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気をつけるポイントはココだ! インタビューの実力を上げる10のコツ


こんにちは、フリーライターの少年Bです。

グルメに旅行、農業に教育、フリーランス向けのお堅いメディアで書くこともあれば、散歩におもしろ記事まで……もう思いつく限り、手当たり次第にいろんなジャンルで記事を書いているのですが、どのジャンルにも共通して大事な能力があります。

そう、インタビューです。

有識者や会社の広報さん、芸能人はもちろん、サービスの開発者、グルメであればお店のかたなど、取材をされ慣れていない一般のかたにお話を伺うことも多いですよね。

インタビューは取材記事の基本といってもいいでしょう。このスキルが身についているかいないかでは、記事の単価が大きく変わる……なんて話も聞きます。ほんとかどうかは知りませんが。

では、どうやったらいいインタビューができるようになるのでしょう。今回はライター志望のかたや初心者ライターさんに向けて、わたしなりに気をつけたいインタビューのポイントを10個、まるっとまとめました。

1.できる限り情報を入れよう

さっそくですが、インタビュー相手の情報はできるだけチェックをしておきましょう。

過去にインタビューをされている記事があれば目を通しておきますし、Twitterがあれば発言をすべてチェックするのは無理にしても、ある程度までは遡って見ておきます。

サービスを提供する企業へのインタビューであればサイトを確認し、最低限「経営理念」や「お客さまの声」、「よくある質問」ぐらいは確実にチェックをしておきます。

通常の検索のほかに画像検索で調べてみると、意外な媒体や個人ブログが引っかかることもあり、これが案外重宝します。

また、意外なところではYouTubeに動画が上がっていることも。1.5倍速でさらっと見つつ、気になる部分はしっかり確認しておくといいでしょう。

インタビューの第一歩は「相手を知ること」からです。

2.情報は入れても「決めつけない」

しかし、事前にいろんなインタビュー記事を見ると、「この人はこういう人なのかな」というイメージが生まれてしまう場合があります。

しかし、媒体では編集部によって発言が編集されることが多いです。特に、新聞等では取材対象者に記事公開前の事前確認をせずに出る場合が多いようです。

また、媒体によっては記事の構成案の時点で結論が設定される場合もあります。「媒体が望む答えに近い言葉を、取材対象者に言ってもらおう」というパターンです。これはちょっと悪質ですよね……

また、本人のブログやTwitterなどでも、言葉が足りていない部分や、年月が経つうちに考えが変化している場合もあります。すべての情報は「100%取材対象者が伝えたいもの」ではない場合を考えておく必要があります。

情報はしっかり頭に入れた上で、あくまでも参考程度にしておくのがいいでしょう。

3.質問は現在→過去→未来が基本

続いては質問案を作りましょう。もちろん時と場合にもよりますが、オーソドックスなパターンはこれです。

まず、現在どのようなことをしているのかをうかがったうえで、なぜ今があるのか(過去)を聞きます。そして、今後の展望や未来で締めることで、読者にもわかりやすい構成になりますよね。

たとえば、こんな感じです。

もちろん、例外もあります。たとえばこの記事は「過去から入らないと、現在の仕事がそもそもうまく伝えられないな」と思ったので、過去を最初に持ってきたパターンです。

ただ、実はこの時も質問は「現在→過去→未来」の順に用意をしていました。

インタビューをそのまま時系列で書き連ねるだけでは、ただの「書き起こし」です。構成は執筆時に変えることもできるので、インタビューの際に取材対象者から出てきた答えに合わせて、柔軟に構成を組み替えていくことも大事です。

4.掘り下げポイントは複数用意しよう

企画を立てる時にはある程度の構成案やゴールが見えている場合が多いと思います。それに合わせて質問案を作りますよね。

ただ、実際に取材を行ってみると、「予想とはまったく違った」ということがあります。特に、いままで取材されていなかった人やサービスであれば、なおのことです。

そういう場合に備えて、質問案は「プランB」を想定したつくりにしておくといいでしょう。

たとえば、地方で大人気のラーメン屋さんに、お店誕生の秘密をうかがう取材です。

既存の取材記事もなければ公式サイトもない。いざ行ってみたら創業者は亡くなっており、当時の逸話はほとんどない……どうしましょう、これでは記事になりません。頭を抱えてしまいますよね。記事の「掘り下げポイント」は複数作っておけば、そんな時でも安心です。

たとえば、「誕生の秘密」以外にも「味は当時から変わらないのですか?」「味を守っていくことの難しさはありますか?」のような質問を入れておけば、取材対象者の答えに対して追い質問をすることで、かなり掘り下げることができます。

また、意外な答えやおもしろいエピソードがあれば、新たな切り口が生まれる可能性もあります。

企画案はあくまでも案。それにとらわれることなく、話を膨らませそうな「掘り下げポイント」は最低でも2つ、できれば3つぐらい用意しておくことで、想定外の事態にも対応できるようになります。ただし、膨らませすぎにはご用心!

5.質問案は事前に送ろう

これはよく聞かれるのですが、インタビューをする際、質問案はできるだけ事前に先方に送っておきましょう。

なぜなら、取材対象者はインタビューに慣れているとは限りません。さらに、インタビューの時間にも限りがあります。いきなり質問攻めにされてもパニックになっちゃうかもしれませんし、考えながら話していると、どんどん時間がなくなっていきますよね。

事前に質問を用意しておくことで、取材対象者もどういう話をしたらいいのかわかりますし、気持ちにも余裕が生まれます。

たとえば会社の歴史について質問する場合も、それが事前にわかっていれば広報さんがわかる人に話を聞いておいてくれることもあれば、社史を用意してくれる場合もあります。

建築の世界には「段取り八分」という言葉があります。事前準備は仕事の8割を占めるという意味ですが、インタビューも同様。いい仕事はいい準備から始まるのです。

6.インタビューでは「最初に謝る」

何を言っているんだ?と言われそうですが、実はこれが一番大事です。

今年の5月にテニスプレイヤーの大坂なおみさんが「会見場に座ると、これまで何度も質問されてきたことを聞かれたり、不信感を覚える質問を受けたりする。私に対して不信感を抱えている人たちの前には、もう出ない」と意見を表明し、賛否の声が上がりました。

実はこういう意見が出るのは初めてではありません。2020年の夏にもシンガーソングライターのラブリーサマーちゃんが質の低いインタビュアーに対して怒りをあらわにし、「同じことを聞いてくるインタビューは時間泥棒だと思う」「聞かれそうな質問とかテンプレ質問の答えはこれですって事前にPDF化して先方に渡しておくってのはどう?」とマネージャーにLINEしたことを明らかにしています。

特に取材慣れしている人の場合、「何度も同じことを聞かれる」ということに対して、大きなストレスを感じていることが多いようです。

もちろん、事前に調べたインタビュー記事で答えが明かされている場合は、あえて同じことを聞かないのも手です。でも、わたしの場合は「2つ以上の媒体で同じ答えを確認できない場合、念のために取材対象者に確認する」ことにしています。理由はもちろん、「答えを事前に決めつけたくない」からです。

そこで、最初にあらかじめ「インタビューなどをいくつかチェックをさせていただきました。ただ、確認のために、あらためて聞かせていただきたいこともあります。何度も聞かれていることを改めてお聞きしてしまうかもしれませんが、どうぞよろしくお願いいたします」とお伝えしています。

わたしはおそらく、ストレスの本当の原因は「こいつ事前に調べもせずに来てるのかよ」という気持ちではないかと思っています。なので、「ちゃんと調べているよ」という事実や質問の意図を最初にお伝えし、納得・安心していただくようにしています。

ちゃんとリサーチをしていることやリスペクトの気持ちが伝われば、基本的には取材対象者に不信感を持たれたり、不快な思いをさせることはないはずです。

また、既存のインタビュー記事より深い質問を引き出したい場合は「(媒体名)ではこのようにおっしゃっていましたが……」などと質問することで、相手に不快な思いをさせずに事実を再確認しつつ、より深い質問に持っていくこともあります。

7.リアクションは大きく

前段は取材慣れしている対象者に対する話でしたが、こちらは特に一般の方に対して大切なことです。

インタビューは、される側も緊張するものです。

面接などで緊張のあまり、話したいことを話せなかった……という経験はありませんか?同じようなことが、インタビューでも起こる可能性がありますよね。

そこで、わたしは基本的にリアクションは大きくするようにしています。元々、ライターになる前から「オーバーリアクションだよね」と言われるような人間なので、特に意識をしているわけでもないのですが……身振り手振りや相づち、表情、声のトーンなどで明るく盛り上げ、話しやすい空気を作ることようにしています。

もちろん崩しすぎてもダメですし、タメ口なんてもってのほかですが、わたしの取材に臨む態度は「仲のいい先輩に趣味の話を教えてもらう時」のような感じです。たとえば自分がサーフィンを始めたときに、サーフィン趣味の先輩に話を聞くようなイメージですね。あまりお仕事感を出さないようにすることで、取材対象者も少しリラックスできるはずです。

8.好奇心を全開にして臨む

インタビューはもちろん仕事なので、自分の興味のある話を聞くとは限りません。でも、相手の話に興味が持てなければ、深く掘り下げることなんてできませんよね。

自分は元々好奇心が旺盛なので、多少興味のないジャンルのインタビューでも、積極的に「なんで?どうして?」と質問していくようにしています。

どうしてそう考えたのか、なぜそのような方法を選んだのか。その選択をしたとき、どんな葛藤があったのか。なぜ?となに?を大事にしていきましょう。

特に取材中に「?」が浮かんだ答えは、その場で質問するようにしておきましょう。聞きづらいからとスルーしておくと、記事化するときに泣きを見ます。自分が理解できないまま文章にしてしまうと、読者には当然伝わりません。

わたしの場合はインタビューの後半、いい感じで話が弾んだときに「ちょっと答えにくい話かもしれませんが……ぶっちゃけ、○○についてはどう思いますか?」みたいなことを聞くこともあります。

もちろん記事にはならない(できない)話も多いのですが、そこまでに信頼関係ができていれば、意外と答えてくれることも多いです。これって、本来「仕事でやってる人」は聞く必要のない話ですよね。そこを突っ込んで聞くことで、相手は自分の話に興味を持ってくれているなと感じるでしょうし、その後にぽろっと素の発言をしてくれることもあります。

個人的には、こういう記事にならない部分の話を聞くのが楽しくてインタビューをやっている部分もあります。これって取材者だけの特権ですよね。せっかくの機会、好奇心を持って楽しんで臨みましょう。

9.写真撮影は最後に、取材中は役割分担を

インタビュー記事の場合、編集さんが撮影兼任でついてきてくれる場合や、自分でカメラマンをアサインして写真を撮ってもらう場合もあります。もちろん、ライターがひとりでカメラマン兼任の場合もありますが。

もし、誰かについてきてもらうのならば、撮影は極力インタビュー後にすることをおすすめします。

楽しそうな表情や目を伏せたショットなど、インタビューの内容を踏まえた写真を撮ることができるからです。また、インタビューの最中に写真を撮ると、レコーダーにシャッター音が入ってしまったり、取材対象者も話に集中できないことがあります。

特に編集さんが同席している場合は、ひとりがインタビューを盛り上げて楽しい場をつくり、もうひとりは話が脱線しないように気をつけつつ、質問の聞き漏らしはないかをチェックするというように、役割分担を明確にするといいでしょう。ひとりの場合は好奇心を大事にしつつも、ちょっと冷静でいるように心がけています。

10.インタビュー後の雑談を大事に

また、インタビュー後の写真撮影では、会話している写真を撮るために、改めて雑談をするといいでしょう。この時に、取材本編では出てこなかった大事な話がポロっと出ることも多いんです。

たとえば、フリー素材モデルの大川竜弥さんにインタビューをした際には「最近運動をしているんです」という雑談をきっかけに大川さんから「僕もジムに通っています。フリー素材として、無個性であることが使いやすさに繋がるので、太らないよう、筋肉をつけすぎないように適度にスマートな体型を維持するようにしています」という話をうかがえました。

この話、めちゃめちゃおもしろくないですか?こういうユニークなエピソード、意外と雑談の時に出るんですよね。

「オンライン取材は難しい」とよく言われますが、リアクションが伝わりにくいのと、この雑談タイムが取れないことが難しさを上げる要因じゃないかなぁ、と個人的には思っています。

まとめ

ということで、少年B流のインタビューのコツを10個お届けしました。

日常生活でなかなかすることがないインタビュー。苦手意識を持っているかたや、どうしたらいいのかと頭を抱えているかたも多いかもしれません。

もちろん「これだけやってれば大丈夫!」……とは言えないかもしれませんが、こういうところに気をつけるだけで、そこそこいいインタビューができるようになるんじゃないでしょうか。

よかったら、ぜひ参考にしてみてくださいね。


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