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成果を上げるツールがこんなに沢山あるのに、期待したほど成果があがらないのは、こんな事だったりする。

(写真は熊本県熊本市郊外の水田:2018年7月撮影)

ネット環境に身を置くと、成果をあげるための様々なツールや方法、プログラムについての情報が大波のように押し寄せてきます。

もっと収益を増やすため
もっと時間をつくるため
もっと効率よく管理するため
もっと売り上げるため
もっと認知度をあげるため などなど

テクノロジーの進化による業務改善の分野など次々と便利なツールが開発されています。

かつては大きな費用と人と時間を投入しなければできなかった事が、より少ない費用で人も時間もさほど投入することなく可能になっています。

全てのニーズやウォンツに対応できる完全万能な個人も組織もありませんから、外部や組織や個人の協力や支援を得るのは当然といえます。

当然というか、「必然」ですね。

ところが、外部の助けを得てツールを導入しても望んでいた成果が得られていないことが少なくありません。

ここではツールの善し悪しや、外部の協力の善し悪しに触れませんが、どうして外部の協力や助けを受けているのに、思うような成果が得られないのでしょうか?

500億ドルが無駄に...

米国における調査によれば、年間総額500億ドルにも及ぶの資金が、リーダーシップ研修やプログラムに使われているそうです。

  • 多様性を大切にするリーダーシップ

  • 組織の中の様々なバイアスを乗り越えるリーダーシップ

  • 文化や世代のギャップを超えるリーダーシップ

  • リモートワークとオフィスワークのチームをまとめるリーダーシップ

  • 職場における信頼関係を深める文化をつくるリーダーシップ

など、など、ほんの一部ですがこれ以外にも様々なメニューのリーダーシップ研修やプログラムがなされているわけです。

ところが、様々な研修等を通して助けやツールが提供されているのにもかかわらず、その多くが期待する成果が得られていないそうです。

先に進む前に円安ですから額が大きくなりますが、500億ドルって円にしてどのくらいの額でしょう。

6.5兆円(130円換算)です。

今回の政府の骨太方針における「人への投資」が、これからの3年間で4,000億円ですから、比較にならない大きなマーケットです。

日本ではどうでしょうか?

対人支援のプログラムやツール、研修など提供を通して思ったような成果を得ているのでしょうか?

もし、望む成果が得られていないとするならば、プログラムやツール、個人や組織のせいにするだけではなく、こんなことを考えてみるべきかもしれません。

本当に解決しようと思っているのは何だったっけ

直面している問題は、個々人でまた個々の組織において固有の複雑さを持っています。

その複雑な問題や課題を全部ひとまとめに解決することは、不可能といってもよいでしょう。

私たちの体で考えてみましょう。

近年気候変動により、かつてないほどに熱中症のリスクが叫ばれています。

  • 立ちくらみ

  • 筋肉のこむら返り

  • 体に力が入らない

  • ぐったりする

  • けいれんがある

  • まっすぐに歩けない

  • 体が熱い

こんな症状がでたら、熱中症を疑うようにとメディアでも「猛暑日」に注意が呼びかけられています。

「立ちくらみ」一つとっても、原因は様々です。

立ちくらみが発生した場合、最も一般的な原因は以下のものです。
 ・血液量の減少(脱水または失血に起因する可能性)
 ・薬剤
 ・長期間の床上安静
 ・副腎の活動低下(副腎機能不全)
立ちくらみが長期にわたって(慢性的に)発生している場合、最も一般的な原因は以下のものです。
 ・ 加齢に伴う血圧調節の変化
 ・ 薬剤
・自律神経系の機能不全

MSDマニュアル家庭版より

自律神経系の機能不全を起こしている人が「猛暑日」に「立ちくらみ」したからと言って、すぐに「熱中症」だと決めつけて水分補給と塩分補給をしたとしても、「立ちくらみ」が解決しませんよね。

それと同じように解決しようと考えている自分や自社の問題や課題を、「自覚症状」だけで決めつけて、解決策を導入したところで、効果が出ない、望んでいる成果が出ないのは当り前です。

プログラムやツールを導入する前に、もう一度、解決しようとしている問題、それも症状ではなく根本問題はなんであるのかを明確にしておく必要があるのです。

体調でもそうですが、痛い、辛いのような実感する問題は症状であって、原因ではないのです。

実感している症状を緩和することが無意味とは決して思いませんが、一時的に症状を緩和することができても、根本解決にはなりません。

また、様々な解決策は効果が出るまでの時間、そして効果の持続期間というものがあります。

ツール、プログラムなどの導入によって何を、どのくらい、いつまで効果を得ようと考えているかを明確にして、ミスマッチを避けましょう。

結局のところ人なんですよね

もちろん自動化できることが、どんどんと増えてきて、ほとんど「人」の労力によらない様々なビジネスが出現しているのも事実です。

しかし、「人」が業務を自動化しているのであって、機械が起業して収益を上げて拡大するのではありません。

それらを活かしているのは「人」なのです。

「組織は人」と言われる所以です。

ということは、

成果をあげるのも「人」です。

と同時に、解決しようとしている問題も「人」とは無関係ではないのです。

そして、ツール、プログラム、方法を活かすのも「人」というわけです。

全部を「人」のせいにしようとしているのではありません。

海外では「人」という漢字の起源をお話しすることがあります。どんな話しをするかというと、「人」は一人では「人」になれない。

個人事業主であっても、ひとり社長の会社であっても、たった一人でビジネスをするのではないわけです。

複数の人間が協働する組織では、さらに多くの人々がビジネスのプロセスに関わります。

ところが残念ながら1+1+1とそれぞれの力が合わされているのにもかかわらず、単純合計の3にも満たないことが実際にあります。

お互いの力を合わせることで相乗効果が得られることを期待しますが、実際にマイナスの相乗効果になってしまうことがあるのです。

お互いの良いところを出し合うのではなく、お互いの力を引き出せないどころか、阻害することさえあるのです。

そのような状況では、何をしてもうまくいかないのは当り前です。

そうすると、ドンピシャのツールやプログラムを導入したとしても、おもったような成果が出ないのです。

先に書いた根本問題を見つめ直す時に、人間関係のダイナミックスにも光を当てて人的要因を考えてみる価値が充分あります。


様々な外部の助けや協力を無駄にしないためにも、根本原因を明確にする事とその解決には、何をどうするのか、それも人的(人間関係的)要因を鑑みて前進しましょう。

皆さんのビジネスが更に成果をあげることを願います。


最後までありがとうございます。




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