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#オリジナル小説

願いを叶える苗木

願いを叶える苗木

『大特価!!』

そう大きく書かれた札は、スーパーの野菜売り場でよく見かける。

しかし、売られているのは玉ねぎやじゃがいもなどではない。

鉢に入った苗木だ。

願いを叶える苗木

「おねえちゃん、その苗木、気に入ったのかい?」

腰の曲がったおばあちゃんは、にんまりと笑ってそう言った。

「あ、いえ、そういうわけでは…」

「今なら税込みで9999円。安くしておくよ」

「えっ」

高っ!この

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KERRY

KERRY

僕の名前はケリー。

K、E、R、R、Y、で、ケリー。
何でケリーっていうかって?

実は、初めてもらった名前はキティだったんだ。
K、I、T、T、Y、でキティ。
お姉ちゃんがつけてくれた。
キラキラした金色のメダルに、KITTYって彫ってくれた。
で、メダルをつけた僕は、抱っこされてお母さんのところに連れて行かれた。

「ねえ!見て!この子の名前、キティにしたの!かわいいでしょ!」
「そうね…。

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勝利

勝利

俺が物心つくころには、父はすでに大酒飲みだった。

父のお気に入りの酒は、4リットルのペットボトルに入った焼酎。
それを、がばがば飲むのだ。
ラベルには父の名前、“ 勝利 (まさとし) ” が印字されていた。

「この間の腕相撲大会あったろ!あれで優勝した記念にって、2丁目の酒屋のじいさんが俺用に作ってくれたんだ!」

ある日、そう言って嬉しそうに両脇に抱えながら帰ってきた。
2丁目の酒屋のじいさ

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森のケーキ屋さん【ヘーゼル】

森のケーキ屋さん【ヘーゼル】

オレンジ色の光が窓から差し込み、テーブルが影を作った。空になったグラスとお皿を引き上げ、こぼれていたカスを拭き取る。ティータイムが過ぎると、店内はがら空きになった。

ようやく一息つける。と、ミルクティーを入れていると、ドアのベルが鳴った。

「いらっしゃいませー。あ、ヘーゼル」

「こんにちは〜、あ、もうこんばんは かな?」

きょろきょろしながら入ってきたのは、リスのヘーゼルだった。誰もいな

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あたたかいもの

あたたかいもの

「おばあちゃんとこ、今朝、雪降ったらしいよ」

廊下とリビングを慌ただしく往復する私を余所に、母は乾ききった手にクリームを念入りに擦り込みながらそう言った。次に言う言葉はだいたい予想がつく。

「だから今日は暖かくしていきなさい」

「うん、でも大丈夫」

「あんたまたそう言って。今は動いてるからでしょ。外出てしばらく経つ頃にはあっという間に寒くなるんだから。カイロだって貼るの嫌がるし、あんた寒が

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