あなたの「ハイパフォーマンス」を妨げるもの...(4)不適応的完璧主義
(写真は米国オアフ島東部のビーチに打ち付ける波:2021年1月撮影)
ハイパフォーマンス・コンサルタントの髙澤健です。
あなたが「最高の自分」に向って成長し続けるために書いています。
いきなり「あなたが『最高の自分』に向かって成長し続けるため」なんていわれても、頼んでいないのに...
人はだれでもこの世界に計り知れない潜在能を持って生まれてくるのだと思います。そして、生まれると様々な面で「成長」していきます。
これは「いのち」の方向性とでも言えるでしょうか。
そして、どのように成長するのかといえば、潜在的に備わっている「最高の自分」に向かって成長するのだと思います。全人類が一つの型に向かって成長していくわけではないのです。
加えて、ゴールも違えば、その道のりも違う。ペースも違うし、その旅路の長さも違うのです。
そして、成長し続けることを妨げるものは、究極的に言って「自分自身」。
そんなことから、このシリーズでは、成長し続ける道中でアウトプットする「ハイパフォーマンス」を妨げるものを一つずつ取り上げて、ご一緒に考えています。
前置きがずいぶん長くなってしまいました。
今回は「不適応的完璧主義」です。
「不適応的完璧主義」って?
完璧主義なら知っているけれど、「不適応的完璧主義」って聞いたことないという方もいらっしゃるかもしれません。
(「いや、私よく知っています。説明もできます。」という方は、上の目次から次のセクションに、ひとっ飛びしてくださいね)
完璧主義と聞いて、積極的・肯定的な面を思い浮かべるでしょうか。消極的・否定的な面が思い浮かばれるでしょうか。それとも、その両面でしょうか。
完璧主義には正と負の両方があると言われてきましたが、1990年代からの様々な研究によると、積極的・肯定的な完璧主義を「適応的完璧主義」、消極的・否定的な完璧主義を「不適応的完璧主義」と二つに分類するようになったようです。
<適応的完璧主義>
・理にかなった高い目標を持っている
・秩序だった計画的な行動をとり、積極的に努力する
・人からの評価を過度には気にかけない
<不適応的完璧主義>
・理不尽な高い目標を持っていて、時としてそれに気づいていない
・完璧な結果を求め、失敗を過度に恐れている
・自己批判的で、人からの評価を常に気にする
「ハイパフォーマンス」という考えが妨げ?
「不適応的完璧主義」が「ハイパフォーマンス」の妨げであるというより、「ハイパフォーマンス」が逆に「不適応的完璧主義」を助長しているのではないか、そう思えるかもしれません。
理不尽に高いパフォーマンスを求めさせることにより、かえって失敗を恐れさせ、人目を気にさせているのではないか。
しかし、「ハイパフォーマンス」は、理不尽な要求を自らに課すものではありません。その時々に出すことのできるベストのパフォーマンスということなのです。
私自身2016年に突然腎臓の難病にかかり、9回の入退院をくり返し日常生活もままならない時期がありました。(詳しくはマガジンをご覧下さい)
この時には、食べる、休む、以外に一日に一つのことだけしかできない時期もありました。闘病中の日々の思い巡らしを短く英語のエッセイにして毎日配信することが、その一つのことでした。
しかし、その一つのことが当時の私の「ハイパフォーマンス」であったことを元気になった今、あらためて思うのです。
そのたった一つのことを行う経験を通して、思いを文章に表して人々に配信することの意義、そして、それがどれだけ自分を前に向かわせる力となるのかを学びました。
また、開示した自分の苦しみが、どれほど他の人を勇気づけたり、励ましや慰めになるかを学んだのです。
その時の自分にとってのベストを尽くすこと。これが「ハイパフォーマンス」なのです。
「不適応的完璧主義」の妨げ
「ハイパフォーマンス」を発揮するためには、現在の自分に対して極端な否定も肯定もしないことが助けになります。「最高の自分」に向かって成長し続けることを意識しつつも、現在の自分を受け入れている、認めていることが助けとなります。
自分はダメなのだ、周囲からも認められていない。
そんな思いが今の自分を受け入れる妨げとなります。そして、理不尽な要求を自らに課して、その「完璧」な状態に圧倒されて、前に進めなくなってしまうのです。
また、「完璧」でなければ愛されない、と自分で自分を責めてしまうことさえあるでしょう。
いうまでもなく、このような状態になると「ハイパフォーマンス」は引き出されることはありません。
終わりに
自分にまっすぐに向かい合って、力むことなく自分の中に備わっている「成長の力と方向性」を信じましょう。
たとえ失敗したように思える時にも、心配することはありません。
「理不尽な完璧」や「周囲から課された完璧」を目指してガンバる必要はないのです。
私たち一人ひとりは、自分に与えられている「最高の自分」に向かって成長するようにできているからです。
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