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vol.144「ルールを秘匿されてやる気が出る場合、出ない場合。ちがいは何か。」

前回の、仕事でも遊びでも「自分が何というゲームに参加していて、そこにはどんなルールがあるのか」を把握しておこう、というお話。

参加しているゲーム(勝負事)はどんなルールで動いているのか、自分自身はどんなときに「面白い」と思えるのか、理解して言語化しておくことはとても重要だと思っている。
私の場合は、①行動次第で結果が変わる、②リターンの上限が決まってない、③思い通りにいかない、④同じことが起こらない、の4つぐらいに集約できる。
特に「思い通りにいかない」は、ゲームに必須の共通項である。すべて思い通りに行くとぜんぜん面白くない、
という主張でした。

◆思い通りにいかないこと が楽しめる場合。

結果が流動的でリターンの上下限が決められてなく、思い通りにいかず同じ場面が起こらない。かつ、自分一人では決まらず、登場人物、利害関係者が多く複雑である。取り扱うリスク/リターンの規模が大きい―。
面白さ/エキサイティングな条件を満たす代表が「仕事」です。

仮に私たちの仕事が、【今と同じ報酬】で、「朝から夕方まで・月から金まで、座って何もしなくていい(or 100%実施可能な単純作業を繰り返す)」だったら、精神的におそらく耐えられないと思います。

また、「ゲームのルールがすべては明かされていない」「ルール変更が定期的に(理不尽に)起きる」のも「仕事」の特徴です。
「商談が絶対に成功する」「この育成プログラムは必ずスキル習得できる」といった"魔法"は存在しない。ビジネス書やセミナーで学ぶように、「こうすればかなり確からしい」スキルや手法はあるけど、「必ず」はない。
だから決して上限に行き着かない。「レベル99になったからやることがない」は起こらない。
新たな失敗やトラブルが起きる。「見たことのないモンスター」「新たな洞窟や宝探し」が登場する。

「ドラゴンクエスト」のようなテレビゲームとの最大の違い、「市場の変化や技術革新など、ルール(法則性、攻略法)が部分的に秘匿されている」から、仕事は面白い。飽きない。
仕事の中の重要なパート「人材育成」も基本的な構造は同じで、①終わりがない ②上限がない ③思い通りにいかない ④万人に効く処方はない から面白い。エキサイトする、と考えています。

私は「育成」「次の世代の成長の手伝い」が好きで、優先度が高いので、研究・試行錯誤してるほうだと思っていますが、法則①②③④に、今のところ例外がない。

思い通りにいかないこと、特に「ルールが秘匿されていること」は、面白さを生む条件だと言えます。

※前回挙げた魚釣りをはじめ、世界中で行われている「狩猟」もこの要素が大きい。「食料を得るため」「殺生を楽しいと思う本能があるから」もあるだろうけど、「思い通りにいかない」「攻略法が完全に解明されてない」から、やめられないのだと考えています。

◆「ルールを秘匿されることが楽しくない」場合。

「仕事」「狩猟」に代表されるように、「ルールが秘匿されていること」は、面白さを生む条件です。ただし例外もあります。

たとえば、会社の上司なり上級管理職が、何かあると叱責したり怒鳴ったりする。細かい指摘をして仕事を差し戻す。
誰だってイヤですよね。いわゆるパワハラ(ハラスメント)上司です。

ではこれに加えて、「機嫌のいいときは調子よく話す。ただしいつ機嫌が悪くなるかわからない」「仕事をほめることもある。けなすこともある。違いはわからない」だとどうでしょう。
「機嫌のいいときもあるからだいぶマシだよね」、となるでしょうか。おそらくならないと思います。
「不機嫌になるポイントが不明、何を基準にけなすのか不明」は、けっきょく四六時中 気をつけることになる。「どこに爆弾が埋まっているかわからない地雷原を歩かされる」のと同じだからです。
(注:「特定の個人にだけ厳しい・怒鳴る」はさらに問題外ですが、ここでは上記の比較に焦点を当てています)

態度や判断に一貫性がない、ツボがわからない管理職は、メンバーに無駄な緊張を強いる。メンバーから見て「思い通りにならないからこそ面白い」とはなりません。
「ルールを秘匿しているのが身内。見えている人間」だからです。

前に挙げた「仕事=市場の変化や技術革新」「狩猟=獲物は決して思い通りに動かない」は、いずれも「ルールを秘匿しているのが外部、自然または市場=環境」だから面白い。公正さが確保されている。

「機嫌のツボのわからない上司」は、「ルールを秘匿しているのが身内=内部要因」だからストレスになる。公正さが保たれていない。ルールを勝手に握られ操作されている不快さ。「自然環境」に対して「不自然な恣意」だからです。


同じ「ルールが秘匿されている」のに、面白さを増す場合と、ストレスを増す場合を考えてみました。
次回は「ルールは、自分でつくると楽しい」について整理してみます。

最後までお読みくださりありがとうございます。



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