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「復習」「反復」の大切さ

 成績が伸び悩む学生の特徴のうちの一つに,

「復習」や「反復」を嫌う

ことが挙げられます。もしかしたら「嫌い」という意識はないかもしれません。しかし,一度やっただけで満足,一冊の問題集が終わったら,間違えた問題を少し見返して次の問題集にいく学生は多いものです。そういう学生の中には,概して,勉強量に比して成績が上がらない学生が多いです。

成績を上げるためには何が大切か?

 答えは簡単です。タイトルにもあるように,もちろん「復習」「反復」です。そんなに同じものをやることって大事?って思う人もいるかもしれません。大切です。次のようなデータがあるくらいです。

東大生の反復回数は平均14回
7回以上復習している人は必ず上位3%以内にいる

つまり,上位層こそ,反復を徹底していることになります(「これだけ反復しているから上位にいる」ともいえるかもしれません)。ここからいえることは,上級者になりたければ,反復を怠らないことが重要だということです。

どのように「反復」するのか

 「こんなにやらなかったら次に進めないの?」と思うかもしれません。「そんなにやってたら,次に全然進めないじゃん」という声さえ聞こえてきそうです。個人的には,目標とする期日までの回数と考えればいいと思います。上記の例であれば「大学受験」が目標なので,1年間かけてきちんと「復習」「反復」していくイメージです。それなら楽勝じゃんと思う人もいるかもしれませんが,長期スパンで物事を考えることができるだけの計画性が求められるともいえます。

「伸びない」反復の仕方

 たとえば,1つの問題集を7回復習するとしましょう。どのように復習しますか?次のような復習の仕方をする人は伸びない人の典型です。1冊に10単元入っている問題集があると仮定します。よくありがちなのは,

1周目:1〜10章までコツコツ進める
2周目:1周目が終わったら,もう一度1〜10章までコツコツ進める
3周目:2周目が終わったら,再び1〜10章をコツコツ進める

というように繰り返し,7週するというパターンです。これは伸びない典型です。仮に,2周目に入るのが1ヶ月後と考えたとして,1ヶ月間間違えた問題を放置することになります。「間違える問題」=「苦手な問題」ですから,1ヶ月放置したら完全に忘れるでしょう。つまり,0の状態から再出発となります。3周目に入るときにも同じことが起こります。結局また0の状態から再出発となります。結局何も積み重なっていかないということになり,間違えるものはいつまでたっても間違えるというループに陥ります。だから,時間をかけた割に成績に反映されないという悪循環になるのです。

「伸びる」反復の仕方

 私は「1週間に3回反復する」ことを推奨しています。たとえば,

1日目:第1章
2日目:第1章の復習+第2章
3日目:第2章の復習+第3章

と進め,週末(土日)に1週間にやったものをすべて復習します(便宜上, 1日目,2日目と表記しましたが,人によってはこれが1日置きになったりするかもしれません)。そうすることで,1週間に同じものを3周回すことができます。簡単にいえば,

新しいものをやる前に,必ず復習し,週末にすべて復習するというサイクルを確立する

ということです。ここでいう事実上の2回目は,間違ったものだけでも構いません。ただし,週末の復習は,合っていたものも間違ったものもやります。「過剰学習」といい,「できなかったもの」だけでなく「できたもの」も一緒に復習することで一層定着が図れ,効率もいいといわれています。「できなかったもの」だけやっているとモチベーションも下がってくるので,モチベーションを保つという点でもオススメです。

 人は「忘れる」生き物です。「忘れない」人はいません。極力記憶に定着を図るための反復方法の工夫をしていく,自分に合った反復方法を見つけていくということが重要です。


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