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ちゃんと伝えたつもり...えっ?コミュニケーションの不思議

(写真はオレゴン州アストリア:2021年8月撮影)

「まだ、来ないなぁ」

ここは、首都ウランバートルのチンギスハーン空港。

そうです。ここはモンゴル。時は15年前の2006年。

リーダーシップ研修の講師としてやってきました。
先方には飛行機の時間を連絡確認済み。

最初は白タク(いわゆるメーター設置のタクシーは存在していなかったかもしれない)の運転手が、入れ替わり、立ち替わり私を客にしようと話しかけてきました。

その内に到着便も出発便もしばらくないのか
空港からどんどんと人が去って行きます。

空港に留まっている人たちも
スーツケースを持って一人で立っている私を無視して
それぞれの世界に入っています。


ハイパフォーマンス・コンサルタントの髙澤健(たかざわたけし)です。
この記事を読んでくださっているあなたが、「最高の自分」に向かって成長するお役に立ちたいと願いながら書いています。


ようやく迎えに来た友人

1時間を過ぎたあたりまでは気にしていなかったのですが、
2時間近くになっていよいよ「大丈夫かなぁ」と
少しずつ心配になってきました。

2時間半過ぎてようやく現れたモンゴルの友人

友人:「タケシ!ようこそモンゴルへ!さあ車に乗って」

私:「迎えに来てくれてありがとう。」

友人:「飛行機は順調だった?」

私:「問題なかったよ。スムーズに出てこれた。」

モバイルのWiFiも持たずに来ましたので、
迎えに来てくれなかったら、大変でした。

思い切って聞いてみました。

私:「今日は空港に迎えにくる時、問題か何かあったの?」

友人:「ないよ。でもね、良いことがあったよ。」

私:「何?」

友人:「ずっと会いたかった友人に空港に来る途中、バッタリ出くわしたんだ。久しぶりだったから、一緒に食事をしたの。楽しかった〜!」

私:「よ、よかったね...」

友人は全く悪気はなく、本当に嬉しそうでした。


同じ事象に異なる意味

本人には確かめていません。
確かめる必要はないと思っています。

彼にとって久しぶりに目の前に現れた友人の方が、
空港に飛行機が着陸しても
すぐに外に出て来るかどうかわからない
私よりも優先順位が高かったわけです。

それに、私が空港から離れてどこかに行ってしまうことはないわけです。

このチャンスを逃すなら、会いたかった友人に
再び会うチャンスが来ないかも知れないわけです。

たけしは迎えに行きさえすればいい。
その後のスケジュールもあるわけではないのですから。

それに待ったといっても2時間半でしょ。

150分

同じ事象に対して異なる意味づけがなされます。

友人は「遅れていない」と思います。
私は「遅れた」と思います。

友人にとっては、遅れた、遅れていない、ではないのです。
迎えに行ったか?行かなかったか?なのです。


受け手志向のコミュニケーション

コミュニケーションで
言った、言わないの水掛け論が
なされる場合があります。

ミスコミュニケーションが起こる根本原因に
単に「言った」「言わなかった」ではなく、
そのコミュニケーションに対する
「意味」が異なる
ことがあります。

親が子供に
「お前のことを思ってるから言ってるんだ!」
と言い、

子供は親に
「思ってるなら、好きなようにやらせてくれよ!」
と答える。

コミュケーションの送り手である親は、
心配して気遣って言ったつもり。

受け手の子供は、
親が思い通りにしようとして反対している

受け手である子供が「意味づけ」しているのです。

つまり、コミュニケーションに対して
送り手と受け手が異なる意味づけをしているために
このようなことが起こります。

コミュニケーションは受け手が意味づけする

これは、
ビジネスにおける顧客へのコミュニケーションでも
家庭での夫婦や親子のコミュニケーションでも
当てはまる原則です。

相手に伝わるように
コミュニケーションをとるためには、

送り手が「唯我独尊」になっていないか
「伝わっているはず」と思い込んでいないか

しっかりと確かめたいですね。


あなたの思いが、受け手に伝わりますように!


最後までお読み頂きありがとうございます。


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