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経験がなくても大丈夫! 短期間で文章力を身につける5つの方法


こんにちは、フリーライターの少年Bです。

ライターを始めてまもなく3年。おもしろ記事から始まって、散歩にグルメにメンタルヘルス、旅行やインタビュー、果ては農業に採用、教育まで……ジャンルを問わず雑多にいろいろ書かせてもらってます。何でも屋にもほどがありますよね。「専門性」って言葉がここまで通じないライターもそうそういないんじゃないかしら。

自分ではもうちょっと専門性が欲しいな~!と思ってるんですが、周囲の人には「ライターを始めて3年で、どうしてこんなに多くのジャンルで記事を書けてるんですか!?」と驚かれることもあります。

「じゃあ、あなたには文才があったんでしょう」と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。ないからしょっちゅう苦しんでるんです……

でも、文章力を身につけるために意識していたことはあります。ポイントはたったの5つ。駆け出しのライターさんや、ライターになりたい人に向けて、これからひとつずつ説明します。

①想定読者を設定しよう

これ、ライターさんならだいたいがやってることだと思いますが、改めて説明します。

「あなたの文章は誰に読んでもらいたいですか?」

この質問は、すべての文章の基本だと思っています。


当時のわたしはデイリーポータルZというおもしろサイトが好きで好きでたまりませんでした。もちろん今でも大好きです。

そこで、デイリーポータルZの読者投稿コーナーに応募しようと思ってブログを開設したんですよね。つまり、わたしのブログの読者層=デイリーポータルZの読者になるわけです。

おもしろサイトの読者に向けて書くわけなので、きっちりした文章よりも、力を抜いた、軽い文章のほうが喜ばれますよね。また、SEOを狙いつつ「いかがでしたか?」で締めるようなブログを書いても、そういう人に好まれるわけはないな……とも考えられるでしょう。


当時のわたしは「デイリーポータルZのライターさん」5名をミックスしたような文章を書いていました。これは単に自分が好きだっただけなんですが、今思うとこれも「想定読者に合わせる」ことになってたんですよね。

よい文章の第一歩は、想定読者のイメージからです。

②自分の好きな書き手を憑依させよう

今回は「文章力」がテーマですが、そもそも文章力って何でしょうか。

簡潔でわかりやすいのがいいのか、自分の感情を込めたエモーショナルな文体が美しいのか。「詩的で美しい文章」は場合によっては「回りくどくてわかりづらい」になるかもしれません。読む人によって、評価基準はぜんぜん違うんですよね。

結局のところ、文章力の有無って「個人の好み」でしかないんです。

じゃあ、「自分にとってのいい文章」を身につけるためにはどうしたらいいでしょう。それは好きな書き手を憑依させることです。

個人的には「好きな書き手さんの記事を10本くらいじっくり見ながら」「すでにこの世に出ている記事とは別のテーマを」「その書き手さんならどう書くか想像して」「なりきって書く」のがおすすめです。


先ほども言ったように、当時のわたしは「デイリーポータルZのライターさん」5名をミックスした文章を書いていました。

一人称や語尾、記事の構成や「こう言いそうだな」って表現などを思いっきり真似て書くことで、短期間で「自分の好きな文章」が書けるようになったんです。

で、そうやってひたすら人になりきって書いていると、あるとき突然「いつもならこう書くんだけど、今日はこうやって書いてみたいな……」って欲が生まれてくるんですよね。自分の文章が生まれる瞬間です。


でも、その時にはもう基本的な構成やテクニックは身についてるので、枠からはみ出してもけっこうしっかり書けちゃうんですよね。それで「やっぱり違うな……」ってなったら、もう一度好きな書き手さんの文章に戻ればいい。

最初のころは、とにかく好きな書き手になりきって書くのがおすすめです。型を身につけてから破るのが「型破り」、初めから自己流で好き勝手にやるのは「形無し」だって、なんか誰かが言ってたような気がします。


ちなみに、駆け出しのころは憑依ネタでこんな記事も書いていました。記事中でネタにさせてもらった地主恵亮さんが書かれた記事と比べてみると……どうでしょうか。

③本数よりもクオリティ

よく「ブログは毎日更新しろ」みたいな話も聞きますが、個人的にはあまりおすすめしません。

だって、「書くこと」って、あくまでも執筆の一部分じゃないですか。レポート記事なら取材がいるし、コラムだってテーマについて考える時間が必要ですよね。書いた文章を見直して仕上げる編集・校正の時間も必要です。

わたしも中学生から社会人の2年目ぐらいまで、ほぼ毎日のようにブログやmixiで日記を書いていました。

なんだ、文章を書き始めて3年半なんて大嘘じゃないか!と怒る人もいるかもしれませんが、当時の文章はこんな感じでした。


黒歴史


キツすぎませんか、これ。

何が伝えたいのか、さっぱりわからない。自分の書きたいことをただただ書き殴っただけの日記で、よほど仲のいい人じゃないと読まないだろうな、って文章ですよね。しかも恐ろしいことに、8年ぐらいほぼ毎日のように書いてきた結果がこれなんですよ。まるで成長していない……

だから、自分の文章歴はちゃんと考えて書き始めた「3年半」と言っています。「毎日書けること」は確かにすごいかもしれないけど、「皆勤賞」以外の価値はありません。無遅刻無欠席でも、テストで0点ばかりじゃ意味がないんですよね。

なので、最初はただ書くことよりも、企画や見直しに時間を取ったほうがいいと思います。好きなライターさんの文章をじっくり読んだり、自分が以前書いた記事を見返してみるのもいいと思いますよ。

④クリエイティブという意識を捨てる

ライターという仕事においてもっとも大切なことは「伝えること」ですよね。読者にわかりやすく伝えなくてはいけません。

「わかりやすい」のかたちはさまざまです。なるべく専門用語を使わずに平易な言葉で書いたほうが伝わりますが、専門誌であれば専門用語を使わずに書くとまどろっこしいでしょう。

ライターという仕事は「クリエイティブ」と捉えられることも多いですが、個人的にはまったくそうは思いません。むしろ、わたしはライターという仕事は「プレゼン」のようなものだと思っています。


たとえば、客先でプレゼンを任された場合。お客さんに「これはいいものだ」と思ってもらわなければ、買ってもらえませんよね。

理屈でいいところをアピールしてもいいし、わかりやすく表や図解にしてもいい。情熱的なアピールやおもしろいパフォーマンスでお客さんの心をつかんでもいいでしょう。でも結局、最大の目的は「商品を買ってもらうこと」です。


記名記事を書く人気のライターさんのなかには、ものを売るためのパフォーマンスに長けたおもしろい人がたくさんいます。でも、それはあくまでも「商品を売る=記事を読んでもらう」ための手段のひとつ。「パフォーマンスをすること」が目的になってはいけないんです。

あくまでもライターは事実をわかりやすく伝えるお仕事。わたしも個性やキャラを生かした記事を多数書いていますが、それはあくまでも「対象の魅力をより引き出すための手段」。そこをかん違いしてしまうと目的がズレて、いい文章からは遠ざかってしまうんじゃないかなーと思います。

⑤友達の感想を鵜呑みにしない

友達の感想ってありがたいですよね。でも、これってすごく注意が必要です。

友達ってもうすでに関係性ができ上がっているから、あなたの意図を汲もうと努力してくれるんです。たとえ言葉が足りなくても「あの人が書いてるならこういうことなのかな?」って。これ、すごくありがたいんだけど、その優しさに甘えてしまうと、読者の読解力に頼りきりになってしまいます。

意地の悪い言いかたになってしまうけど、身内にひたすら褒められたところで、それは井の中の蛙です。それで自信がついてやる気になることも、もちろんあります。でも、あなたの目的は「友達に伝わる文章を書くこと」なのでしょうか?


ブロガー時代のわたしは自由ポータルZの講評をじっくり読んでいました。

これは初めてわたしが投稿した記事の講評です。「写真は大きく」って、あまりにも基本中の基本なことを指摘をされていますが、いちブロガーがプロの編集者から実際に講評をいただける機会なんてそうそうないですよね。本当にありがたかったです。

今でも、心に余裕がある時は記事のエゴサをしたり、ヤフコメを見たりして、読者の感想はできるだけ拾うようにしています(ネガティブな意見を目にすることもよくあるので、心に余裕がない時はやらないようにしています。自衛もだいじ!)。

もちろん、誤解や誤読をされて腹立たしい気持ちになることもあります。なんでこれで伝わらないんだよ!!!と叫びたくなることも……中にはあります。でも、それも自分の文章が読まれた結果。すべての読者が「読み解く努力」をしてくれるとは限らないんです。


伝わらなかった理由を読者に求めるのは簡単です。褒めてくれた友達の意見はもちろんありがたいですが、自分の文章力を磨くという点では「雑に読んだ人がどう思ったか」のほうが重要です。

すべての人に伝わる文章を書くのは無理かもしれませんが、できる限りそれを目指して書こうと思うと、見直しにも力が入るし、文章のクオリティは高くなると信じています。そのぶん、苦しむ時間も増えるんですけどね……

ムダな努力はしないに限る

わたしがライターとしてそれなりにお仕事をいただけるようになったのは、この5つのポイントをしっかり守っていたからです。

もちろん、人には色んな方法があるので、これがすべて正解とは限りません。合う合わないもあるし、もっと効率のいい方法もあるかもしれません。

でも、努力の方向性に迷っている人は参考にしてみてもいいと思います。間違った努力は平気で嘘をつきます。ムダな努力はやっぱりムダなんです。悲しいけど。8年間、毎日日記を書いていても、ぜんぜん文章がうまくならなかったかつてのわたしのように。

文章を書くのは大切だけど、書く以外のことも大事にしたほうがいいんじゃないかな、と思うのです。


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