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今までの人生55(悪夢からの現実5)

遺品整理中に出てきた
多分若い頃から父が大切にしていただろう
ハガキくらいの大きさの
パスケースのような財布のようなもの

母とデートでもしたときに撮ったのだろうか
モノクロの二人並んだ写真。
カラーだけどだいぶ色あせてきている
父と母の結婚式の母だけが手を引かれて
歩いている横顔のアップ写真。

・・・
・・・
・・・
母が私を産んで帰宅し
父に抱かれて三人で誰かに撮ってもらった
自宅での写真

私のアルバムの中にもある写真だ。
若い母とまだ中肉の父。
父の腕に抱かれている赤ん坊の私の写真。

自然と涙が出ていた。
母もウルウルしていた。

母は私の背中をいつものようにさすり

(もういい加減解ったでしょう?
お姉ちゃんはお父さんとお母さんの第一子で長女。
貧しくてもどれだけ大切に思って育ててきたか。)

と語りかけているのが伝わってきた。
私の静かな涙が治まるまで
母は背中をさすっていてくれていた。

不思議とこの出来事が
私は父と母の実子だと思えるようになった。

私は実の子なんだと安心しその後の元日は
穏やかに過ごせた。

必要な書類の準備も終わったため
母の住民票戸籍謄本は母の書類ケースに入れられ
私が目にすることはなかった。

穏やかに過ごせた残りの元日にも
夜はやってくる。

私は本当に寝るのが嫌だった。
また夢を見るかもしれない。

それでも薬はちゃんと飲むと決めた日から
眠剤もちゃんと飲んでいる。
もちろん飲んでいても眠れない時もあったが
この日は泣き疲れたのもあったのか
いつの間にか眠りに落ちていた。

やはりを見る。
私が覚えてないくらい小さい時の夢。
私が熱をだして父に抱かれ
病院に駆け込む夢だった。

麻疹(はしか)だったらしい。

夢の中で
麻疹って一回かかったら
もうならないんじゃなかった?
中学生の時に軽い麻疹にかかっているのになぁ。
と思いながら目を覚ます。

すでに起きてコーヒーを飲んでいる母に聞く。

「私赤ちゃんの時麻疹にかかってるの?
 中学生の時もなったことあったよね?」

「覚えてるの?」

と驚く母。

「いいや覚えてないよ?夢で見たから・・・」

驚いたような不思議そうな顔をして
母は話してくれた。

「赤ちゃんの時だったから
 ギャンギャン泣くし体を掻くし、
 本当にあの時はかわいそうだったんだよ。」

「麻疹や風疹・水疱瘡などは一度なっても
 またなる人もいるらしいよ。
 だからお姉ちゃんの中学生の時は
 症状軽かったんだと思うわぁ。」

そうなんだ・・・
自分の記憶にない夢。
記憶にない自分の赤ちゃんの頃の夢を見たことで
私は何故か安心した。

戸籍謄本のことはもうこの時
頭から抜けていた。


今日はここまで


今日は少し暖かい。
といっても最高気温+1℃最適気温-3℃
-3℃は雪国では暖かいほうの冬だ。
いい加減少し部屋を片付けよう。

30代後半でうつ病になり、 病気になった原因や、 51歳を機に第二の人生を歩もうと未来を望むことを決めた、 これからのことを綴っていきたいと思います。