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あなたの「ハイパフォーマンス」を妨げるもの...(9)集団主義と個人主義

(写真はカリフォルニア州のレストランの庭で見つけた花:2021年8月撮影)

ハイパフォーマンス・コンサルタントの髙澤健です。

あなたが「最高の自分」に向って成長し続けることに役立ちたいと願って書いています。

今回は前置きをうんと短くします。

「ハイパフォーマンス」を妨げるものを一つずつ取り扱ってきましたが、今回で9回目となります。

今回の「ハイパフォーマンス」には「集団主義と個人主義」です。


日本という文化での「集団主義」

日本は「集団主義」の国として知られています。

日本人が絶えず周囲を気にかけて自らの行動を制御する習性を知ると、外国人は一様に驚きます。

リモートワークによる在宅勤務など働き方が多様化してきているとはいえ、現在でも周囲の同僚や直属の上司が、残業をしていると自分だけ「お先に」とは言いにくい雰囲気のある職場は、まだまだ少なくないのではないのでしょうか。

ある米国企業の日本支社長が、米国から赴任して間もない頃「『出る杭は打たれる』ということわざは、何のためにあるのか?」と訊ねてきたことがありました。

周囲よりも抜きん出るような活躍をすることは大いに奨励されるべきなのに、どうしてそれを周囲と同じレベルに下げなければならないのか、という疑問でした。

「差し出たことをせずに、周囲との調和やチームワークを大切にすることで、チーム全体としてはより良い結果をもたらすこともあるからです」などと説明し、そして、動き始める前に集団が一致するためにコンセンサスをとるなど集団主義の良い面をお話ししました。

日本人が「集団主義」的であることは、説明するまでもないでしょう。

それでは、「個人主義」についてはどうでしょう。


日本という文化での「個人主義」

グローバル化により、欧米、特に米国の価値観や制度が流入され、企業においても成果主義制度が取り入れられつつあり、個人を組織よりも重視する傾向が、徐々にではありますが浸透しつつあります。

学校教育の現場でも多様性を重んじて、個性を大切にする方向に動いてきているように思われます。

欧米からの影響であったにせよ、元来の文化的背景が全くことなる日本社会において、個人主義に対するイメージが米国のそれとは全く異なるようです。

「個人主義」という言葉が、他のどのような言葉と一緒に用いられているかを調べた結果、「不幸」や「わがまま」、「孤独」といった言葉と共に比較的高い割合で用いられることがわかったそうです。

概念ではなく「個人主義的な人」のイメージを調べた調査によれば、「独立した自由な人」というポジティブなイメージと「他者との関係性を損なっている人」というネガティブなイメージの両方を持っているようです。

移民によって建て上げられた国である米国は、文化背景の異なる民族が社会を形成しています。

そのため、個々の個性をユニークなものとして尊重し、個々の役割を明確に意識した上での集団、チームであるので、「わがまま」や「孤独」といったイメージを余り持たないように思います。


「集団主義と個人主義」の妨げ

それでは、この相反するように受け止められる二つの考え方が、どのように「ハイパフォーマンス」の妨げになるというのでしょう。

ハイパフォーマンス」は一人ひとりの「最高の自分」に向かうプロセスの中で発揮されますから、周囲の人と全く同じ行動になるとは限りません

その時、その場面での自分にとってのベストな貢献をするのですが、それが「集団主義」の悪い面、すなわち「同じ」にしなければならない。出る杭になってはいけないと、自らにブレーキをかけてしまうことがあるのではないでしょうか。

他方、「ハイパフォーマンス」を発揮する時に、全く周囲を気にせず「個人主義」の悪い面がでてしまうこともあるのではないでしょうか。

チームや組織と協働する場面で、自分の強みを活かした「ハイパフォーマンス」ではなく、周囲との協調を欠いたパフォーマンスに走ってしまうことによって「ハイパフォーマンス」が発揮されないことがあるのです。


まとめ

集団主義が良くて、個人主義が悪いと言いたいのでも、またその逆を言いたいのでもありません。両方とも「ハイパフォーマンス」の妨げにもなり得るし、推進力にもなると思われます。

日本のグループやチーム、企業や地域など大小の組織において、現在「集団主義」と「個人主義」が、河口における真水と海水のように入り交じっています。そのことに対する人々の意識も様々です。

今後もこの状態はダイナミックに変化していくように思われます。

その中で、自分にとっての「ハイパフォーマンス」は、「集団の中の個」としての自分によって、自分を含んだ「個の集まりとしての集団」の中において発揮されることを意識しながら、「最高の自分」に向かって成長していきたいと思います。


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