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n-3からのコーポレート構築のススメ!freee Heroes Day 2022登壇資料を全公開で解説します!

みなさま、こんにちは、こんばんは、
コーポレートナレッジシェアを頑張る早瀬です。

本日は、2022年2月に開催されたfreeeの一大イベント、
freee Heroes Dayで私が登壇した際の資料・内容を、全て公開します。

■ freee Heroes Dayとは

freee Heroes Dayは「コーポレートメンバーがヒーローになる日」と言う
非常に素晴らしいコンセプトで、
私たちコーポレートの日々の創意工夫をシェアするイベントです。

今回はSpeakerが15人。多!
そんな中で、私もスペシャルセッションの後に登壇させていただきました。

□ 登壇テーマ

登壇テーマは「freeeを軸とした高品質・効率的なコーポレート体制整備のHow toと具体的事例」としておりますが、
内容的には、ここ1年間で登壇したテーマの中で、IPO準備に際した体制整備に関するお話をまとめた内容になっています。

ざっくり内容を説明すると、
(1)いつから
(2)どんなシステム構成で
(3)どうやって

上場準備を進めると、スムーズかつ低ストレスで審査が進められるか、
実体験をもとにお話をさせていただきました。

■ いつから上場準備を開始するか

N-3までに、IPO準備を見据えたオペレーションの整備までは完了させておくことをお勧めしています。
オペレーションは最終系から逆算して固める。N-3なのでまだ統制は入れずとも、統制を入れる余地は作っておく感じです。

上記の通り、IPOまでには、監査、審査対応や、内部統制の運用といった主要なIPOタスクと、上場関連書類の作成があります。

これらのIPOタスクに加えて、もちろん、経理、労務、法務、総務、採用、人事、あと広報や経営管理といった一般的なバックオフィス業務も、しっかりこなさなければなりません。

しかし、2015年あたりに起きた諸問題で、遡及監査ができなくなり、
直近では内部統制上の問題も多く発生し、過去と比較すると、
求められる統制の質が高くなってきています

その他にも、また、コロナ禍によって急速に広がった働き方改革に応じて、検討事項がこれまで以上に増えております。
こうした中で、IPO準備も並行していこうとすると、どうしても管理部人員を増やさざるを得ず、コスト的にも採用的にも得策ではありません。

当然、審査対応自体も忙しいので、できる準備は先に済ませておくべきです。釈迦に説法とは思いますが、その方が心象も良く、審査自体もスムーズになります。

そこで大事になってくるのが、N-3でのコーポレートの整備です。
コーポレートの整備をする上で大事なのは、月次決算と労務管理、
あと最低限の承認フローです。

中でも、特に月次決算は、決算だけが目的ではありません。
月次決算を基礎とした、開示、管理会計、税務申告、調達やMAのDDといったその先にある業務を円滑に遂行するために、会社の情報を正しく認識することが目的です。

ですので、
月次の質が会社の将来を左右すると言っても過言ではないと思います。

月次決算は、その先にある最終アウトプットをどうすべきかを考えて、
摘要ルールや、タグルール、統制やその他のルールを決めましょう。
(freeeだとあまり摘要使わないカモですね!)

タグについては、次のnoteを読まれることをお勧めします!
非常に参考になります。

■ どんなシステム構成にすべきか

次に、N-3以前のタイミングで、どんなコーポレートを作るかですが、
まず大事なのは、システムの取捨選択です。

この時に一番意識するべきことは、
全体最適から逆算して、個別業務を考えていくことだと思います。
一番やってはいけないことは、部分最適でシステム選定をすることです。

こんなシステム構成になっている会社様も多いのではないでしょうか。

全体最適から逆算する際のポイントとしては、
どれだけ手作業を減らせるか(業務を自動化できるか)だと思います。

手作業を減らすことは、
効率化のみならず、人的ミスの削減につながります。これが圧倒的に大事。
異なるシステムを採用する場合でもAPI連携されているかなど、
ちゃんと調べましょう。個人的にはcsv取り込みもNGです。
(SaaSは出力フォーマットなどがどんどん改変されていくので、
 結局手元の更新作業が増えていく)

私はfreee会計を選択していたので、次のようなシステム構成にしました。

データ連携に極力手作業が入らないよう、システム連携を意識しています。
Salesforceとfreee会計も繋げたかったのですが、コスト的に断念しました。
ここら辺は常にROIの判断だと思います。

また、私はfreeeを軸にコーポレートを構築しておりますが、
最初に選択するシステムによって、
全てのオペレーションが変わってくるため、この選択は非常に大事です。

直近だと、freeeかマネーフォワードで悩まれる方が多いと思います。

2社比較について、
非常にわかりやすい記事をBackyardの武内さんが書かれていますので、
自社の状況に合わせて選択されるのが良いと思います。
どっちもオススメですよ!

■ どうやって整備を進めていくか

ここから、私が実際に行った業務フロー作りを全て公開します。
業務の属人化や、業務ナレッジの分断を決して見逃さず、
チーム内で共有し、定型化を図り、マニュアルにまとめる事で、
全社にとっての全体最適を追求し続けています。

□ 現状のオペレーションを紐解く

まずは現状の各業務をフローチャート化して見える化しましょう。

スクリーンショット 2020-05-01 23.44.31

※こういったフローチャートを、何十枚と作りました。
フローチャート作成の際には、次の項目を明確にしましょう。

・どの担当者が(Who)
・どの業務を(What)
・どういった目的のために(Why)
・どのタイミングで(When)
・どのシステムを使って(Where)

こうすることで、業務上の曖昧な領域をなくしていきます。
フローチャートを作ることで、
①担当者が曖昧な領域
②統制上の問題
③無駄な作業

を発見し、それを適宜修正して、自社にとっての最適なフローを作ることが、第一のStepとなります。

□ 月次決算という業務を再構築する

最適なフローができると、
月次決算業務を、図のような単位で再構築することができました。

画像2

この白い箱が、「◯◯の作業をする」といった業務の単位です。
分解の粒度は「誰かが作業して」「別の誰かがチェックできる」単位です。
白い箱ごとに、フローチャートが存在するイメージです。

□ 分解された業務をtodo単位に分解する

さらに、今度は、分解した業務ごとにtodoに分解しています。
具体的には次の画像の通りです。

画像3

各業務のフローチャートをtodoリスト化します。
todoには、必ず担当者を割り振ります。
また、最後にはチェッカーによるチェックで業務終了となるようにします。
これは、ミスを防ぐ上で一番大切なことです。

□ タスクごとにマニュアルを作成する

1つ前の画像を見ていただくと、
各todoにマニュアルが紐づいているのがわかると思います。
これは、業務の属人化を防ぐために非常に大事なこととなります。
参考に、給与振込処理のマニュアル画像を抜粋しました。

画像4

これは一緒に働くメンバーに作ってもらったマニュアルなのですが、
1動作ずつを全てマニュアルに落として貰っています。

■ まとめ

今回は、
(1)いつから
(2)どんなシステム構成で
(3)どうやって

上場準備を進めると、スムーズかまとめてみました。

まとめると、
(1)いつから
IPO準備で求められる統制の質が高まっていることから、
N-3までに決算体制を構築すること、
その際に、N-2以降の統制も念頭に置くこと。

(2)どんなシステム構成で
全体最適の視点から、
システムの集中と連携を重視することで効率性を高めつつ、
ミスの発生確率を減らすこと。

(3)どうやって
業務を徹底的に標準化していくこと。

ここまで準備しきることで、
大変スムーズなIPO準備に突入できるのできます。
ぜひ皆様もチャレンジしてみてください!

■ 登壇資料公開(ダウンロード可)

ご自由にダウンロードください!


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