陶を学ぶ。
だいぶ…
場違いな気がする。
「奨励賞」をいただきまして、表彰式があるとのことで、そして「審査員と語る会」の案内のままに出向いたわけです。
そこには、錚々たる審査員の方がいらして。
各受賞作品についての、ここがすばらしく、ここがとても残念で、というシビアでニッチな時間があった。
専門家たちで成り立つ会話。
陶芸の部の入賞者な立場で、私は今回いられたわけだけれど、指摘される箇所や評価される部分は、プロの言葉だった。
プロだ…。
細部にまで手間を惜しまずに、表現を追求する姿勢、片手間では見破られるのだ。
「このお皿の凹みはわざとですか?」
審査員の先生は、絵柄云々と同じく、皿の隅々までの表現を見る。
「欠けた箇所がありまして。それを自然にするために削りを入れました」
「やっぱり。不自然ですものね」
自然に欠けた箇所も、削りを入れた箇所も、見破る目をもって。
「筆運びは、
とても慣れていらっしゃいますね、
迷いなく描かれています」
楽しかったんです。
「楽しかったのですね!とてもわかります。
とてものびのびと描かかれていて。」
漆黒の渦巻きの陶芸を、あの曲線美を作り出す先生は、そう言ってくださった。
周りには、10年連続出展しているけれど、という方々。真摯に向き合い、厳かな制作を続けていらっしゃる方々だ。
私など、うっかり迷い込んだ冒険者だ。
それでも。
ぜひ来年は、器から手作りの染付や絵付を施したものに挑戦なさってみるといい。
綺麗にまとめず、「叱られるかも」くらいにやってしまえばいい。
とまで言ってくださった。
自分勝手にしてきたこと。
その表現の良し悪しが浮き彫り、かつ跳ねさせる意欲を、土や絵具に挑む勇気を、空間ごと教えていただいた。
春になったら、
また、ろくろをひきにいこう。
「また来いや」
と80も過ぎた陶芸家の先生が
バシン!と肩を叩いてくれたから。
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