#推薦図書 見波利幸(2016)『心が折れる職場』,日本経済新聞出版社 の紹介

前の職場では心が折れることはなかったこーぞーです。今の職場はまあ…(苦笑)
さて,タイトルにある本を書名だけ見て買いました。以前の投稿「おすすめの本を紹介3(終?) その他」でも挙げていた本で,新書サイズです。著者の見波氏は,奥付によれば日本メンタルヘルス講師認定協会の代表理事だそうです。カウンセリングを学んできたとか,そういう出身の方ではないようですが,読んでいて,ああ,見波氏は労働者の心に寄り添える人なんだなーと感じました。
この投稿では,どういう職場が「心が折れる」のか,本書から一部を拾って書くことにします。

こんな職場は心が折れる

自発的な飲み会が少ない職場。これは職場の雰囲気を端的に表したもので,「じゃあ飲み会やろう!」と強制的に飲み会を開催するのでは解決しません。「今日飲み行こうよ」っていうような職場の雰囲気がない,そんな職場が危ない。自然と「飲みに行こう」と声をかけられる職場は,普段からコミュニケーションがある。
「業務連絡」以外の話をしにくい職場。下手したら,仕事の話すらしづらい職場すらある。こんな職場で飲み会をしたところで打ち合わせみたいな飲み会になる。
普段から雑談できる雰囲気があれば,トラブル時に助けてもらえるという安心感につながる。
部下の心理状態が読めない,空気を察知できない上司がいる職場。職場の空気は冷めてるのに「自分はちゃんと部下を気にかけ,コミュニケーションを取ってる」とか思いこんでいる。その上司が部下を飲みに誘い,それは断りづらい雰囲気があって,さらに飲みの場では「俺の若いときは…」などと語るからさらに雰囲気が悪化する。
「ホウ・レン・ソウ」に厳格で,挨拶を待つ上司がいる職場。報告・連絡・相談に厳格で,挨拶は部下からするもの,なんて考えている上司は,自分からの能動的なコミュニケーションを放棄している。待ちの姿勢になっていて,問題の報告が遅れると「なんでもっと早く報告しないんだ」となる。
「ここ1~2カ月で涙を流したことがありますか」という問いに対し,涙を流したことがあると答える人が少ない職場。さらに,手を挙げる人も,周りの目を気にしてそっと手を挙げる。「涙を流す=感情を表す=大人気ない」といった感覚が意識の底にあるのかもしれない。
メンタル不調者の少ない職場では,著者が研修の時にこれを尋ねると,半数くらい手が挙がる。

上記で本書の第1章の半分くらいしか拾ってません。ほかにも,労働時間の長さじゃなくて仕事が好きかどうかだとか,上司はどんなスタンスがいいのかとか,睡眠時間や趣味など生活習慣についてなど,多くの視点から労働者をみています。経営的な視点もありますが,労働者自身ができることも書いてあります。

改めて,職場にコミュニケーションは必要かつ重要だと感じました。そして,労働者の気持ちを理解できているかどうかが大事ですね。非常に共感できます。同僚の気持ち,部下の気持ち…皆さんの職場の上司はそんなことを考えておいででしょうか。
皆さんの心が折れませんように。

おわり。

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