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ブックサロンおむすび

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ことばにできない思春期を体感する 芥川賞作家・町屋良平『しき』

ことばにできない思春期を体感する 芥川賞作家・町屋良平『しき』

大阪の梅田蔦屋書店さんにいったときに書店員さんからおすすめしていただいた、町屋良平『しき』。
『1R1分34秒』で芥川賞を受賞した作家の作品です。

おむすびポイントとしては、言葉にならない彼ら思春期のモヤモヤした気持ち、からだと言葉がうまく遭っていない感じを描き出しているところが面白いなと思いました。

あらすじはこちら

特技ナシ、反抗期ナシ、フツーの高校二年生・星崎。「かれ」が夜の公園で

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月舟町になじむまで『つむじ風食堂の夜』

月舟町になじむまで『つむじ風食堂の夜』

「月舟町」という街を舞台にした3部作の1作目。映画化もしました。
月舟町のつむじ風食堂に通うひとびとのお話。

雨降りの先生、店主、帽子屋、青年、背の高い女、体のちょうど半分のところで白と黒にわかれる猫オセロ……。登場人物たちが、つむじ風食堂のなかで会話する。話題は「二重空間移動装置」について……。そして食堂を出た先生の足下にはつむじ風が巻き起こる。

1話めをよんだときのおむすびの理解は上のよ

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はじめての川上弘美作品「センセイの鞄」

はじめての川上弘美作品「センセイの鞄」

おむすびの読んだ本紹介〜(パチパチ)

読書好きの会社の先輩に勧められて、初めて読んだ川上弘美作品、『センセイの鞄』。

60歳後半のセンセイと、かつてその教え子だったツキコさんは、偶然いきつけの居酒屋で一緒になって以来、並んで軽口をたたきながら呑み、きのこ狩りや花見にでかけるようになっていきます。その小説冒頭の文章。

 正式には松本春綱先生であるが、センセイ、とわたしは呼ぶ。「先生」でもなく、

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おむすびの具にしたい「FACTFULNESS」

おむすびの具にしたい「FACTFULNESS」

おむすびです。
最近読んだ面白い本を紹介します。

世界で100万部の大ベストセラー!
ビル・ゲイツバラク・オバマ元アメリカ大統領も大絶賛!!!!
と2019年はじめの話題作として取り上げられている
『FACTFULNESS 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』

『この本を読めば「ファクトフルネス」が身につくよ!』という本です。ファクトフルネスとは「データや事実にもとづき

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