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家族の溝に蝶が舞う

あったか敷きパッド or ひんやり敷きパッド。

この時期、意見の分かれる布団問題。
初夏と言え夜は冷える。私は断固「あったか」派。
対して、妻と五歳息子は既に「あったか」を外してる上に、本日から「ひんやり」したいと主張しはじめた。
溝は深まる。

夕食後、布団の衣替え。
――ちなみに上はどうするの? と問えば
「掛布団も置いておくけど、基本タオルケット」らしい。考えられない。
――俺の毛布はまだ片さないで!

ひんやりにさっそく息子が這いつくばる。
「パパ、スリスリすると気持ちいよ。来てごらん」
遠慮する。ママが隣に並んで一緒に芋虫の動きを始めた。
「あ~最高!」

二人クネクネしてるのを横目にお風呂へ。戻ってきて愕然。
芋虫たちは寝息をかいていた。まじか。

起こすのも気が引ける。
ママ、お腹出てるし……そっと私の毛布を二人にかけて「さなぎ」にしてあげた。やさしさです。
数分後、孵化した母の方が「暑っ」と言って舞い起きた。


すりすりと芋虫のごと夏蒲団

(すりすりといもむしのごとなつぶとん)

季語(三夏): 夏蒲団、夏掛(なつがけ)、麻蒲団


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