゲットの違いが一番大きいです。
toC向けであろうがtoB向けであろうが、結局は同じ「人」に配信するものです。

toC向けの場合、サービス内容にもよりますが、最大で世界中の人がターゲットとなり得ます。

toB向けの場合には、世の中の人々の法人格(仕事面)を切り出すイメージになります。
企業からの問い合わせを効率良く増やそうとしたときに、どうしても決裁者やそのサービスの導入を検討する担当者にアプローチする必要があります。

このターゲットの切り出し方が広告出稿におけるtoCとtoBの違いだと思います。

3.なぜFacebook広告か

toB向けの広告配信ではFacebook広告が鉄板です。
それは、以下のような理由からです。

①Facebook広告がビジネス目的で利用されることが多いこと
②実名登録でターゲティング精度も高い
③年配の方でも情報収集で利用していること
④実名登録のため、ユーザーもFacebook内の広告になんとなく胡散臭さを感じない(これは印象です)

上記の特に①、②が大きい理由です。

4.Facebook広告での運用ポイント

他媒体でも変わらないですが、Facebook広告での運用ポイントは以下の3つです。

①入札
②ターゲティング
③クリエイティブ

この3つを掛け合わせて効果改善をしていきます。
①入札、②ターゲティングはほぼ固定で、③クリエイティブで改善するイメージです。

5.入札方法

媒体の自動入札を使います。自動入札の設定はずっと変更せずに

最適化対象:コンバージョン
コストコントロール:最小単価

で設定しています。

コストコントロールについて、
ある程度放置してCPAを合わせたい場合には、コストコントロールは「目標CPA」を使っても良いかも知れないです。
「目標CPA」の場合、CPAは改善しても、ボリュームが出なくなることが多いです。

「最小単価」の場合、日予算分できる限り配信しつつ、獲得を最大化されるように入札されるため、CPAが高くなる懸念があります。
ただ、「最小単価」でも数日単位で日予算を変更してコントロールすれば、機会損失を少なくしつつ、CPAをコントロールできます。
インハウス運用であれば自分次第で改善できると思います。

6.ターゲティング

「興味関心+役職」か「カスタムオーディエンスの類似」がおすすめです。
ただ、カイコクでは興味関心、役職もテストしましたが効果は合わず、ずっと「カスタムオーディエンスの類似」のみで配信しています。

Facebookのデータ精度と自動入札の精度の高さを活かすには、興味関心よりもカスタムオーディエンスがおすすめです。
弊社はカスタムオーディエンスでは「問い合わせ企業情報の類似」で配信しています。

カスタムオーディエンスを始めるときに最初はリストが少ない企業も多いと思いますが、弊社ももちろんそうでした。
弊社の場合は配信ターゲットが「マーケティング担当者」や「経営層」でして、幸いにも弊社は広告代理業も行なっているため、自分たちのメールアドレスの類似でカスタムオーディエンスを開始しました。
問い合わせの増加に伴ってカスタムオーディエンスのリストの更新を都度行なっていきました。(類似3%でやっています)

あと、配信面ではInstagramに配信しないように気をつけてください。シンプルにtoB向けの配信ではInstagramで効果が合いにくいためです。
Instagramでは恐らく仕事モードではない人が多いためだと考えられます。

7.クリエイティブ

ターゲットを変えにくいtoBでの効率改善にあたっては一番重要です。
クリエイティブはどれだけ早く勝ちクリエイティブを見つけられるかが大切です。

そのためには似ているクリエイティブではなく、極端な話、全く別のクリエイティブで検証すべきです。
クリエイティブに有意差を持たせることで良し悪しの判断をしやすくします。
また、配信量が出にくいクリエイティブはすぐに停止していいと思います。
検証が目的であれば、データ量を集めてからCTRやCVRの高い低いは判断すべきかもしれないですが、最小限のコストで最大限の効果を出すためにはドラスティックな判断が必要です。

例として、目標CPA10,000円のときの運用イメージを記載します。(①→②→③の流れ)

note_例の図

■対応事項
①:クリエイティブAの配信量が多いため、クリエイティブBは停止
②:クリエイティブAが目標CPA10,000円の3倍利用しても獲得がないため停止
③:クリエイティブBを再開し、新たにクリエイティブCを追加

8.どれくらいの量のクリエイティブをどの期間で検証するか

僕は獲得が安定するまでは、1度に最大で4パターンのクリエイティブを配信し、オンオフの判断は約2日で実施しました。

前述の対応事項のようにクリエイティブの検証スピードを上げていきますが、僕の場合は同時に配信したクリエイティブで数千円の差が出たタイミングでオンオフの判断をするようにしています。
合わせて、配信量が多いクリエイティブはテキスト文を変更、配信量が少なかったクリエイティブは画像を変更して再度検証していきます。

獲得が安定してきて勝ちクリエイティブがある程度見えてきてからは1~2週間でクリエイティブの検証を行い、勝ちクリエイティブが獲得できなくなったときの代替を準備しておきます。その時は獲得が発生しなくてもCTRの軸で反応の良し悪しを判断しておきます。

9.クリエイティブの作り方

弊社では広告運用自体は僕1人で行なっていて、デザイナー2名にクリエイティブ制作は手伝ってもらっています。

社内でツールを導入・設定してくれたので、デザイナーの工数を削減しつつ、僕自身でも簡単に画像内のテキスト変更をしてクリエイティブ検証をできる仕組みが構築されています。

このクリエイティブが高速で作れる社内ツールの導入と仕組みがなければ、ここまでCPAを改善することは出来ませんでした。(ツール気になる方いらっしゃいましたら連絡ください)

10.弊社のクリエイティブ検証の事例

クリエイティブ毎で数字は異なりますが、クリエイティブの変更によって以下のように改善しています。

■結果
・クリック率が0.5-0.6%上昇
・クリック単価が100-350円低下
・獲得率が0.8%上昇
■実施事項
・テキスト文に以下の内容を追記
1.実績
2.「優秀なマーケター」の具体化
3.「悩み(~ない)」ではなく、「要望(~たい)」のポジティブな表現
4.CMO・マーケ統括を記載して質の高さを提示

note_事例2

11.まとめ

toBでの広告運用は予算が少ないことも多く、軌道に乗せることが難しいと思いますが、少ない情報からでもある程度決め打ちで判断してスピード感を出していくことがポイントです。

■入札
・コストコントロールの特徴
 - 目標CPA(ターゲット単価):CPAは守りやすいが、配信ボリュームが少なくなることが多い
→CPAを守ること重視ならこっちがいいかも
 - 最小単価:利用額は日予算分利用されるためCPAが高くなる懸念はあるが、配信ボリュームを担保しつつ改善することができる
→獲得を効率良く伸ばしたい場合はこっちで頑張る

■ターゲティング
・カスタムオーディエンスの類似
 - 少ないデータからでも類似3%で進める
 - 都度更新

■クリエイティブ
・最初は検証スピード命
 - できるだけ有意差を判断できるクリエイティブで配信
 - 2-3日でオンオフ、クリエイティブの切り替え
 - 配信量が多いクリエイティブはテキスト文を変更、配信量が少なかったクリエイティブは画像を変更
・獲得が出始めたら他パターンを検証
 - 反応の良し悪しをCTR軸でも見ておく


以下のリンクから記事の内容を資料化したものをダウンロードできますのでよろしければお願いします。

以上です!
ありがとうございました。


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