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ウチの商品にはストーリーがないんだ...なんて絶対にないはず!

(写真は沖縄美ら海水族館のマンタ<イトマキエイ>:2022年3月撮影)

ストーリー(物語)はビジネスでますます重要視されています。

ナレティブマーケティングとか、ストーリーマーケティングという言葉にもあるように、マーケティングの手法として私たちの周りに溢れています。

認知のためにも、差別化のためにも、顧客のロイヤル化のためも、お客さまの「共感」してもらうことが不可欠ですね。

「共感」しやすいのが、ストーリーです。

テレビCMなどもストーリーで溢れています。

これを読んでいるあなたの周りにはいませんか?こんな感じのことをつぶやいている方。

「ウチはB to Bで、部品製造だからストーリーがないんですよね〜」とある経営者さん。

「え〜、開発ストーリーと呼べるようなものはないんです」とアパレルメーカーのオーナーさん。

こんな声を聞く度に思うことを今回は考えてみます。

人生はストーリー

きっと、人生ってストーリーだなぁって思った事が一度ぐらいは、あるはずです。

私の性格もあるのですが、私は連続ドラマをほとんど見ません。それは、毎日の生活が、私にとってはまさしく「ドラマ」のように感じられるからです。

でも、それが外国のドラマシリーズであれ、日本の朝ドラであれ、ドラマが好きな人はドラマを観ながら「共感」しているのではないでしょうか。

「共感」。それも、ドラマのストーリーに自分自身の心が「共鳴」しているから次回を楽しみに、また次のシーズンを心待ちにするのです。

小学校の理科の授業でやった「共鳴」の実験を思い出します。

同じ振動幅の音叉おんさを二つ用意し、どちらか一方を振動させると、もう一方の音叉おんさが振動し始めると言うものです。

それと同じように、ドラマのストーリーに実際には重なり合っていなくても、私たちの心の内に波長が同じ部分があって、振動し始めるということがあるのだと思います。

私たちの心の内に同じ波長、同じ振動幅があるからこそ、「共感」するのです。

つまり、私たち一人ひとりは自分の中に「ストーリー」を持っているのです。

もう少し踏み込んで言うと、そのストーリーの主役は、他でもないあなた自身。

そして、今もそのストーリーは続いているのです。

それは、プライベートだけのものではなく、職場やビジネスを通しての様々な出来事や人間関係の中にも流れています。

ですから、どこからか気の利いたストーリーを探してくる必要はないのです。

ストーリーを掘り起こす

自らの内にあるストーリーを「探し出す」という言葉は相応しくありません。「探す」という言葉の中に、そこにはない可能性を含んでいるからです。

そこで「掘り起こす」という言葉のイメージを持ちたいのです。そこには掘り起こそうとする何かが存在しているのです。

調査隊が歴史的遺跡を発見し、発掘作業をするイメージです。

遺跡よりも、まだ知られていない恐竜の化石の方だと、わくわくするかも知れません。

「掘り起こす」時には、恐竜であれば骨の一部がまず見つかって発掘作業をするのであれば、身体全体の骨を探そうとします。

ストーリー発掘作業も同じです。

きっかけの最初の「骨の一部」は、先程の音叉おんさの例を使えば、「振動」です。

この時に過去の事実だけを、ずらりと年表のように拾い集めるようにするのではありません。

まずは、「心の振動」をヒントにしてみましょう。

商品を開発するプロセスの中で、様々な出来事があったでしょうが、そのプロセスの中での「感情」に注目してみましょう。

単に「達成感」「充実感」とうまくいった時の「感情」のみを発掘しないようにしましょう。

  • 苦しかった

  • 悩んだ

  • あきらめそうになった

  • もうダメだと思った

  • 途方に暮れた

そんなネガティブな感情も拾ってみましょう。

そこから、発掘作業を始めることができます。

どうのようにその状態に至ったのか?そして、その状態からどのようにして次へ向かったのか?

その前後を「掘り起こし」てみましょう。

きっとストーリーが掘り起こされてくるに違いありません。

そこには彩られた織物のように、いくつもの美し糸が重なり合って美しい模様を紡ぎ出していることでしょう。

ストーリーを伝える

そのようにして、「掘り起こし」たストーリーを他者に伝えることができるようにしましょう。

長編映画を作ってストーリーを伝えるのであれば、いくつものストーリーラインを織り交ぜても良いかもしれません。

しかし、ビジネスでストーリーを使う際には、メッセージを一つに絞ってそのメッセージが伝わるようにストーリーを整える必要があります。

そのためには、そぎ落としてシンプルにする必要があります。

様々な方法がありますが、とてもシンプルなものを一つだけ紹介します。

  1. 過去

  2. 現在

  3. 未来

自分の身の回りにあるものを一つ選んで、このフレームを使って3分で話しをする練習をするとコツがつかめます。

その時に過去、現在、未来についてこのような質問に答えるようにするとやりやすいかも知れません。

  1. 過去:それはどこから来たのか?

  2. 現在:それは今どのような意味をもっているのか?

  3. 未来:それはここからどうなっていくことを望んでいるのか?

練習では感動ストーリーを造りあげようとする必要はありません。

二人一組で3分づつストーリーを紹介し、聞いたいた人がフィードバックをします。

そのストーリーを聞いて、何を感じたのかを相手に伝えあいます。

ここで大切なのは、未来を含むことです。

ビジネスであれば、ビジョンやミッションとの関わりの中で、顧客など伝えたい相手にメッセージをストーリーとして伝えるわけです。

ロゴマークやキャラクターなど目に見えるものもストーリーを伝えるために有効です。

ヤマト運輸のクロネコのストーリーは有名です。

まとめ

AIを駆使したビジネスが進む一方、「共感」を呼ぶストーリーの重要性は一向に衰えるばかりか増す一方です。

あなたのストーリーは、世界に一つだけのユニークなストーリーです。そして、そのストーリーは「共鳴」を引き起こし、「共感」を呼んでさらに、うねりとなるのです。

物語の語り部になって、素晴らしいストーリーを紡いで参りましょう!


最後までお付き合い下さりありがとうございます。





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