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モネとお寺と和歌

横浜市の閑静な住宅街に佇む禅寺、
東光禅寺。

祖父の一回忌のために訪れたそのお寺では、
庭に草花が咲き乱れていました。


緑、緑、緑、あと赤。紫も少々。

豊かに繁るあまり
色の輪郭が曖昧になっている様子は、
モネの描く絵とクリソツでした。(死語)


そして、このお庭やモネの絵と
クリソツと言っては過言だが、
どことなく似ている和歌が一首。

青柳の 糸よりかくる 春しもぞ
みだれて花の ほころびにける
(『古今和歌集』巻一・春上・26・紀貫之)


(意訳)
青柳が その細い枝で端正に紡ぐ 春の景色。
その中で、花々は雑然と咲き乱れる。



美しく、規則正しく垂れる柳と
複雑に絡み合う花々との対比が際立つこの歌は、

モネの
ジヴェルニーの庭の柳、
青緑色に統一された色調、
花々がごちゃごちゃと描かれた曖昧なタッチ

といったイメージと、重なりましたとさ。


クロード•モネ「睡蓮の池」
クロード•モネ「モネの庭のアヤメ」



余談ですが、件の東光禅寺は
絶賛放送中の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』と
縁があるみたいです。

中川大志さん演じる畠山重忠公が
肌身離さず持っていたのが、
ご本尊の薬師如来像なんだとかなんとか。
そしてその彼が創建した寺なんだとかなんとか。


残念ながら大河ドラマは観ていないので
私にはピンと来ませんでしたが。

お好きな方は参拝してみてはいかが。

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