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vol.143「いま参加しているゲームはどんなルールで動いているか?と考える。」

仕事でも遊びでも、「自分が何というゲームに参加していて、そこにはどんなルールがあるのか」を把握することは、とても大切だと思っています。


◆はまらなかった「ゲーム」。

競艇場に、一度だけ行ったことがあります。
「そういえば、中はどんなことになってるんだろう」と、暇な週末に、一人で偵察。

ルールがよく分からず、適当に100円(最小単位)で買ってみた投票権が的中。それが30番人気の券であると、当たってから知った。
競艇のレースは6艇で行われ、1位と2位を当てる。順列だから6×5で30通り。30番目はすなわち一番オッズの高い券。いわゆるビギナーズラックというやつです。
競艇は結局その一回きり。パチンコ、競輪も同じで、それぞれ一度、人に連れていってもらったものの、なんだか知らないうちに終了した。※パチンコでは連れに「これ、いつやめたらいいですか?」と尋ね、「うん。それは自分で好きに決めるんだよ」と苦笑いされたものだ。

これらのギャンブルに、いわゆる"はまらなかった"のは、根が真面目だとか、しっかりしてるとかではなくて、面白さが理解できなかったから。
要因は2点あって、
① 自分でコントロールできる要素が(ほぼ)なく、運任せであること
②リターンの平均期待値が固定されている。かつ、1.0未満であること
だと今では説明ができます。

この「工夫で結果を動かせる余地がなく(※)」「リターンを他人が設定している」のは、脳が興奮せず、意欲をそそられないシステムです。

※パチンコは技術の介入する余地があるのだと思います。親戚の叔母さんが「トータルで勝ってるよ」と言ってたのを記憶している。

◆はまったゲーム。

逆に、はまったゲームでいうと「釣り」です。
東京に住んでいたころ、「隅田川・徒歩・ルアーでスズキ釣り」に集中してやっていました。
釣りは、
① 研究と試行錯誤で結果が変えられるゲームで、
② リターンの期待値が固定されておらず、
また
③ 思い通りにならない要素があって、
④ 完全に同じ状態は二度と起こらない
から構成されるシステム。

調べたり試したりすることで結果が変わると、意欲がわく。
特に「思い通りにいかない部分がある」は、「面白いゲーム」に共通の、最大の要素だ。野球も、サッカーも、ポーカーも将棋も、スーパーマリオブラザーズも、突きつめると「思い通りにいかない」から歴史上のロングセラーになっている。

<ゲームの分類例>
①自分一人の行動でスコアが決まるゲーム。
 ボーリングのストライク、センター入試の点数、ゴルフのスコア、マラソンのタイム、水泳の距離。
※現実には周囲からの期待、善意や悪意や、競争相手の挙動に影響を受けるけど、ここでは単純化しています。

②自分の行動+相手の行動でスコアが決まるゲーム。
 サッカーのPK戦、格闘ゲーム、選挙の当落、営業成績、恋愛や結婚、魚釣り。

①②は、ほかのプレイヤーの成績が自分の成績に影響しないゲーム、影響するゲームと言ってもいい。

◆最大の「ゲーム」。

研究と試行次第で結果が変わり、リターンの上限が決まってなく、思い通りにはいかず、同じことは起こらない―。
いちばん身近で、最大のゲームは、やはり「仕事」だと思います。

よくも悪くも入力次第で結果が変わる。リターンの上限もリスクの下限も決まっていない。思い通りに行くこといかないことがある。二度と完全に同じ場面に遭遇しない。
自分一人では決まらない。顧客か、競争相手か、協業するメンバーか、とにかく必ず相手がいる。
そして、賭け金が個人のレベルとは全然違う(ギャンブルをするしないの話ではなく、扱える金額、発生させる)

「どういうルールだから、どれに注力して、何は捨てるのか」をつねに考えさせられるのが「仕事」です。

「ゲームのルールがすべては明かされていない」「ルール変更が定期的に(理不尽に)起きる」のも、「仕事」の特徴だと思います。「ドラゴンクエスト」よりはるかに面白いのは、「ルールも部分的に秘匿されているから」。
完全に秘匿されていたらやりようがないし、すべて開示されていたら面白さがずっと小さくなる。
仕事とはそういうものだと考えています。


ルールを秘匿されるから面白い(エキサイトする)場合と、秘匿されるから楽しめない(萎縮する)場合とがあって、前者と後者の違いについて、次回整理してみます。

最後までお読みくださりありがとうございます。


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