土生 哲也(Habu Tetsuya)/株式会社IPディレクション

バブル世代の左脳型人間に、ムサビ・造形構想研究科で更新プログラムをインストールしました…

土生 哲也(Habu Tetsuya)/株式会社IPディレクション

バブル世代の左脳型人間に、ムサビ・造形構想研究科で更新プログラムをインストールしました。 あの遥か彼方に見える水平線の上に立てる( https://www.musabi.ac.jp/student_life/event/gc/y2021/ )と信じて、新領域の開拓に挑みます。

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会社概要と代表者のプロフィール

株式会社IPディレクション 株式会社IPディレクションは、代表者である土生(はぶ)哲也が2002年10月に設立、2022年4月に現社名に商号変更した法人で、知的財産とデザインの視点から中小企業経営をサポートするサービスを提供しています。 代表者プロフィール 12年半の金融機関勤務時(主にベンチャーファイナンスを担当、知的財産を担保にしたベンチャー融資部門の立上げとVCでの投資業務に携わりました)に、知財のわかるキャピタリストを目指して弁理士資格を取得、2001年の独立後

    • 中小企業の姿に見る デザイン経営が果たす社会的役割

       今、なぜ、デザイン経営なのか。  世の中はデザイン経営に何を求めているのか。  「デザイン経営」宣言には、デザイン経営の役割について、次のように述べられています。  そして、政策提言の冒頭には「『デザイン経営』を推進し、日本の産業競争力を強化するため…」と明記されており、日本の企業がデザインを活用して、国際的な競争優位性を取り戻すことを目的としてることが読み取れます。  ところが昨年7月に特許庁から公開された「中小企業のためのデザイン経営ハンドブック2 未来をひら

      • デザイン経営は中小企業をどのように変えるのか?

         今年度、池田泉州銀行さま主幹事で大阪で開催した「デザイン経営×知財」連続セミナー&ワークショップの成果物として作成した小冊子、「中小企業支援のための デザイン経営アプローチ」が公開されました。  この冊子に寄稿した拙稿「デザイン経営は中小企業をどのように変えるのか?」を、こちらにも転載します。地域金融機関や中小企業支援機関で日々中小企業に向かい合っている皆様に、「中小企業のデザイン経営は、こういう考え方でやっています」というところをお伝えしたく、ご一読いただけれますと幸い

        • 「開発マインド」と「デザインマインド」

           今回考えてみたいのは、事業開発の原動力となる「開発マインド」と「デザインマインド」の違いです。  なにかと議論が錯綜しがちな「デザイン経営」について、これまでの動きや、大企業・スタートアップと中小企業における論点の違いなどを、先日投稿した「あらためて考える 中小企業のデザイン経営」の記事で整理しましたが、その中でも述べたように、大企業やスタートアップを対象にした領域では、「ブランド構築」の分野では比較的活用されやすかったデザインのアプローチを、「イノベーション」の分野にも

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        • 中小企業のデザイン経営
          9本
        • デザインと知的財産
          12本
        • これからの知財活用
          7本

        記事

          「デザイン経営の好循環モデル」 の意味するところ

           前回の投稿で中小企業のデザイン経営に関する現状を整理しましたが、そこでも言及した今年7月に特許庁から公開された「中小企業のデザイン経営ハンドブック2『未来をひらく デザイン経営×知財』」。そのハンドブック中に「デザイン経営の好循環モデル」が、デザイン経営の全体像を示すモデルとして新たに提示されていますが、噛めば噛むほど味が出てくる感じで、なななか奥深いモデルです。  「文化醸成」「人格形成」「価値創造」と、いろいろ解釈できそうな漢字ばかりの言葉が並んで、デザイン経営宣言に示

          「デザイン経営の好循環モデル」 の意味するところ

          あらためて考える 中小企業のデザイン経営

           久しぶりの投稿ですが、今期もいくつかのプロジェクトで、中小企業のデザイン経営への取組みに関わらせていただいています。  といいながら、まだまだもやっとした感が拭えない「デザイン経営」。  なるべくわかりやすくということで、6月にオンラインでお話しした「デザイン経営10分解説」の動画をYouTubeに上げていますが、その内容を補強しながら、あらためてデザイン経営とは何か、その取組みにどういう意義があるのかを、中小企業目線でまとめてみたいと思います。(自分の理解の整理を主目的

          あらためて考える 中小企業のデザイン経営

          「強み」と「らしさ」、「差別化」と「差異化」

           前々回の投稿で少し触れた「強み」と「らしさ」、そして「差別化」と「差異化」。本日はその違いについて、考えるところを整理してみたいと思います。  中小企業経営に関連する仕事に携わっていると、よく出くわすキーワードの一つに「強み」があります。 「自社の強みを明らかにしよう!」「自社の強みを活かそう!」  知的財産が特許権や商標権に限定されないより広い概念であることを説明するために、「自社の『強み』が知的財産です」と説明されることもあります。  中小企業経営を語る際に避けては

          「強み」と「らしさ」、「差別化」と「差異化」

          知財活用の歴史を立体的な目線で振り返る(増補版) ~ これからの時代に求められる知的財産への向き合い方

           本日の投稿は、2023年4月18日発行の特許ニュース「発明の日記念特集」に掲載された、拙稿「知財活用の歴史を立体的な目線で振り返る -これからの時代に求められる知的財産への向き合い方-」をアレンジしたものです。  元原稿は、以前にnoteに投稿した「知財活用の歴史を立体的な目線で振り返る」の記事ですが、その記事をブラッシュアップしていますので、あらためてこちらにnote版として投稿させていただきます。 1.はじめに 発明の日を機に振り返ってみると、本年は2003年3月の知

          知財活用の歴史を立体的な目線で振り返る(増補版) ~ これからの時代に求められる知的財産への向き合い方

          中小企業の未来をひらく 「デザイン経営×知財」セミナー

           特許庁さんの公式YouTubeチャンネルに、「中小企業の未来をひらく『デザイン経営×知財』セミナー」 の動画が公開されました。  このセミナーは、特許庁デザイン経営プロジェクト・中小企業支援チームの「デザイン経営×知財」研究会の中間報告として、「デザイン経営×知財」という考え方の普及に向けた活動のキックオフイベントとして実施されたものですが、私もこの研究会に参加し、セミナーでは 0:27:30 ~ 0:51:40 の25分弱、「デザイン経営と知財 – 未来を拓く 中小企業経

          中小企業の未来をひらく 「デザイン経営×知財」セミナー

          <対談記事> 知財が中小企業にもたらす意外なメリットとは?

           ロフトワークさんのWebサイトの「Dcraft デザイン経営リーダーズゼミ」のコンテンツに、同社のクリエイティブディレクター・加藤修平さんとの対談記事、  知財が中小企業にもたらす意外なメリットとは?  ブランド力を高め、企業間共創を加速させる知財の捉えかた をご掲載いただきました。  未来感のあるポジティブなトーンでまとめていただき、「世の中、結局のところ何が変化して、デザインや知財にどのように関係してくるのか。」の投稿に書いたような、社会の構造変化に伴う知財の役割の変

          <対談記事> 知財が中小企業にもたらす意外なメリットとは?

          「デザイン経営」の赤いカプセル、飲みますか?

           昨日は中小企業のデザイン経営に関するある研究会に出席し、中小企業がデザイン経営に取り組むポジティブな側面とネガティブな側面、デザイン経営がよくわからないと思われやすい理由について、私見を述べる機会がありました。  自分にとってもちょうど頭を整理するよい機会になり、そこで話した内容をまとめておきたいと思います。  まずはポジティブな側面から。  そもそもの前提として、デザイン経営とはなんぞや、何を基準にデザイン経営に取り組んでいる企業とそうでない企業を区別するの?という問題

          「デザイン経営」の赤いカプセル、飲みますか?

          世の中、結局のところ何が変化して、デザインや知財にどのように関係してくるのか。

           世の中の変化と、変化への対応の必要性が言われるのは今に始まったことではありませんが、特にここ数年、その動きが強まっているように感じます。テレワークやオンライン会議が普通になり、オフィスにある郵便切手や封筒は余ったまま。スーツや革靴の出番は激減し、家の靴箱にはスニーカーが増えました。  そんな形式的なことはともかくとして、現場で実質的に社会を動かしている世代がグッと若くなっていることも痛感します。  DX、AI、メタバース、MaaS、CASE、ESG、脱炭素、ワークライフバラ

          世の中、結局のところ何が変化して、デザインや知財にどのように関係してくるのか。

          知財活用の歴史を立体的な目線で振り返る

           今日はデザイン経営ではなく、知財に寄った話を。  知財の世界に身を置いて、はや20年超。このくらい長くやっていると、だんだん昔話の語り部みたいになってくるのですが、知財戦略、知財活用、知財経営などなど…企業が知財制度をどう活用するかというテーマについても、いろんな議論や試行が繰り返されるのを目にしてきました。  その大きな流れを振り返ってみたいと思います。  というようなことを考えたきっかけは、少し前になりますが、特許庁が推進している「I-OPENプロジェクト」のレポー

          知財活用の歴史を立体的な目線で振り返る

          中小企業の経営者にデザイン経営をどのように伝えるか

           昨年度は大阪で、デザイン経営に知財の視点を加えた中小企業向けの連続セミナーを実施しました。  これまでにあまり例がない取り組みで、参加者の皆様と一緒に作り上げたプログラムでしたが、今年度は北九州というユニークな産業集積のある地域において、その地域性を考慮するとともに、もう一歩進んだ最終成果物を目指すプログラムを用意し、伴走支援付きの5回連続講座として10月からスタートする予定です。  先日、参加者募集のためのオリエンテーションセミナーを実施したのですが、いつも悩ましいのが

          中小企業の経営者にデザイン経営をどのように伝えるか

          デザイン経営はこれまでの知財関連施策と何が違うのか?(2)

           前回の投稿(デザイン経営はこれまでの知財関連施策と何が違うのか?)の続編として、知財関連施策においてなぜデザインが注目されているのか、少し視点を変えて整理してみたいと思います。  デザイン思考が求められる背景としてよく言及されるキーワードが、今の社会が向き合わなければいけなくなっている「厄介な問題(Wicked Problem)」です。それだけだと少々理解しにくい概念ですが、↓の動画の2:35~3:25あたりの長谷川先生の説明を聞くと、とても理解しやすいです。  要は、

          デザイン経営はこれまでの知財関連施策と何が違うのか?(2)

          デザイン経営はこれまでの知財関連施策と何が違うのか?

           少々時間が経ってしまいましたが、先々月、どうにか大学院を修了することができました。デザイン・アートに何の素養もないまま、とにかくこの世界に踏み込むきっかけが欲しいという単純な動機でムサビに突撃しましたが、そんな自分を見捨てることなく、井口先生をはじめとする先生方には2年間ご指導いただき、感謝の念に堪えません。  入学した2年前、新入生の年齢構成を見た際には、正直なところ、感性・体力・協調性において自分がどこまで持つか、不安しかありませんでした。  ところがこの2年間、そ

          デザイン経営はこれまでの知財関連施策と何が違うのか?