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【税効果会計101】〜会計と税務の考え方の違いとは〜USGAAP、IFRS対応

1はじめに

会社は、利益を出したら当然「法人税」を納めなければいけません。ここで、出てくるのが「税務」の論点です。会計と税務は切って離すことはできません。しかし、会計は理解できても、税務、もしくは両者の繋がりの理解に苦労する人は少なくありません。基本的な考え方が、両者でことなり、多くの人が混乱をしてしまいます。

今回は、実務で理解が必要な方に加えて、簿記2級以上、USCPA、公認会計士受験予定の方等に向けて、税務と会計の相違点と、「税効果会計」というものについて、基本的な考え方をお伝えいたします。

2会計上の「利益」と税務上の「所得」の違い

先ほど、会社は「利益」を出せば、法人税を納める必要があるとお伝えしました。当然ですよね?では、納めるべき、税金の「額」は、どのように、計算するのでしょうか。

「そんなの、簡単、簡単!今年度の税引前当期純利益に、税率をかければ、いいのでしょう?」

「例えば、税引前当期純利益が、1000万円で、実効税率が30%だったら、支払い法人税は300万円か!!」

こう考えれば、非常にシンプルですよね!?

ですが、残念なことに、そんな簡単には行きません。

税金は、原子となる数値に税率をかけて、その額を求めるのは、勿論その通りなのですが、税務上その原資となる「課税所得」というものは、会計上の概念である、「利益」とは、似て非なるものです。利益から税務上必要な調整を加えて、「課税所得」の額を導き出すまでの一連の手続きを、「税効果会計」と言います。では、どのような調整がなされるのでしょうか?

3益金算入・不算入、損金算入・不算入とは?

税効果会計における「調整」について考える際、まず収益、利得のような、①所得を減らすようなもの、となるようなものと、費用、損失のような、②所得を減らすようなもの、の2つに分けて考えます。

まず、①の中でも、制度会計上、今期に計上するものであっても、税務上は課税所得に加えることができないものや、制度会計上計上がまだでも、税務上は益金とする項目があります。。前者を「益金算入」項目、後者を「益金不算入」項目、と呼びます。

同様に、②の中でも、税務上、所得を減らすことができるものと、できないものに分けられます。前者を「損金算入」項目、後者を「損金不算入」項目、と言います。

これらを全て、加味し、会計上の利益から足し引きの調整をすることで、「課税所得」を導き出すことができるのです。

それぞれの会計基準ごとに、益金算入、益金不算入、損金算入、不算入となる項目がことなりますので、実務もしくは試験で必要な会計基準の、それぞれの具体的な該当項目を一通り、覚えておくことをおススメいたします。

4繰延税金資産と繰延税金負債とは?

ここまでで、課税所得の計算の仕方は分かりました。ですが、ここで一つ疑問が残りませんか?税務上、調整の対象となった、項目の行方はどうなるのでしょうか。まず、項目によっては、調整後、将来なんの影響も与えないもの、いわゆる、会計上の利益と課税所得の間に差異を生じさせ、その差異は一生解消されない項目を、「永久差異」項目と言います。

ですが、実際は、差異は将来解消される項目の方が多いです。一時的な際で、将来その差異が解消されるものを、「一時差異」項目といいます。益金算入、損金不算入項目のように、一時的に課税所得を増やす(=税金を増やす)項目は、将来の課税所得を代わりに減らしてくれます。そのため、将来控除できる税額分を計算し、繰延税金資産として、資産計上をします。「先に泣いて、後で笑う」と覚えます。

その一方で、益金不算入、損金算入項目のような項目は、将来の課税所得を増やすものなので、繰越税金負債、という負債勘定科目を計上します。こちらは、「先に笑って、後に泣く」と覚えれば、理解しやすいです。

5まとめ

この記事で触れたのは、税効果会計の入り口に過ぎませんが、これから実務、試験のため、もしくは一般教養としての知識として、理解をさらに深めていくにあたっての手助けとなれば、幸いです。

お読みいただき、ありがとうございました!


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